「父が最近つまずくことが増えた」「母が薬の管理を間違えるようになった」「義父が認知症の初期症状かもしれない」…。
あなたもこんな不安を感じたことはありませんか?私も3年前、80歳を超えた父が自宅の階段で転んで足を骨折したとき、これからどうすればいいのかと途方に暮れました。
高齢化が進む日本では、いつか家族の介護に直面する可能性が誰にでもあります。そんなとき、最初の関門となるのが「要介護認定」です。この制度を理解し、適切に活用することで、大切な家族の生活の質を守り、介護する側の負担も軽減できるのです。
でも、「要介護認定って何?」「どうやって申請するの?」「認定されるとどんなサービスが受けられるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。私自身、父の介護が必要になったとき、初めは制度の複雑さに戸惑い、たくさんの書類と手続きの山に圧倒されました。
そこで今回は、要介護認定の基本から実際の体験談、申請のコツまで、わかりやすく解説します。この記事が、あなたや大切な家族の生活を支える一助になれば幸いです。
要介護認定とは? その仕組みをわかりやすく
要介護認定とは、簡単に言えば「その人がどれだけ日常生活でサポートが必要か」を国が定めた基準で判断する制度です。介護保険サービスを利用するための「入口」といえるでしょう。
「うちのおばあちゃんは杖が必要だから、絶対に介護が必要だよね」と思うかもしれませんが、実は要介護認定は単に「歩けるか歩けないか」だけでは決まりません。身体機能だけでなく、認知機能や生活全般の自立度など、さまざまな角度から総合的に判断されるのです。
ある日、私の父は「もう一人では生活できない」と認めました。足の骨折の後遺症で歩行が不安定になり、入浴も一人では危険になったのです。そこで家族会議を開き、要介護認定を申請することにしました。当時は制度のことをよく知らず、「とにかく何か助けが必要」という思いで市役所に向かったのを覚えています。
認定の流れ:最初の一歩から結果通知まで
要介護認定の流れは大きく分けて5つのステップがあります。
まずは申請から。市区町村の窓口(介護保険課や高齢福祉課など名称は自治体によって異なります)に行き、申請書を提出します。本人が行けない場合は、家族が代理で申請することも可能です。また、地域包括支援センターやケアマネジャー(介護支援専門員)に依頼することもできます。
父の場合、私が仕事の合間を縫って市役所に行きました。申請書に記入し、介護保険証と身分証明書を提示。窓口の方は親切に手続きを説明してくれましたが、正直なところ、このときは頭に入ってくる情報が多すぎて混乱していました。
申請から約1週間後、自宅に調査員がやってきます。この調査が実は最も重要なポイント。調査員(多くは市区町村の職員か委託された介護支援専門員)は74項目にわたる質問を本人や家族にします。「自分でトイレに行けるか」「食事は一人でできるか」「最近物忘れがひどくなっていないか」など、日常生活のあらゆる面を細かくチェックします。
父の調査のとき、私は「もっと事前に父の状態を把握しておけばよかった」と後悔しました。普段あまり関わっていなかった入浴や排泄の状況について、父は「自分でできる」と言い張りましたが、実際はかなり危険な状態だったのです。ここでのアドバイスは、調査前に家族で本人の状態をよく話し合っておくことです。
並行して、かかりつけ医から主治医意見書を提出してもらいます。これは医師が本人の健康状態や医学的見地からの介護の必要性を記載するもので、認定にかなり影響します。
その後、調査結果と主治医意見書をもとに、まずはコンピュータによる一次判定が行われ、それをもとに保健・医療・福祉の専門家で構成される介護認定審査会で最終的な判定が下されます。
申請から約30日後、結果通知が郵送で届きます。父の場合は「要介護2」という結果でした。階段の上り下りや入浴がままならない状態が評価されたようです。
認定区分:「要支援」と「要介護」の違い
認定結果は大きく分けて「非該当(自立)」「要支援1・2」「要介護1~5」の7段階に分類されます。
**非該当(自立)**は、基本的に介護保険サービスは利用できません。ただし、自治体によっては独自の高齢者支援サービスが利用できることもあります。
要支援1・2は、日常生活の一部に支援が必要な状態です。家事や外出などに手助けが必要だけれど、食事や排泄は基本的に自分でできる、といったレベルです。この区分では「予防給付」と呼ばれるサービスが利用できます。
