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長年連れ添った後の新しい恋心の正体と向き合い方

長年連れ添った配偶者がいるのに、ふとした瞬間に心が揺れる。趣味のサークルで出会った方、地域のボランティアで知り合った方、あるいは昔の同級生との再会。そんな出会いが、まるで若い頃のような感情を呼び起こすことがあるんですね。

「この年になって、こんな気持ちになるなんて」

そう思って、自分を責めてしまう方もいらっしゃるかもしれません。でも、大丈夫ですよ。そういう感情は、決して珍しいことではないんです。むしろ、人生経験を重ねたからこそ感じる、深い心の動きなのかもしれません。

今日は、そんな複雑な気持ちについて、一緒に考えてみたいと思います。

なぜ長年の結婚生活の後に心が揺れるのか

結婚して何十年も経つと、夫婦の関係は落ち着きますよね。それは素晴らしいことです。お互いを思いやり、支え合い、阿吽の呼吸で生活できる。これは、長年一緒に過ごしてきたからこそ得られる、かけがえのない絆です。

でもね、時々ふと感じることがあるんです。「安心はあるけれど、ときめきはいつの間にか消えてしまったな」って。

朝起きて、一緒に朝食を食べて、それぞれの用事をこなして、夜はテレビを見ながら過ごす。穏やかで平和な日々。でも、心のどこかで「何か物足りない」と感じてしまう。そんな経験、ありませんか。

子育ても終わり、仕事も一段落して。ふと自分の人生を振り返ったとき、「これからの時間をどう過ごそう」と考えることが増えますよね。そんなとき、心が新しい刺激に敏感になるんです。

そして、そんなタイミングで出会う方がいると、まるで心に隙間ができていたかのように、その方のことが気になってしまう。これは、決してあなたが悪いわけではないんですよ。

長年生きてきた中で、私たちは変化し続けています。60代、70代のあなたは、結婚した頃の20代、30代のあなたとは違う人間になっているんです。価値観も、興味も、大切にしたいことも変わっている。だから、「今の自分に合う」と感じる方に惹かれてしまうことがあるんですね。

心の動きを理解する

人生の後半になって感じる恋心には、いくつかの要因が重なっていることが多いんです。

まず、日々の生活の中での不満や物足りなさを、新しく出会った方に投影してしまうことがあります。「この方となら、もっと楽しい人生が送れるかもしれない」という理想を、相手に重ねてしまうんですね。

でも、これは要注意なんです。長年一緒に暮らしてきた配偶者の欠点は目につきやすくなりますが、新しく出会った方の欠点はまだ見えていないだけ、ということも多いんですよ。

それから、興味深いのは科学的な側面もあるということ。人間は無意識のうちに、遺伝子の相性を匂いで感じ取っているという研究があるんです。長年連れ添った配偶者とは違うタイプの方に、本能的に惹かれてしまうことがある。これは、理屈では説明できない感覚なんですね。

「運命の人」と感じる瞬間

新しく出会った方に対して、不思議な感覚を覚えることがあります。

初めて会ったのに、なぜか懐かしい。目が合った瞬間に、胸が温かくなる。一緒にいると、若い頃の自分に戻ったような気分になる。

「この人のことを、ずっと前から知っていた気がする」

そんな感覚に襲われることがあるんです。

これは、スピリチュアルな考え方では「ソウルメイト」とか「ツインレイ」とか言われることもありますね。魂の結びつきがある相手、という考え方です。

でも、ここで大切なことがあります。強烈に惹かれる相手が、必ずしも「一緒に人生を歩むべき相手」とは限らないということなんです。

ある考え方では「カルマメイト」という言葉もあります。これは、人生の学びのために現れる相手。強烈に惹かれるけれど、一緒にいると心が乱れたり、生活が揺らいだりする。そういう相手のことを指すんですね。

実際にあったお話

ここで、いくつかの実例をお話ししましょう。個人が特定されないように、細部は変えてありますが、実際にあったお話です。

ある70歳の女性の話です。夫とは45年以上連れ添っていました。子どもも独立し、孫も生まれ、平穏な日々を送っていました。

そんなある日、地域の俳句サークルに参加したんです。そこで出会った75歳の男性。その方も奥様を亡くされて数年経っていました。

俳句を通じて話をするうちに、この女性は不思議な感覚に襲われました。初めて会ったのに、なぜか懐かしい。一緒に季節の風景を詠んでいると、心の奥底にしまっていた「詩を愛する自分」が目覚める気がしたんです。

夫は実務的で真面目な人。生活を支えてくれる、頼りになる人。でも、芸術的な話や感性の話は、あまり通じ合えなかった。そんな彼女にとって、俳句サークルの男性は「今の自分が求めていた感性」を持っている人だったんですね。

家に帰っても、その方の声や、一緒に詠んだ句が頭から離れない。夫と夕食を食べていても、ふと心がそちらに飛んでしまう。

「この年になって、こんな気持ちになるなんて。私はおかしいんだろうか」

彼女は自分を責めました。でも同時に、長い間忘れていた「心が躍る感覚」を久しぶりに感じていたんです。

もう一つ、68歳の男性の話です。定年退職して数年。妻とは40年以上一緒に暮らしてきました。子どもも孫もいて、家族関係は良好でした。

退職後、地域のボランティア活動に参加するようになったんです。そこで出会った63歳の女性。彼女もボランティア仲間でした。

最初は普通の知り合いだったんですが、あるとき一緒に活動計画を立てていたとき、ふと目が合った瞬間、胸の奥が熱くなるような感覚がありました。

その後、彼女の考え方や行動力に、どんどん惹かれていく自分がいました。妻は家庭的で優しい人だけれど、やや消極的。この女性は、自分の意見をはっきり言い、行動力がある。彼が若い頃に「こうありたい」と思っていた姿に近かったんです。

