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60代からの夫婦関係を見つめ直す!仮面夫婦を乗り越える知恵

長年連れ添ったご夫婦の中には、ふと「私たち、いつから会話がなくなったんだろう」って感じることがある方も、いらっしゃるんじゃないでしょうか。外から見れば仲の良い夫婦に見えるけれど、家の中では必要最低限の会話しかない。そんな関係を「仮面夫婦」と呼ぶそうです。

でもね、これは決してあなただけの問題じゃないんですよ。多くのご夫婦が、人生のどこかで同じような壁にぶつかっているんです。今日は、そんな関係について一緒に考えてみませんか。

仮面夫婦って、どういう状態なの?

仮面夫婦というのは、外から見れば普通の夫婦なんだけれど、家庭内では心の交流が途絶えてしまった関係のことを言います。まるで「同居人」のような、感情の行き来がない状態なんですね。

でも誤解しないでいただきたいのは、これは「悪い夫婦」という意味じゃないんです。むしろ、何かを守ろうとして、無意識のうちにそうなってしまった、というご夫婦が多いんですよ。

たとえば、子供や孫のため。経済的な理由。世間体。健康面での不安。いろんな事情があって、「今、大きな変化は起こせない」と思いながら、日々を過ごしていらっしゃる方が本当に多いんです。

こんなサイン、ありませんか?

ちょっと振り返ってみてください。最近のご夫婦の様子、こんな感じになっていませんか?

一日の会話が「ご飯はいらないの?」「明日、病院に行くから」といった事務的な連絡だけになっている。パートナーが何時に帰ってきても、あまり気にならなくなった。二人きりで外出することが、なんとなく面倒に感じる。

相手の体調が悪くても、心配よりも「あれ、誰が晩ご飯作るんだろう」って思ってしまう。結婚記念日や誕生日を、特に意識しなくなった。手をつなぐことはおろか、肩が触れ合うことすら避けるようになった。

もしこういうことが当てはまるなら、もしかしたら、あなたのご夫婦も「仮面夫婦」の状態になっているかもしれません。でも、落ち込まないでくださいね。気づいたということは、何か変えられるチャンスでもあるんですから。

68歳の女性が教えてくれたこと

私の知り合いに、68歳になる女性がいます。彼女は結婚して45年になるそうなんですが、ここ15年ほど、ご主人との会話がほとんどなくなっていたんだそうです。

「最初は寂しかったわ。でも、子供たちも独立して、孫の世話もあって、忙しくしているうちに、そういうものかなって思うようになっちゃったのよね」

彼女とご主人は、朝も別々に起きて、別々に朝食を取る。夜も、ご主人はリビングでテレビ、彼女は寝室で読書。会話といえば「明日、回覧板回しておいて」「ああ」程度だったそうです。

でもある日、彼女が体調を崩して入院することになったんです。そしたらご主人が、毎日病院に来てくれた。最初は黙って座っているだけだったけれど、3日目くらいに、ぽつりぽつりと話し始めたそうなんです。

「お前がいないと、家がガランとして寂しいな」

その一言で、彼女は涙が止まらなくなったって言っていました。ああ、この人は私のこと、ちゃんと大切に思ってくれていたんだって。

退院してから、二人の関係は少しずつ変わっていったそうです。毎朝、一緒に朝食を取るようになった。たわいもない話をするようになった。

「完全に元に戻ったわけじゃないのよ。若い頃みたいに手をつないで歩いたりはしないし、ラブラブってわけでもない。でもね、今は『一緒にいてくれる人がいる』ってことが、すごくありがたく感じるの」

なぜ仮面夫婦になってしまうのか

若い頃は、あんなに話すことがあったのに。デートが楽しみで、一緒にいるだけでワクワクしていたのに。なぜ、こんな風になってしまったんでしょう。

理由はご夫婦それぞれだと思いますが、多くの場合、こんなことが積み重なっているんじゃないでしょうか。

まず、子育てに必死だった時期。お子さんが小さい頃は、夫婦で話すことといえば子供のことばかり。「今日、熱が出た」「お弁当を忘れていった」「進路をどうしよう」。そうやって子供中心の生活を続けているうちに、夫婦二人で話すことが見つからなくなってしまった。