要介護1~5は、日常生活を送るうえで常時介護が必要な状態です。数字が大きくなるほど介護の必要度が高くなります。要介護1は部分的な介護が必要な状態で、要介護5になると寝たきりや重度の認知症で全面的な介護が必要となります。
私の父は「要介護2」。この区分は「入浴や排泄に一部介助が必要で、立ち上がりや歩行が不安定」という状態です。結果を聞いたときは「これで必要なサービスが受けられる」と安堵したことを覚えています。
認定基準のポイント:知っておくべき7つの項目
要介護認定で調査されるのは、大きく分けて7つの項目です。これらの項目をよく理解しておくと、調査時に的確に状況を伝えることができます。
日常生活を7つの角度から見る調査
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身体機能:立ち上がりや歩行などの基本動作がどの程度できるかを評価します。「つかまれば立てる」「数メートルなら歩ける」など、程度を正確に伝えることが大切です。
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生活動作:食事、排泄、入浴、着替えなどの日常動作がどれだけ自分でできるかがポイントです。「見守りが必要」「一部介助が必要」「全介助が必要」など、介助の程度を具体的に伝えましょう。
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認知機能:記憶力や判断力を評価します。「財布の場所がわからなくなる」「火の消し忘れがある」「日にちや曜日がわからない」といった具体的なエピソードがあれば伝えるとよいでしょう。
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精神・行動障害:妄想や暴言、昼夜逆転など精神面での問題行動があるかどうかを評価します。介護する側にとって負担になる行動があれば、包み隠さず伝えることが大切です。
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社会生活への適応:買い物や薬の管理、金銭管理などがどの程度できるかを評価します。「薬を飲み忘れることがある」「通帳の記入が難しくなった」などの変化があれば伝えましょう。
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過去14日間の特別な医療:点滴や酸素療法、カテーテルの使用など医療的なケアが必要かどうかを評価します。これらは認定に大きく影響します。
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その他:通院頻度や家族のサポート状況なども考慮されます。「同居家族も高齢で介護力が弱い」「共働きで日中は見守りができない」といった状況も伝えておくとよいでしょう。
父の調査のとき、私はこれらの項目について事前に知らなかったため、十分に状況を伝えられませんでした。例えば、父は調査員の前では頑張って歩いて見せましたが、普段はかなりふらついていたのです。「普段の状態」をしっかり伝えることが重要だとわかったのは、後になってからでした。
認知症の影響:身体より心の状態が鍵?
興味深いのは、認知症の影響が認定に大きく関わることです。たとえ物忘れがひどくても、身体が元気で問題行動がなければ「要支援」と判定されることも少なくありません。
一方で、徘徊や暴言、妄想などの症状があると、身体機能が比較的良好でも「要介護」に認定される可能性が高まります。これは、そうした行動によって常時見守りが必要になるためです。
私の知人のお母さんは、身体的には自立していましたが、認知症により火の消し忘れが頻繁にあり、時には近所を徘徊することもありました。結果として「要介護1」と認定され、デイサービスを利用できるようになりました。「認知症の症状をきちんと伝えることで、適切なサービスにつながった」と知人は話していました。
家族の介護負担も考慮される
意外と知られていないのが、「家族の介護力」も認定に影響する点です。同居家族が高齢だったり、共働きで日中不在だったりする場合、それだけ介護の社会的支援が必要と判断され、認定が上がる傾向があります。
