シニアからのはるめくせかい

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シニアが知る受け容れる心、長い人生で学んだ本当の愛情とは

今日は、恋愛における「受け容れること」について、皆さんの人生経験と重ね合わせながら、ゆっくりとお話ししていきたいと思います。お茶でも飲みながら、のんびり読んでいただければ嬉しいです。

受け容れると我慢は違うんです

まず、大切なことからお話しします。「受け容れる」ことと「我慢する」ことは、実は全く違うものなんです。

皆さんの世代、特に女性の方は「我慢は美徳」と教えられて育ってきたんじゃないでしょうか。ご主人の帰りが遅くても文句を言わない、義理の両親に尽くす、子供のために自分のことは後回し。そうやって我慢することが、良い妻、良い嫁、良い母親だと。

でも、それは本当の意味での「受け容れる」ではなかったかもしれません。我慢というのは、本当は嫌なのに表に出さないこと。心の中では不満が溜まっていくことです。一方、受け容れるというのは、相手の状況を理解して、心から「それでいい」と思えることなんです。

例えば、ご主人が晩酌を毎日されるとしましょう。「健康に悪いから」と我慢させるのは、ご主人を管理しているだけ。でも「お仕事で疲れているから、晩酌でリラックスしたいんだろうな」と理解して受け容れるのは、全く違いますよね。

もちろん、飲み過ぎて健康を害するようなら話は別です。でも、適度な晩酌を楽しむご主人を、心から「いいよ」と思えるかどうか。それが受け容れるということなんです。

若い頃の自分を思い出して

ここで、少し昔のことを思い出してみてください。結婚したばかりの頃、ご主人や奥様の習慣で気になることがたくさんありませんでしたか。

歯磨きの仕方、洗濯物のたたみ方、食事の好み、寝る時間、休日の過ごし方。育った環境が違えば、当然すべてが違います。最初は「え、こんなことするの?」と驚いたり、「私のやり方の方が正しいのに」とイライラしたり。

でも、何十年も一緒に暮らしてくると、だんだんと「この人はこういう人なんだ」と分かってくる。そして、不思議なことに気にならなくなっていく。これが、受け容れるということの実践なんです。

私の知り合いで、今年金婚式を迎えたご夫婦がいらっしゃいます。奥様が笑いながらこんなことをおっしゃっていました。

「結婚したばかりの頃は、主人が新聞を読んだ後きちんとたたまないのが許せなくてね。毎朝喧嘩していたわよ。でも、ある日ふと思ったの。新聞がたたんであろうがなかろうが、主人が元気で仕事に行ってくれることの方がずっと大事だって。それからは気にならなくなった」

これが、受け容れるということなんですね。新聞をたたまないという「欠点」も含めて、ご主人という人を丸ごと受け容れたんです。

心理学から見た受け容れること

ここで、少し専門的なお話もしましょう。難しく感じたら読み飛ばしていただいて構いません。

心理学の世界では、「受容」というのはとても大切な概念なんです。カール・ロジャースという心理学者が提唱した「無条件の肯定的配慮」という考え方があります。これは、相手を条件付きではなく、無条件に受け容れることが、その人の成長を促すという理論です。

「あなたが〇〇してくれたら受け容れる」というのは条件付き。「あなたはあなたのままでいい」というのが無条件の受容です。

恋愛でも同じことが言えます。「痩せたら好きになる」「お金持ちになったら結婚する」というのは条件付き。でも「今のあなたのままで好き」というのが、本当の意味での受容なんです。

シニアの皆さんは、長い結婚生活の中で、この無条件の受容を実践してこられたんじゃないでしょうか。若い頃は「もっとこうしてほしい」と思っていたことも、年を重ねるにつれて「この人はこれでいい」と思えるようになった。それは、心が成熟した証拠なんです。

脳の仕組みも味方してくれる

実は、相手を受け容れることは、自分自身にとっても良いことなんです。

脳科学の研究によると、他者を受け容れるという行為をすると、オキシトシンという幸せホルモンが分泌されるそうです。このホルモンは、安心感をもたらし、人との絆を深めてくれます。

つまり、相手を受け容れることで、自分も幸せになれるということ。これは素晴らしいことだと思いませんか。

考えてみれば、夫婦が長年連れ添って、お互いの存在が空気のように当たり前になっている状態。これこそが、お互いを完全に受け容れている証拠です。そして、その状態は、とても心地よく安心できるものですよね。

ここで、ちょっと面白いお話をしましょう。昔、昭和の時代には「亭主元気で留守がいい」なんて言葉が流行りましたね。これは冗談めかした言い方ですが、実はある種の受容の形なんです。

「主人は仕事人間で、家にいてもゴロゴロしているだけ。だから、元気に仕事に行ってくれている方がいい」という意味ですが、これは「主人はそういう人」と受け容れているということでもあります。もちろん、理想的な夫婦の形ではないかもしれませんが、一つの知恵ではありますね。

