「親と一緒に暮らすべきか、それとも別々に暮らすべきか——」
この問いに明確な正解はありません。親の健康状態、家族の状況、住環境、そして何よりもお互いの気持ちが大きく関わる問題だからです。とはいえ、同居にはメリットもあれば、気を付けるべき点もあります。今回は、高齢の親と同居することの利点と注意点、そして実際の体験談を交えながら、そのリアルな一面をお伝えします。
同居のメリット
1. 親のサポートがしやすくなる
高齢になると、家事や移動、健康管理など、日常生活のあらゆる面でサポートが必要になることがあります。同居していれば、食事の準備や病院への付き添い、薬の管理など、スムーズに支援ができます。
例えば…
「母が一人で暮らしていた頃は、食事の栄養バランスが心配でした。同居するようになってからは、毎日一緒に食事をしながら健康状態をチェックできるので、安心感が増しました。」(50代女性)
2. 精神的な安心感を得られる
歳を重ねると、孤独を感じることが増えがちです。特に配偶者を亡くした後や、友人との付き合いが減ると、一人でいる時間が寂しさにつながることも。同居することで「話し相手がいる」「見守られている」という安心感を持つことができます。
例えば…
「母は昔からおしゃべりが大好きですが、一人暮らしをしていた時は話し相手がいなくて寂しそうでした。今では毎日孫たちと会話を楽しんでいます。」(40代男性)
3. 家族の絆が深まる
世代を超えた交流が増えることで、家族のつながりが強くなるのも同居の大きなメリットです。特に子どもがいる家庭では、祖父母とのふれあいが子どもにとって良い影響を与えることも多いです。
例えば…
「子どもが祖母から昔の話を聞くのが大好きで、すごく楽しそうにしています。家族の歴史を直接伝えられるのは貴重なことだなと感じます。」(30代女性)
同居の注意点
1. 生活スタイルの違いによるストレス
親と子では生活リズムや価値観が異なることも多く、すれ違いがストレスにつながることがあります。
例えば…
「私は夜型なのに、母は朝5時に起きてテレビをつけるタイプ。最初はお互いにイライラしましたが、話し合って『朝は小さい音で聞く』『夜は静かに過ごす』というルールを決めたら、お互い快適になりました。」(40代男性)
2. プライバシーの確保が必要
一つ屋根の下で暮らすとはいえ、お互いに適度な距離感を保つことが大切です。
例えば…
「最初は同じリビングで過ごしていましたが、母も一人の時間が欲しいようだったので、母専用の小さな部屋を用意しました。すると、以前よりも穏やかに過ごせるようになりました。」(50代女性)
3. 介護の負担が増える可能性
親の健康状態が悪化すると、介護の負担が大きくなることがあります。特に認知症などの症状がある場合、一人で抱え込まない工夫が必要です。
例えば…
「母の認知症が進行し、夜中に外へ出てしまうことが増えました。一人では対応しきれなくなり、デイサービスを利用することに。すると私の負担が軽くなり、母も日中に刺激を受けられるようになりました。」(50代女性)
体験談から学ぶ、上手な同居のコツ
1. 事前にルールを決める
「最初に生活のルールを決めておけばよかった」という声はよく聞かれます。家事の分担、起床・就寝時間、家の中での過ごし方など、できるだけ具体的に話し合っておくとスムーズです。
2. 家の中に“逃げ場”を作る
常に顔を合わせていると、時には息が詰まることも。個々のスペースを確保し、適度に距離をとることが大切です。
3. 外部のサポートを活用する
「全部自分でやらなきゃ」と思い込まず、介護サービスや家事代行などを上手に利用することも、ストレスを減らすポイントです。
まとめ:同居は無理をせず、楽しむ工夫を
高齢の親との同居には、安心感や家族の絆の強化といったメリットがある一方で、生活リズムの違いや介護の負担といった課題もつきものです。大切なのは、「お互いが快適に過ごせる環境を作ること」。事前にしっかり話し合い、必要に応じて外部のサービスを活用しながら、無理なく続けられる同居スタイルを見つけましょう。
親との時間は、かけがえのないもの。同居をきっかけに、家族の新しい形を築いていくことができれば、それはきっと大きな財産になるはずです。