シニアからのはるめくせかい

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人生の後半戦で出会う「ちょっと扱いにくい」お友達との付き合い方

60代、70代になって新しい友人関係を築いていく中で、「この人、なんだかめんどくさいな」と感じる相手に出会ったことはありませんか。長い人生を歩んできたからこそ、それぞれが持つ価値観や習慣が強く根付いている年代。だからこそ、お互いを理解し合うのに時間がかかったり、時には疲れを感じてしまうこともあるものです。

今日は、そんなシニア世代ならではの人間関係の悩みについて、温かい理解とともに考えてみたいと思います。

シニア世代の友人関係が複雑になる理由

73歳の節子さんは、最近加入したコーラスサークルで出会った同年代の女性について、こんな風に話してくれました。「その方はとても歌が上手で、人生経験も豊富なんですけれど、なんというか、お話をするとちょっと疲れてしまうんです」

節子さんが感じている複雑な気持ちは、多くのシニアの方が経験しているものかもしれません。年を重ねるにつれて、人はそれぞれの生き方や考え方がより明確になってきます。若い頃は「人に合わせる」ことが得意だった人も、60代、70代になると「自分らしさ」を大切にしたくなるものです。

この「自分らしさ」こそが、時として他の人には「めんどくさい」と映ってしまう原因になることがあります。しかし、それは決して悪いことではありません。人生の経験を積んだからこそ見えてくる「譲れないもの」があることは、むしろ自然なことなのです。

具体的に「扱いにくい」と感じる瞬間

71歳の良子さんは、近所の手芸教室で知り合った美代子さんとの関係に少し困っています。美代子さんは手芸の腕前は確かなのですが、いつも自分のやり方にこだわりがあり、他の人のアドバイスを受け入れようとしません。

「先生が新しい技法を教えてくださっても、『私はこのやり方で40年やってきたから』と言って聞く耳を持たないんです。それだけならいいのですが、周りの人にも『そんなやり方は効率が悪い』と口出しをしてしまう。みんな困った顔をしているのに、美代子さんは気づいていないようで」

良子さんの心の中では、美代子さんの手芸への情熱は理解できるし、長年の経験に基づく技術は素晴らしいと思っています。でも、新しいことを学ぼうという教室の雰囲気を壊してしまうような発言には、正直言って疲れを感じてしまうのです。

また、76歳の健一さんは、月1回開催される同窓会での出来事を話してくれました。「昔の同級生で、毎回必ず昔の武勇伝を話す人がいるんです。もう何回も聞いた話なのに、毎回同じことを繰り返す。他の人が話そうとしても、すぐに自分の話に持っていってしまう」

健一さんも、その同級生のことは昔から知っているし、嫌いではありません。でも、せっかくの同窓会なのに、みんなで楽しく話をする雰囲気が作れないことに、もどかしさを感じているのです。

年代特有の心理的背景を理解する

なぜシニア世代になると、このような「扱いにくさ」が目立つようになるのでしょうか。その背景には、いくつかの心理的な要因があります。

まず、人生の経験が豊富になったことで、「正しい」と思うことへのこだわりが強くなることがあります。長年の経験で培った知識や技術は、確かに価値のあるものです。しかし、それが唯一の正解だと思い込んでしまうと、他の人の意見を受け入れることが難しくなってしまいます。

また、年を取ると記憶力の衰えを感じることが増えてきます。そんな中で、鮮明に覚えている昔の出来事や成功体験は、自分のアイデンティティを支える大切な支柱になります。だからこそ、何度も同じ話をしてしまうことがあるのです。

さらに、定年退職や子どもの独立など、人生の大きな変化を経験することで、孤独感や不安を感じることもあります。そんな時、人とのつながりを求めるあまり、相手のペースを考えずに一方的に話してしまったり、過度に連絡を取ろうとしたりすることがあります。

興味深いことに、シニア世代の「めんどくささ」には地域差もあります。都市部では個人主義的な傾向が強く、「自分のペースを守りたい」という気持ちが強い人が多い一方、地方では昔ながらの地域コミュニティの価値観を重視する人が多く、「みんなで一緒に」という考えが強い傾向があります。この違いが、引っ越しなどで新しい環境に入った時の摩擦の原因になることもあるのです。

女性同士の複雑な心境

78歳の千代子さんは、病院の待合室で知り合った同年代の女性との関係について、複雑な気持ちを抱えています。「その方は、いつも身なりがきちんとしていて、話も面白いんです。でも、人の話を聞いているときの反応が少し大げさで、『まあ、そうなの!』『それは大変でしたね!』と大きな声で言うので、周りの人の視線が気になってしまうんです」

千代子さん自身も、その女性の優しさや関心の深さは理解しています。でも、公共の場での振る舞いに対する価値観の違いが、少しずつストレスになってきているのです。

この女性の立場から考えてみると、おそらく相手に共感を示そうという気持ちが強いのでしょう。年を取ると、聴力が少し衰えることもあり、自然と声が大きくなってしまうこともあります。また、人とのコミュニケーションを大切にしたいという気持ちが、時として「過剰な反応」として受け取られてしまうことがあるのです。