次に、仕事の忙しさ。ご主人は会社で、奥様は家事や仕事で、それぞれが一生懸命だった。疲れて帰ってきて、話す気力もなく眠りについて、また朝が来る。そんな日々の繰り返しの中で、いつの間にか「話さなくても困らない」関係になってしまった。

そして、小さなすれ違いの積み重ね。言いたいことを我慢して、我慢して。いつか爆発しそうになって、でも波風立てるのも面倒で。そうしているうちに、「もう何を言っても無駄」って諦めてしまった。

さらに、体の変化もあるかもしれません。更年期を経て、夫婦のスキンシップが減っていった。恥ずかしさもあって、そのまま距離ができてしまった。

これ、どれも悪いことをしているわけじゃないんですよね。むしろ、一生懸命に生きてきた証なんです。でも、気づいたら夫婦の心が離れてしまっていた。そういうことなんだと思います。

72歳の男性の後悔と再出発

もう一つ、印象的なお話を聞いたことがあります。

72歳になる男性は、定年退職してから、急に妻との関係に違和感を覚えたそうです。会社にいた頃は、朝早く出て夜遅く帰る生活。休日も接待ゴルフ。家にいる時間が短かったから、妻との会話がなくても気にならなかった。

でも定年後、一日中家にいるようになって、改めて気づいたんだそうです。妻と話すことが、本当に何もないって。

「妻は家事をして、友達と出かけて、趣味の習い事をして。私は家でテレビを見るか、散歩するか。同じ家にいるのに、まるで別々の世界にいるみたいだった」

寂しくて、時々話しかけてみたそうです。でも、妻の反応は冷たかった。「今、忙しいから」「テレビ見てたら?」って。

彼は初めて、妻がどれだけ寂しい思いをしてきたか、気づいたんだそうです。自分が仕事ばかりで家庭を顧みなかった何十年。妻が話しかけてきても、疲れているからって適当に返事をしていた日々。

「私が妻に冷たくしてきたから、妻も心を閉ざしてしまったんだって、ようやくわかったんです」

彼は、勇気を出して妻に謝ったそうです。「今まで、本当にごめん。これから少しずつでいいから、また一緒に話せるようになりたい」って。

最初、妻は戸惑っていたそうです。でも、彼が毎日少しずつ、家事を手伝ったり、妻の趣味の話を聞いたりするうちに、少しずつ心を開いてくれるようになった。

「完全に元には戻らないかもしれない。でも、今は一緒に朝のコーヒーを飲みながら、孫の話をしたり、昨日見たテレビの話をしたり。そういう小さな幸せが、本当にありがたいんです」

ちょっと面白い話

ここで少し、軽い話題を挟ませてください。

仮面夫婦について調べていた時、面白いデータを見つけたんです。ある調査によると、夫婦の会話時間が一番長いのは、実は「犬を飼っている夫婦」なんだそうです。

「今日、ポチが散歩中に変な虫を見つけてさ」「ああ、あの子、虫好きだよね」なんて、ペットのことを話すうちに、自然と会話が増えるんですって。

犬に限らず、猫でも、鳥でも、金魚でも。共通の「話題」があるって、すごく大事なことなんですね。

もし今、会話がないって悩んでいる方がいたら、何か共通の興味を持てるものを見つけるのも一つの方法かもしれませんよ。

これから、どうすればいい?

さて、もし今、あなたが「うちも仮面夫婦かもしれない」って感じているとしたら。これから、どうすればいいんでしょうか。

実は、選択肢は一つじゃないんです。大きく分けて、3つの道があると思います。

一つ目は「もう一度、関係を作り直す」という道。

これは、まだお互いに「やり直したい」という気持ちがある場合です。急に仲良くなろうとしても難しいから、本当に小さなことから始めるんです。

たとえば、朝、「おはよう」を言う。これだけでもいいんです。次は、一緒にお茶を飲む時間を作る。週に一回でいいから、二人で散歩に出る。

大切なのは、相手を責めないこと。「あなたが悪い」「なんで話してくれないの」って言っても、相手は心を閉ざすばかりです。まず自分から、小さな一歩を踏み出してみる。それが大事なんですね。

