皆さん、こんにちは。最近、お孫さんやお子さんから「マッチングアプリ、やってみたら?」なんて勧められたこと、ありませんか?実は今、50代、60代、70代の方々がマッチングアプリを使い始めるケースが、とても増えているんですよ。
配偶者を亡くされた方、離婚された方、あるいはお子さんが独立されて、ふと「これからの人生、誰かと一緒に過ごせたら」と思われる方。そんな気持ち、とてもよく分かります。人生は、何歳になっても新しい出会いを求める権利がありますものね。
でもね、実際に始めてみると、こんな声をよく聞くんです。「出会いはあるんだけど、なんだか心が動かないのよね」「会ってはみるけど、ピンとこないっていうか…」そう、まさにそこなんですよね。今日は、そんな悩みについて、一緒に考えていきたいと思います。
なぜ恋愛感情が湧いてこないのか
長い人生を歩んでこられた皆さんだからこそ、出会いに対して感じることがあるんですよね。若い頃とは違う、何とも言えない複雑な気持ち。それには、ちゃんとした理由があるんです。
まず一つ目は、価値観と人生経験のギャップです。皆さん、これまでの人生で培ってこられた大切な価値観や、日々の習慣がありますよね。それが、新しく出会う方とは、思った以上に違っていることが多いんです。
例えばね、プロフィールに「旅行が趣味」と書いてあっても、ある方は「高級ホテルでゆっくり過ごしたい」と思い、別の方は「手頃な宿に泊まって、史跡巡りを楽しみたい」と考えている。同じ「旅行好き」でも、こんなに違うことがあるんですよね。実際に会ってみて初めて、「あれ、思っていたのと違うな」と気づくことが多いんです。
二つ目は、「若さ」への期待です。これは特に男性の方に多いのですが、ご自身の年齢よりもかなり若い女性を希望される傾向があるんですね。ある73歳の男性は、こんなことをおっしゃっていました。「頭では分かっているんだ。70代の女性と話が合うって。でも、どうしてもプロフィール写真で若く見える人に目がいってしまうんだよね」
これって、ご自身の老いを受け入れることの難しさや、世の中が「若さは良いもの」と美化しすぎている影響もあるのかもしれません。でも、本当に大切なのは年齢ではなくて、心が通い合うかどうかなんですよね。
三つ目は、過去との比較です。これは、特に配偶者を亡くされた方に多いのですが、新しい出会いは、どうしても「亡くなった妻」や「元の夫」と比べてしまうんですよね。一緒に食事をしながら、「妻はこういう味付けが好きだったなあ」「前の夫は、この話題についてはこう言っていたわ」と、無意識のうちに比べてしまう。
これは自然な感情です。長年連れ添った方との思い出は、簡単に消えるものではありませんから。でも、この比較が続くと、新しい方の良さが見えにくくなってしまうんですよね。
四つ目は、デジタルコミュニケーションの壁です。正直に言うと、文字だけのやり取りって、私たちの世代には難しいですよね。メールやメッセージで、相手の気持ちや温かさを感じ取るのは、なかなか大変です。
返信が遅いと「私に興味がないのかしら」と不安になったり、短い文章だと「この人、誠実じゃないのかも」と疑ってしまったり。顔を見て話せば分かることも、文字だけだと誤解が生まれやすいんですよね。
実際の体験談から学ぶこと
ここで、実際にマッチングアプリを使われた方々の体験談をいくつかご紹介しますね。良いことも、ちょっと残念だったことも、正直にお話しします。
まず、元公務員の70歳の男性のお話です。奥様を病気で亡くされて3年。お子さんたちに勧められて、マッチングアプリを始められたそうです。
「プロフィール写真が素敵な63歳の女性とマッチングしてね。メッセージのやり取りも楽しくて、『これは期待できるかも』と思って会ったんですよ。でも実際にお会いすると、写真とはまるで違う方で。しかも会話が『最近の芸能人』とか『SNSの話題』ばかりで、私には全くついていけなくて。向こうも私を『固い人だな』と思ったみたいで、お茶一杯で終わってしまいました。それ以来、マッチングしても『また同じようなことになるんじゃないか』って、どうしても期待できなくなってしまったんです」