男性の場合の特徴的なパターン

80歳の正夫さんは、地域のゲートボールクラブでの人間関係に悩んでいます。「新しく入ってきた人が、すぐに『俺のやり方』を押し通そうとするんです。長年やってきた我々のルールやマナーを無視して、自分の経験だけで判断してしまう」

正夫さんの困惑は理解できます。長年培ってきたチームワークや暗黙のルールを大切にしたいという気持ちがある一方で、新しいメンバーの意見も尊重したいという思いもあるからです。

男性の場合、現役時代の「リーダーシップ」や「判断力」への自信が、退職後も強く残っていることがあります。家庭や職場での責任から解放された今、趣味のグループなどで再び「自分の力を発揮したい」という気持ちが強くなることがあるのです。

しかし、これまでその場を支えてきた人たちから見ると、「空気を読まない人」「協調性がない人」として映ってしまうことがあります。

健康面が与える影響

82歳の昭子さんは、友人の行動に困惑しています。「一緒に買い物に行っても、歩くペースが極端に遅くて、他のお客さんの迷惑になっているような気がするんです。でも、本人は全然気にしていないようで」

昭子さんの友人は、膝の痛みで歩行が困難になってきています。しかし、その自覚があまりなく、周りの人への配慮も不足しがちです。健康上の問題が行動に影響を与えている場合、本人に悪意はないのですが、周りの人には「配慮が足りない」と感じられてしまうことがあります。

また、軽度の難聴がある人は、相手の話を正確に聞き取れずに、的外れな返答をしてしまうことがあります。認知機能の軽微な変化も、会話のテンポや内容に影響を与えることがあります。これらの変化は、本人も周りの人も気づきにくく、「なんとなく話しにくい」という印象につながってしまうことがあるのです。

建設的な向き合い方を見つける

では、こうした「扱いにくい」友人とどのように付き合っていけば良いのでしょうか。まず大切なのは、相手の行動の背景を理解しようとする気持ちです。

75歳の恵子さんは、そんな経験を乗り越えた一人です。「最初はイライラしていたんですが、よく観察してみると、その人は寂しさを抱えているんだなということが分かったんです。話を聞いてもらいたい、認めてもらいたいという気持ちが強いんだなと思ったら、少し優しい気持ちになれました」

恵子さんは、相手の話を時間を決めて聞くようにしました。「30分だけ」と心の中で決めて、その間は集中して話を聞く。それ以上長くなりそうな時は、「今日はこのくらいで」と優しく切り上げるようにしています。

自分の境界線を明確にすることも大切です。77歳の博さんは、頻繁に電話をかけてくる友人に対して、こんな対応をしています。「平日の午前中は家事で忙しいので、お話できるのは午後からです」とはっきり伝えたそうです。

最初は相手が少し不満そうにしていましたが、時間を決めることで、お互いにとって負担の少ない関係を築くことができました。博さんは「境界線を引くことで、むしろ相手のことを受け入れやすくなった」と話しています。

相手の良い面に注目することも効果的です。79歳の清さんは、いつも自分の話ばかりする友人について、こう考えるようになりました。「確かに話は長いけれど、人生経験が豊富で、時々とても興味深いエピソードを話してくれる。そういう部分に注目するようにしたら、会うのが少し楽しくなった」

適度な距離感を保つ工夫

すべての友人と深く付き合う必要はありません。特にシニア世代では、自分のペースを大切にすることが重要です。

84歳の文子さんは、グループでの付き合い方を工夫しています。「一対一だと疲れてしまう人でも、何人かで集まっている時は案外大丈夫なんです。他の人が話の相手をしてくれるし、自然と時間も限られるので」

グループでの活動を中心にすることで、個人的な負担を軽減しながら、良好な関係を維持している文子さんの方法は、多くの人にとって参考になるでしょう。

また、活動を限定することも一つの方法です。73歳の勇さんは、「一緒に散歩をするときはとても良い人なのに、お茶を飲みながら話をすると愚痴ばかりになってしまう友人」との付き合い方を工夫しています。散歩の時間だけ一緒に過ごし、それ以外の時間は距離を置くようにしているそうです。

感謝の気持ちを忘れずに

どんなに「扱いにくい」と感じる相手でも、その人なりの良さや、あなたに与えてくれているものがあるはずです。

81歳の照子さんは、こんな風に話してくれました。「確かに面倒な部分もあるけれど、その人のおかげで新しいことを学んだり、違う視点で物事を見ることができたりします。完璧な人間なんていませんし、私だって誰かにとっては『扱いにくい人』かもしれませんから」

照子さんの言葉には、長い人生を歩んできた人ならではの深い理解があります。お互いの不完全さを認め合いながら、それでも一緒に時間を過ごせることの価値を大切にしている姿勢は、とても素晴らしいものです。

時には距離を置く勇気も必要

しかし、どうしても相性が合わない場合や、ストレスが大きすぎる場合は、距離を置くことも大切な選択です。

76歳の雅子さんは、長年の友人との関係を見直しました。「40年来の友人だったのですが、最近になって価値観の違いが大きくなってきました。無理して付き合い続けるよりも、良い思い出を大切にして、少し距離を置くことにしたんです」

雅子さんの決断は勇気のいるものでしたが、結果的にお互いにとって良い選択だったと感じているそうです。「時々年賀状のやり取りをする程度の関係になりましたが、それでも大切な友人であることに変わりはありません」