「もし、この人と出会っていたら、違う人生があったかもしれない」

そんなことを考えてしまう自分に、罪悪感を感じました。でも同時に、「こんな感情、もう一生ないと思っていた」という驚きもあったんです。

ちょっと面白い余談ですが、この男性、実は若い頃にも似たような経験があったそうです。新婚1年目のとき、職場に配属された後輩の女性に一瞬心が揺れたことがあったんだとか。でもそのときは仕事が忙しく、あっという間にその感情は消えてしまった。「若気の至りだった」と今は笑って話しますが、「人間って、何歳になっても心が揺れることがあるんだな」としみじみ感じたそうです。

そしてもう一つ、73歳の女性の話。彼女は夫と50年近く連れ添っていました。夫は真面目で誠実、家族思いの人でした。

ある日、高校時代の同窓会がありました。そこで再会した昔の同級生の男性。学生時代、実は彼女は密かにこの男性に憧れていたんです。でも、当時は恥ずかしくて何も言えなかった。

何十年ぶりの再会。お互い年を重ねて、白髪も増えて。でも、話してみると不思議なほど話が弾みました。昔の思い出話から始まり、それぞれの人生の話、今の趣味の話。

「これは運命だ。ようやく巡り会えたんだ」

彼女はそう確信しました。その後、メールのやり取りが始まり、会う機会も増えていきました。

でも、数ヶ月後、彼女は気づいたんです。一緒にいると確かに楽しいけれど、心が落ち着かない。夫のことを隠していることへの罪悪感、子どもや孫に知られたらどうしようという不安、そして何より、今の生活を壊してしまうかもしれないという恐怖。

強烈に惹かれているのに、一緒にいると心が乱れる。これが、いわゆる「カルマメイト」と呼ばれる関係だったんですね。

その関係を思い切って手放したとき、彼女は初めて気づきました。50年近く一緒にいる夫こそが、本当に自分の人生を支えてくれた人だったと。派手なときめきはないかもしれないけれど、静かで深い信頼がそこにはあったんです。

この複雑な気持ちとどう向き合うか

さて、もしあなたが今、そんな複雑な気持ちを抱えているとしたら、どうすればいいでしょうか。

まず大切なのは、自分を責めないことです。人生の後半になって、新しい感情を持つことは、決して悪いことではありません。むしろ、あなたの心がまだ生き生きとしている証拠なんですよ。

でも同時に、感情だけで行動してしまうのは危険です。長年築いてきた家族との関係、孫との絆、地域でのつながり。そういったものを失ってしまうかもしれません。

ときめきと恋愛感情は、必ずしも同じではないんです。新しい方に感じる魅力は、もしかしたら「理想化」かもしれない。相手の良い面だけを見て、まだ見えていない部分がたくさんあるかもしれないんです。

そして、一度立ち止まって、今の結婚生活を見つめ直してみることをお勧めします。

配偶者に対して、何か不満がありますか。もしあるなら、それは話し合いで解決できることでしょうか。長年連れ添ってきたからこそ、「言わなくてもわかるだろう」と思っていたことが、実は伝わっていなかったということもあります。

自分自身が変わったと感じますか。もしそうなら、その変化を配偶者と共有してみてはどうでしょう。「最近、こういうことに興味が出てきた」「こういうことをやってみたい」と話してみる。長年一緒にいる相手だからこそ、理解してくれるかもしれません。

新しく出会った方に惹かれる理由を、冷静に考えてみることも大切です。その方と一緒にいて、本当に心が安定しますか。それとも、心が乱れたり、罪悪感を感じたりしますか。

もし心が乱れるようなら、それは「カルマメイト」かもしれません。強烈に惹かれるけれど、必ずしも幸せにつながるとは限らない相手です。

逆に、心が本当に安定し、自分らしくいられるなら、それは「ソウルメイト」かもしれません。でも、ソウルメイトは恋愛相手とは限らないんです。人生の良き友人、理解者として、距離を保ちながら関係を続けることもできるんですよ。

人生後半の選択と向き合い方

人生の後半戦、まだまだこれからの時間があります。60代、70代、80代。今の時代、皆さんお元気で、やりたいこともたくさんあるでしょう。

新しい感情を持つことは、あなたがまだまだ成長している証拠です。でも、その感情をどう扱うかが大切なんですね。

もし、本当に今の結婚生活に問題があるなら、新しい恋に飛び込む前に、まず今の関係を見つめ直してみてください。長年連れ添った配偶者と、もう一度向き合ってみる。忘れていた会話を取り戻してみる。一緒に新しいことを始めてみる。

そうすることで、「あれ、実は今の関係も悪くないな」と気づくこともあるんです。

一方で、新しく出会った方との関係を大切にしながらも、適切な距離を保つという選択もあります。良き友人として、趣味を共有する仲間として。恋愛関係にならなくても、人生を豊かにしてくれる関係はあるんですよ。

大切なのは、一時的な感情に流されて、長年築いてきたものを壊してしまわないこと。子どもや孫のことも考えてみてください。あなたの選択は、家族全体に影響を与えます。

でも同時に、自分の気持ちを押し殺してしまう必要もありません。新しい感情を持ったこと自体は、決して悪いことではないんですから。

その気持ちを認めながら、でも冷静に、慎重に、自分の人生を選んでいく。それが、人生経験を重ねた私たちにできることなんだと思います。