二つ目は「今の関係を、お互いが納得できる形に整える」という道。

これは、愛情はないけれど、いろんな事情で離婚は難しいという場合です。だったら、お互いの自由を尊重し合う「パートナー」として、割り切って暮らすという選択肢もあります。

実際、そうやって割り切ったことで、逆に気持ちが楽になったという方もいらっしゃるんですよ。相手に期待しなくなったら、イライラもしなくなった。お互いに干渉せず、でも困った時は助け合う。そういう関係も、一つの夫婦の形だと思います。

三つ目は「新しい人生に向けて準備する」という道。

もう、どうしても一緒にいることが辛い。自分の人生を取り戻したい。そう思うなら、それも一つの選択です。ただし、シニア世代の離婚は、若い人以上に準備が必要です。

経済的なこと、住むところ、健康面でのサポート。いろんなことを考えなければいけません。だから、もし離婚を考えるなら、数年単位で計画を立てることをお勧めします。

これは「逃げ」じゃありません。自分の残りの人生を、もっと幸せに生きるための「前向きな選択」なんです。

65歳の女性の決断

私の知り合いに、65歳で離婚を決意した女性がいます。

彼女と旦那さんは、30年以上、ほとんど会話のない生活を送ってきたそうです。子供たちが独立してからは、完全に別々の生活。家にいても、顔を合わせることすら避けていた。

「私、このまま人生を終えたくないって思ったの」

彼女は、3年かけて準備をしたそうです。パートの仕事を増やして貯金をして、一人でも暮らせる小さなアパートを探して。そして、子供たちに事情を話して理解を得た。

離婚の時、旦那さんは意外なことを言ったそうです。「実は俺も、ずっと同じことを考えていた」って。

お互いに、長年我慢していたんですね。世間体や子供のことを考えて、離婚に踏み切れなかった。でも、彼女の決断が、旦那さんにも勇気を与えたんです。

今、彼女は一人暮らしを楽しんでいます。好きな時に起きて、好きなものを食べて、好きな時に寝る。友達と旅行にも行けるようになった。

「寂しい時もあるわよ。でも、あの息苦しい生活を続けるよりは、今の方がずっと幸せ。もっと早く決断すればよかったって思うくらい」

ただし、こういう選択ができたのは、彼女がしっかり準備をしたからです。勢いだけで離婚してしまうと、後で困ることも多いですから、慎重に考えることが大切ですよ。

大切なのは、あなた自身の心

仮面夫婦であることが、必ずしも悪いわけじゃないんです。それは、何かを守るために選んだ形だったかもしれない。

でも、その仮面があなた自身の心を苦しめているなら。毎日が辛くて、笑えなくなっているなら。それは、立ち止まって考える時なのかもしれません。

世間体や、子供のため、経済的な理由。いろんなことを考えるのは大切です。でも、一番大切なのは「あなた自身が、明日笑顔で目覚められるかどうか」なんじゃないでしょうか。

人生100年時代と言われています。60代、70代は、まだまだこれからなんです。残りの人生を、息苦しい思いで過ごすのか、それとも自分らしく笑って過ごすのか。

その選択をするのは、あなた自身なんですよ。

小さな一歩から始めてみませんか

もし今、「関係を修復したい」と思っているなら、本当に小さなことから始めてみてください。

明日の朝、いつもより少し大きな声で「おはよう」って言ってみる。夕食の時、「今日は天気が良かったね」って話しかけてみる。テレビを見ながら、「この俳優さん、昔よく見たよね」って共通の思い出を探してみる。

相手が最初、冷たい反応をしても、がっかりしないでください。何十年もの間に積もった氷は、一日では溶けません。でも、少しずつ、少しずつ、あなたの温かさが伝わっていくはずです。

もし「もう修復は難しい」と感じているなら、それでも焦らないでください。今の生活を続けるのか、新しい道を探すのか。じっくり考える時間を持ってください。

そして、一人で悩まないでくださいね。信頼できる友人や、家族、時には専門家の力を借りることも大切です。カウンセラーや、地域の相談窓口。そういう場所で話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがありますから。