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認知症による徘徊と向き合う家族へ―玄関対策から始める「安心できる毎日」の作り方

ふとした瞬間、家の玄関が開く音に気づいたとき、胸が締め付けられるような不安に襲われたことはありませんか?

認知症を抱える家族と暮らす日々には、想像以上の喜びもあれば、深い不安もあります。
その中でも「徘徊」という行動は、家族にとって大きな課題です。本人の無事を願いながらも、どうしても目を離すことができない。その緊張感に、心も体もすり減ってしまうのは自然なことです。

特に玄関からの外出は、事故や行方不明といった深刻なリスクを伴います。
だからこそ、玄関対策は「家族の安心」と「本人の尊厳」を守るために、避けては通れないテーマなのです。

今回は、認知症による徘徊の特徴から、具体的な玄関対策、そして実際に工夫を重ねた家族のリアルな体験談まで、幅広くお届けします。
あなたが、明日を少しでも穏やかな気持ちで迎えられるように――そんな願いを込めて。

認知症による徘徊の特徴とは?
まず、理解しておきたいのは、徘徊は「わざと」ではないということです。

認知症による徘徊は、単なる迷子ではありません。
本人にとっては、ちゃんとした目的があることが多いのです。

「家に帰りたい」「誰かに会いに行きたい」「何かを探している」
そんな思いが、本人の中では強い確信となって、行動に現れます。
けれど、その目的地や道筋が曖昧になってしまっているために、結果的に迷ってしまう。

また、身体的・心理的なストレスがきっかけになることもあります。
たとえば、家の中がなんとなく居心地悪く感じたとき、不安になったとき、理由もなく外に出たくなってしまうことも。

昼夜を問わず発生するため、特に夜間の徘徊は、家族が気づきにくく、発見が遅れるリスクが高まります。

警察庁の発表によれば、2023年に認知症が原因で行方不明になった方は、全国で19,039人にものぼりました。
この数字の重さが示しているのは、決して他人事ではないという現実です。

「まさかうちの親が」「こんなに元気だったのに」
誰もが、そんなふうに思っていたはずなのです。

だからこそ、できるだけ早く、そして穏やかに、対策を始めることが大切なのです。

玄関対策の重要性――「閉じ込め」ではなく「守る」という視点で
徘徊を防ぐために、まず考えるべきは「玄関対策」です。

玄関は、家の中と外の境界線。
ここに工夫を施すだけで、外出リスクを大きく減らすことができます。

けれど、ここで注意したいのは、単に「出られないようにする」ことが目的ではない、という点です。

過度な施錠や閉じ込めは、身体拘束とみなされる可能性があり、虐待や監禁罪に問われるリスクさえあります。
何より、本人の尊厳を深く傷つけてしまうかもしれません。

だからこそ、家族が目指すべきなのは、「自由を尊重しながら、安全を確保する」という絶妙なバランス。

そのために、玄関対策には工夫と優しさが必要なのです。

具体的な玄関での徘徊防止対策
ここからは、具体的な方法を紹介していきます。

あなたの家族に合ったやり方が、きっと見つかるはずです。

ドアベルやセンサーの設置
まず手軽に取り入れられるのが、ドアベルやセンサーです。

玄関ドアにセンサーを取り付け、開閉を感知したときに音や光で知らせる仕組み。
たとえば、リーベックスのワイヤレスチャイムや、人感センサー付きモデル(X850など)は、取り付けも簡単で、すぐに使い始められます。

メリットは、閉じ込めることなく行動を把握できること。
家族がすぐに気づき、本人の意志を尊重しながら対応できるのです。

ただし、夜間は音に気づかないリスクもあるので、スマホ通知などの工夫もおすすめです。

徘徊防止用の鍵
さらに一歩踏み込んだ対策として、玄関の鍵を工夫する方法もあります。

着脱式サムターン
室内側の鍵のつまみ(サムターン)を取り外すことで、本人が簡単に解錠できないようにする方法です。
ドルマカバ社の「セーフティサムターン」などが有名ですね。

賃貸住宅でも比較的導入しやすく、緊急時にはサムターンを戻せばすぐに解錠可能という柔軟さも魅力です。

ただし、サムターンの保管場所を家族間で共有しておかないと、万一のときに大変なので要注意です。

両面シリンダー錠
内外どちらからも鍵が必要なタイプの錠。
セキュリティは高いものの、災害時の迅速な脱出が難しくなるリスクもあります。導入は慎重に検討しましょう。

暗証番号式電子錠
長沢製作所のキーレックス500など、暗証番号で解錠するタイプも選択肢のひとつ。

電源不要の機種なら、停電時にも安心です。ただ、認知症の方自身が番号入力できる可能性は低いため、家族側が管理する必要があります。

補助錠の追加
もっと手軽な対策として、既存のドアに補助錠を追加する方法もあります。
面付本締錠などは、工事不要の簡単設置モデルも多く、賃貸でも対応しやすいのがメリット。

取り付ける位置を高めにすれば、本人が気づきにくくなります。

その他の工夫
ドアの高所に鍵を設置するほか、視覚的な工夫も効果的です。
たとえば、ドアに「止まれ」の標識を貼ったり、家族の写真を飾ったりすることで、外出への意識をそらすことができる場合もあります。

また、GPS機器を持たせる方法も有効です。
最近では、靴のインソール型GPSや、キーホルダー型の小型GPSも登場しています。

これなら、万一外出してしまった場合も、素早く居場所を特定することができ、家族の安心感がぐっと高まります。