この方の悲しさ、がっかりした気持ち、よく分かりますよね。期待が大きかった分、落差も大きかったんだと思います。
次は、元教師の68歳の女性のお話です。定年後、趣味の旅行を一緒に楽しめる方を探されていたそうです。
「アプリで知り合った65歳の男性と、最初のデートでは旅行の話で盛り上がったんです。『あ、この人となら楽しめそう』って思ったんですよね。でも2回目に会ったとき、彼が本当に求めているのは『旅行仲間』じゃなくて、『家事をしてくれる人』だって分かったんです。『俺、料理は全然できないからな』『掃除も苦手でさ』って。ああ、この人、前の奥さんに全部やってもらってたんだなって。一気に冷めてしまいました」
これも、本当によくある話なんですよね。特に男性の中には、「パートナー」というより「世話をしてくれる人」を探している方もいらっしゃる。女性側としては、「私は家政婦じゃないのよ」って思ってしまいますよね。
もう一つ、73歳の元会社員の男性のお話も聞いてください。
「3人の女性と順番に会いましたが、どの方も『条件の確認』みたいな感じで。1人目は最初から『介護が必要になった時のこと』を詳しく聞いてきて、2人目は『私の息子が時々お金に困るので、少し助けてあげられる?』と。3人目は初対面で『財産分与の考え方を教えて』と言われて。確かに、私たちの年齢だと現実的な話も大事ですよ。でも、そればかりだと、その人の人柄とか魅力を感じる余裕がなくなってしまうんですよね」
うーん、これは複雑な気持ちになりますね。実務的な話も大切だけど、それだけじゃ心は動かないですものね。
でもね、希望を持てるお話もあるんですよ。パートで働く60歳の女性のケースです。
「最初は5人くらい会って、全部うまくいかなくて。でも6人目に会った68歳の元技術者の方とは、なぜか自然に話せたんです。派手な出会いじゃなくて、お互いの持病の話とか、お金の不安とか、孤独な気持ちとか。そういう地味だけど本音の話から始まったんですよね。若い頃みたいな『ドキドキする恋愛』じゃないけど、『この人となら、これからを安心して過ごせるかも』って思えて。今、週に1回一緒に散歩する関係を半年続けています」
これ、素敵なお話だと思いませんか?劇的じゃないけど、確かな信頼関係が少しずつ育っているんですよね。
ちょっと面白いエピソード
ここで少し、肩の力を抜いて聞いてくださいね。マッチングアプリを使っていた75歳の男性が、こんな失敗談を話してくれました。
「プロフィール写真に、30年前の自分の写真を使ったんですよ。まだ髪の毛もフサフサで、シュッとしててね。そしたら会った女性が、店に入ってきた私を見て、明らかに『えっ?』って顔をして。『お父様ですか?』って聞かれたときは、さすがに恥ずかしかったですよ。それからは最近の写真を使うようにしました」
笑ってしまいますが、気持ちは分かりますよね。少しでも良く見られたいって思うのは、何歳になっても同じです。でも、やっぱり正直が一番なんですよね。
恋愛感情を育てるための秘策
さて、ここからが大事なところです。どうすれば、マッチングアプリでの出会いを、本当の恋愛に育てていけるのでしょうか。
まず一つ目、「恋愛」の定義を更新しましょう。若い頃のような、胸がドキドキして夜も眠れないような恋愛を期待するのではなく、私たちの年齢にふさわしい恋愛を考えてみませんか。
安心感、信頼、小さな喜びの共有、お互いに助け合える関係。これが、私たちシニア世代の恋愛の形なんだと思います。激しく燃え上がる炎ではなく、ゆっくりと温かく燃える暖炉の火のような。そんな恋愛があってもいいんじゃないでしょうか。
二つ目、プロフィールは正直に書きましょう。「若く見られたい」という気持ちから、実年齢より若く書いたり、昔の写真を使ったりするのは、結局は逆効果なんです。
むしろ「今の等身大の自分」を正直に伝えることで、それを受け入れてくれる本当に誠実な方と出会える可能性が高まります。趣味だけでなく、「持病がある」「耳が少し遠い」といった弱みも、ある程度は早めに伝えた方が、長い目で見ると良い関係につながるんですよね。