「うちのおじいちゃんはまだまだ元気だから大丈夫」と思っていても、実は日中の見守りが必要だったり、同居家族の状況によっては適切なサポートが受けられないケースもあります。調査時には家族の状況もしっかり伝えましょう。
父の再調査のときは、母も腰痛を抱えていて十分な介護ができないこと、私は仕事で日中不在が多いことをしっかり伝えました。結果として「要介護3」に変更され、より手厚いサービスが利用できるようになりました。
【体験談】実際の認定例から学ぶ
統計やデータも大切ですが、実際の体験談から学ぶことも多いものです。ここでは、実際に要介護認定を受けた方々の体験をいくつか紹介します。
ケース1:85歳・脳梗塞後遺症の男性(要介護3)
田中さん(仮名)は85歳の男性。1年前に脳梗塞を発症し、右半身に麻痺が残りました。一人では立ち上がれず、トイレもオムツを使用する状態です。
最初の調査では「要介護2」と判定されましたが、妻も83歳と高齢で介護負担が大きいことを伝えたところ、再審査で「要介護3」に変更されました。その結果、週3回のデイサービスに加え、特殊寝台(介護ベッド)のレンタルが可能になり、妻の負担が大きく軽減されたそうです。
「妻も腰痛持ちで、夫の介護は本当に大変でした。要介護3になったおかげで、介護ベッドで移乗が楽になり、デイサービスの日は自分の時間も持てるようになりました」と妻は話します。
このケースから学べるのは、介護者の状況も含めて正確に伝えることの重要性です。最初から全てを話しておくことで、適切な認定を受けられる可能性が高まります。
ケース2:78歳・軽度認知症の女性(要支援1)
佐藤さん(仮名)は78歳の女性。物忘れが増え、料理の手順がわからなくなったり、薬の管理ができなくなったりしていました。しかし、身体機能は比較的良好で、外出も一人でできる状態でした。
調査の結果「要支援1」と認定され、週2回の訪問介護サービスを利用できるようになりました。ヘルパーさんが訪問して食事の準備を手伝ったり、服薬管理をサポートしたりすることで、一人暮らしを続けることができています。
「母は『まだまだ一人で大丈夫』と言い張っていましたが、ガスの消し忘れが何度かあったので心配でした。要支援でも訪問介護が利用できるとわかり、安心しました」と娘さんは話します。
このケースでは、身体機能よりも認知機能の低下が認定のポイントになりました。物忘れによる生活上のリスクをしっかり伝えることで、適切なサポートにつなげることができたのです。
ケース3:70歳・膝痛の男性(非該当→要支援1)
鈴木さん(仮名)は70歳の男性。長年の農作業で膝を痛め、階段の上り下りが辛くなっていました。しかし、初回の調査では「家事は全部自分でできる」と答えたため、「非該当(自立)」と判定されました。
その後、地域包括支援センターの職員からアドバイスを受け、「階段では両手すりが必要」「買い物の荷物が持てない」「掃除機をかけるのが辛い」など、具体的な困りごとを伝えて再申請。結果「要支援1」となり、週1回の家事援助サービスが利用できるようになりました。
「最初は『まだ自分でできる』というプライドがあって、困っていることを言いませんでした。でも、実際にはかなり生活が大変だったんです。再申請して本当に良かった」と鈴木さんは振り返ります。
このケースから学べるのは、「頑張れば何とかできる」ではなく「普段の状態」を正直に伝えることの大切さです。無理をして自立をアピールするより、実際の困りごとを具体的に伝えることが適切な支援につながります。
適正な認定を受けるためのコツ:調査前の準備が肝心
実は、要介護認定の調査では「いかに自分の状態を正確に伝えるか」が重要なポイントです。ここでは、適正な認定を受けるための具体的なコツをお伝えします。
普段の状態を正確に伝える:「できること」をあえて控えめに
調査当日、緊張して「頑張ってみせよう」とする高齢者は少なくありません。特に男性は「まだ大丈夫」と強がる傾向があります。しかし、それでは実際の生活状況が正確に伝わりません。
例えば、「たまに自分で食事ができる日もある」という場合でも、普段は「ほぼ全介助が必要」なら、そのように伝えるべきです。「最近はどうですか?」と聞かれたら、「良い日も悪い日もありますが、悪い日には○○ができません」というように、悪い状態をしっかり伝えましょう。
父の再調査のときは、「調子の良いときだけでなく、悪いときの状態も伝えて」と事前に家族で話し合いました。その結果、より実態に即した認定を受けることができました。
主治医意見書の活用:医師との事前相談が効果的
主治医意見書は認定に大きく影響します。かかりつけ医に状況をよく理解してもらい、具体的に記載してもらうことが大切です。
例えば、「認知症で薬の管理ができない」「骨粗しょう症があり転倒リスクが高い」「持病の管理が難しく見守りが必要」など、医学的な見地からの意見は重みがあります。
受診時に「要介護認定を申請するので、日常生活の困りごとをしっかり記載してほしい」と伝えておくとよいでしょう。特に、診察室での短時間では伝わりにくい家庭での状況は、メモを準備して伝えるとより効果的です。
父の主治医には、骨折後のリハビリ状況だけでなく、認知機能の低下(薬の飲み忘れなど)についても伝えました。医師は「そういった情報は貴重です」と、意見書に詳しく記載してくれました。
不服申し立ての検討:納得いかない結果なら再審査を
認定結果に納得がいかない場合は、「介護認定審査会」に対して再審査を請求することができます。これを「不服申し立て」と言います。
結果通知を受け取ってから60日以内に、市区町村の窓口で手続きを行います。「状態がよく伝わっていない」「実際の介護負担と認定結果が合っていない」など、具体的な理由を示すと効果的です。
また、状態が変化した場合は「区分変更申請」という形で、いつでも再度申請することも可能です。骨折や病気など、状態が急に悪化した場合は迷わず申請しましょう。
私の父の場合、最初の「要介護2」の結果に対して、家族としては「もう少し手厚いサポートが必要では」と感じていました。しかし、その時点では不服申し立てはせず、3か月後に状態の変化(歩行の不安定さが増した)を理由に区分変更申請を行い、「要介護3」に変更されました。
認定後のサービス例:区分ごとに利用できるサービスが異なる
要介護認定を受けた後、実際にどのようなサービスが利用できるのでしょうか?区分ごとに利用できるサービスは異なります。
要支援1・2の場合:予防重視のサービス
要支援と認定された場合は、「介護予防サービス」が中心となります。身体機能の維持・向上を目指し、自立した生活をできるだけ長く続けられるよう支援するのが目的です。
具体的には、以下のようなサービスがあります:
- 訪問介護(ホームヘルプサービス):ヘルパーが自宅を訪問し、掃除や洗濯、買い物などの生活援助を行います。
- 通所介護(デイサービス):デイサービスセンターに通い、入浴や食事、レクリエーションなどのサービスを受けられます。
- 介護予防訪問リハビリテーション:理学療法士などが自宅を訪問し、リハビリを行います。
- 福祉用具のレンタル:手すりや歩行器などの福祉用具をレンタルできます(種類は限定的)。
要支援者向けサービスは、自分でできることは自分で行うという「自立支援」の考え方が基本です。そのため、身体介護よりも生活援助や予防的なサービスが中心となります。
私の知人のお母さん(要支援2)は、週2回のデイサービスと週1回の訪問介護を利用しています。「デイサービスでのリハビリや交流で活気が戻った」と知人は話していました。
要介護1~2の場合:在宅生活をサポートするサービス
要介護1~2になると、要支援より範囲の広いサービスが利用できるようになります。身体介護を含むサービスや、利用回数・時間の増加が可能です。
主なサービスには以下のようなものがあります:
- 訪問介護:身体介護(入浴、排泄、食事の介助など)と生活援助(掃除、洗濯、買い物など)の両方を受けられます。
- 通所介護:デイサービスの利用回数が増やせます。
- 短期入所生活介護(ショートステイ):一時的に施設に滞在し、介護サービスを受けられます。家族の休息や冠婚葬祭などに活用できます。
- 福祉用具レンタル:介護ベッド、車いすなど、より広範囲の福祉用具がレンタル可能です。
- 住宅改修費の支給:手すりの設置や段差解消など、住環境の改善に助成が受けられます(上限20万円)。
父が「要介護2」だった頃は、週3回のデイサービスと、月に1回のショートステイを利用していました。母の負担軽減のため、ショートステイは大変助かったそうです。
要介護3~5の場合:より手厚い介護サービス
要介護3以上になると、より頻繁かつ手厚いサービスが利用できるようになります。また、特別養護老人ホームなどの施設入所も可能になります。
主なサービスには以下のようなものがあります:
- 訪問介護:より長時間、高頻度のサービスが利用可能です。
- 訪問看護:看護師が自宅を訪問し、医療的なケアを行います。
- 特別養護老人ホーム:常時介護が必要な方が入所できる施設です(原則として要介護3以上)。
- グループホーム:認知症の方が共同生活を送りながら介護を受けられる施設です。
- 小規模多機能型居宅介護:「通い」「訪問」「泊まり」を組み合わせた柔軟なサービスです。
- 24時間対応の定期巡回・随時対応型訪問介護看護:日中・夜間を通じて、定期的な訪問と緊急時の対応を行います。
父が「要介護3」に変更された後は、デイサービスの内容が充実し(入浴介助が手厚くなる)、訪問看護も利用できるようになりました。特に訪問看護は、医療的な視点でのアドバイスが得られ、家族としても安心できました。
費用負担:介護保険の自己負担は原則1~3割
介護サービスの費用負担は、原則として1割(一定以上の所得がある方は2割または3割)です。また、サービスにはそれぞれ上限額(支給限度額)が設定されており、それを超えると全額自己負担になります。
例えば、要介護3の場合の支給限度額は月額約27万円。このうち9割(約24万円)が介護保険から給付され、1割(約3万円)が自己負担となります。ただし、実際には限度額いっぱいまでサービスを利用することは少なく、多くの場合は月1~5万円程度の自己負担で済むことが多いです。
父の場合、デイサービス週3回、訪問看護週1回、福祉用具レンタルなどを合わせて、月の自己負担額は約3万5千円でした。初めは「結構な金額だな」と思いましたが、介護の大変さを実感すると「この金額で専門家のサポートが受けられるのはありがたい」と感じるようになりました。
まとめ:大切な家族のために知っておきたい要介護認定の知識
ここまで、要介護認定の基本から実際の体験談、申請のコツまで詳しく見てきました。最後に、重要なポイントをまとめておきましょう。
要介護認定は「7つの調査項目と医師の意見」を総合的に判断して決まります。単に「歩けるか歩けないか」だけでなく、認知機能や社会生活への適応度、家族の介護力なども考慮されるのです。
特に「認知症」の影響は大きく、物忘れや問題行動がある場合は具体的に伝えることが重要です。また、家族の負担状況もきちんと伝えましょう。
調査時には「普段の状態」を正確に伝えることが大切です。良い日の状態ではなく、悪い日も含めた平均的な状態、あるいは最も手助けが必要な状態を伝えるようにしましょう。「頑張ればできる」ではなく「普段はできない」という視点で考えることが、適切な支援につながります。
認定結果に納得がいかない場合は、不服申し立てや区分変更申請という選択肢もあります。一度の結果であきらめず、状況に応じて再チャレンジしてみましょう。
初めての申請で不安な方は、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談することをおすすめします。介護保険制度のプロフェッショナルが親身になって相談に乗ってくれます。センターの場所や連絡先は、市区町村の窓口やホームページで確認できます。
私自身、父の介護を通じて学んだことは、「早めに動くこと」の大切さです。「まだ大丈夫」と思っていても、認定から実際のサービス利用まではある程度時間がかかります。心配な兆候があれば、早めに相談や申請をすることをおすすめします。
また、申請は家族だけでなく、本人の理解と協力を得ることも重要です。「年だから仕方ない」「迷惑をかけたくない」と思う高齢者も多いもの。制度を利用することで「自立した生活を長く続けられる」というポジティブな側面を伝えると、本人も前向きに受け止めやすくなります。
父は最初、「まだ自分でできる」と介護サービスの利用に消極的でした。しかし、デイサービスで新しい友人ができ、リハビリで体力が回復してくると、「行くのが楽しみ」と言うようになりました。今では週3回のデイサービスが生活の中心となり、以前より活気が出てきました。
適切な要介護認定を受け、必要なサービスを利用することで、介護される側もする側も、より良い生活を送ることができます。この記事が、あなたや大切な家族の支えになれば幸いです。
年を重ねることは誰にでも訪れること。その時々の状況に合わせた支援を受けながら、尊厳ある生活を送れるよう、制度を上手に活用していきましょう。あなたの家族の幸せな生活のために、この記事が少しでもお役に立てば嬉しいです。