三つ目、完璧な相手を探すのはやめましょう。趣味や価値観が100パーセント一致する人なんて、この世にはいません。大切なのは、核となる部分、例えば人生観とか、お金の感覚とか、家族との関わり方で大きなズレがないこと。それ以外の部分は、「違いを面白がれる」関係を目指してみませんか。
「この人、こういう考え方もあるんだな」「へえ、そんな趣味があるんだ」と、違いを楽しめたら素敵ですよね。
四つ目、アプリだけに頼らないことです。マッチングアプリと並行して、シニア向けの趣味のサークルとか、ボランティア活動とか、カルチャースクールにも参加してみませんか。実際に顔を合わせて交流する中から生まれる関係の方が、自然と恋愛感情が育ちやすいこともあるんですよ。
五つ目、焦らないことです。私たちの世代は、即座にメッセージを返さなきゃいけないとか、すぐに次のステップに進まなきゃいけないとか、そういうことを気にする必要はないんです。ゆっくりと、時間をかけて関係を築いていく。それが私たちの良さなんですから。
メッセージの返信が数日遅れても、焦らないでください。実際に会って、顔を見て話す機会を大切にしましょう。電話で声を聞くのも良いですよね。文字だけでは伝わらない温かさが、きっと感じられるはずです。
六つ目、専門的なサービスも検討してみてください。一般のマッチングアプリではなく、シニア専門の婚活サービスとか、シニア向けのコミュニティもあるんですよ。同世代が集まる環境だと、共有する前提知識が多いので、お互いに理解し合いやすいんです。
心温まるストーリー
最後に、とても素敵なお話を聞いてください。
元図書館司書の74歳の美恵子さん。ご主人を亡くされて5年が経ち、お子さんたちから「お母さんも新しい人生を楽しんで」と背中を押されて、初めてマッチングアプリを始められました。
最初の3か月は、期待しては裏切られるの繰り返し。会った男性たちとは、どこかで「計算」や「条件」を感じてしまって、心が動くことはありませんでした。諦めかけていたある日、78歳の元大学教授、哲也さんからメッセージが届いたんです。
彼のプロフィールは地味で、写真も最新ではなく、特に目を引くものではありませんでした。でも、メッセージの内容が印象的だったんですよ。
「私は耳がかなり遠く、補聴器が必要です。また、歩くのがゆっくりで、早足の方にはついていけません。もしこれらの点が気にならないようでしたら、ゆっくりお茶でもいかがでしょうか」
この正直さに美恵子さんは心を動かされました。初めて会ったカフェでは、哲也さんの補聴器が時々ピーピーと音を立て、彼は何度も「え?」と聞き返しました。でも、彼の話す内容は、美恵子さんが長年勤めた図書館についての深い知識や、読書への愛情に満ちていたんです。
2回目に会ったとき、哲也さんは小さなノートを持参していました。「耳が遠いので、大切な話は書き留めたいと思います。あなたの話を聞き逃したくないから」
この言葉に、美恵子さんは温かいものを感じました。これまでの出会いとは、何かが違う。
二人の関係は、急速に恋愛感情が沸き起こるようなものではありませんでした。むしろ、月に1、2回会っては、それぞれの人生の話、失敗談、老いへの不安をゆっくりと分かち合う時間を重ねました。
美恵子さんが風邪をひいたとき、哲也さんは「君に会いたいけど、うつしたら悪化するから」と電話だけで済ませ、治るまで我慢してくれました。こういう優しさが、少しずつ美恵子さんの心に染み込んでいったんですね。
今、二人は交際を始めて1年が経ちました。哲也さんは美恵子さんに言います。「君との関係は、私の人生の夕焼けのようなものだ。派手ではないが、一日の終わりを穏やかに、美しく彩ってくれる」
美恵子さんは、これがシニアの恋愛なのだと実感しています。激しい感情ではなく、深いところで静かに流れる信頼と慈しみの感情。マッチングアプリは、その入り口に過ぎなかったんですね。