自分を受け容れることから始まる

大切なことをお伝えします。他者を受け容れるには、まず自分自身を受け容れることが必要なんです。

自分の欠点、失敗、後悔。そういったものも含めて「これが私なんだ」と認められるかどうか。自分に厳しすぎる人は、他人にも厳しくなりがちです。

皆さん、今までの人生を振り返ってみてください。若い頃にした失敗、後悔していること、できなかったこと。たくさんあるんじゃないでしょうか。

でも、それらすべてがあって、今のあなたがいる。それを受け容れられたとき、他人の欠点や失敗にも寛容になれるんです。

ある70代の女性が、こんなことをおっしゃっていました。

「若い頃は、自分が完璧じゃないことが許せなくて、いつも自分を責めていた。だから、主人の欠点も許せなかった。でも、年を取って、自分の失敗も含めて『まあ、これが私よね』と思えるようになったら、主人のことも『この人はこれでいいのよ』と思えるようになった」

これは、とても深い言葉ですね。

年を重ねてからの恋愛で学ぶこと

最近は、シニアの恋愛も珍しくなくなってきました。配偶者に先立たれたり、離婚されたりして、新しいパートナーを探す方も増えています。

そんな時、若い頃とは違う視点で相手を見ることができるのが、私たちシニアの強みです。相手の欠点も含めて、丸ごと受け容れられるかどうか。それを冷静に判断できる。

60代で再婚された男性の話を聞いたことがあります。彼は最初の結婚で、奥様の細かいところが気になって、よく喧嘩をしていたそうです。結局、離婚してしまいました。

でも、60代で出会った新しいパートナーとは違ったそうです。「この人にも欠点はある。でも、それも含めてこの人なんだ」と最初から思えた。だから、穏やかな関係が築けているとおっしゃっていました。

これが、年を重ねて得た知恵なんですね。

プラスの面を知っておきましょう

相手を受け容れることには、たくさんの良い面があります。

まず、信頼関係が深まります。「この人は私を批判しない、ありのままを受け容れてくれる」と分かると、相手は安心して心を開いてくれます。

そして、関係が長続きします。お互いを受け容れ合っている夫婦は、些細なことで喧嘩しません。長年連れ添っているご夫婦を見てください。大抵は、お互いの欠点を受け容れて、穏やかに暮らしていらっしゃるでしょう。

さらに、自分自身も成長します。相手を受け容れることで、自分の心が広くなり、寛容になれる。これは、人間として成熟した証拠なんです。

マイナス面にも気をつけて

ただし、注意も必要です。受け容れることと我慢することを混同してはいけません。

例えば、相手が暴力を振るったり、浮気を繰り返したり、お金を浪費したり。そういった明らかに問題がある行動まで「受け容れなければ」と思う必要はありません。

受け容れるべきは、相手の「個性」や「価値観の違い」であって、「問題行動」ではないんです。

また、自分の本心を抑えすぎるのも良くありません。「この人を受け容れなければ」と思うあまり、自分が辛い思いをしているなら、それは健全な受容ではありません。

バランスが大切なんです。相手を受け容れつつ、自分の気持ちも大切にする。これができるのが、大人の恋愛、大人の夫婦関係です。

実際の体験から学ぶ

ここで、いくつかの体験談を紹介しましょう。

ある65歳の女性の話です。彼女のご主人は、若い頃からずっと遅刻癖がありました。待ち合わせにも遅れる、家族の予定にも遅れる。最初の何十年かは、そのたびに喧嘩をしていたそうです。

でも、ある時、彼女は考え方を変えました。「この人は時間にルーズだけど、優しくて誠実で、家族を大切にしてくれる。遅刻するのも、仕事を最後までやり遂げたいという責任感の表れかもしれない」と。

それからは、遅刻を前提に予定を組むようになりました。そして、不思議なことに、イライラしなくなったんです。ご主人の時間感覚も個性だと受け容れたことで、心が楽になったそうです。

別の例もあります。70代のご夫婦で、奥様が趣味で陶芸を始めたいと言い出しました。ご主人は最初、「今さら何を始めるんだ」と反対したそうです。お金もかかるし、家を留守にする時間も増える。

でも、奥様の楽しそうな顔を見ているうちに、ご主人の気持ちが変わりました。「この人がやりたいことをやって、生き生きしている。それでいいじゃないか」と。奥様の新しい挑戦を受け容れたんです。

今では、ご主人も時々陶芸教室に顔を出して、奥様の作品を褒めたり、一緒にお茶を飲んだりしているそうです。受け容れることで、新しい楽しみが生まれた例ですね。

過去も含めて受け容れる

人生が長くなれば、誰にでも過去があります。前の結婚のこと、仕事での失敗、病気のこと。そういった過去も含めて受け容れられるかどうか。

ある男性は、60代で出会った女性と恋に落ちました。彼女には離婚歴があり、成人した子供もいました。最初は少し気になったそうです。でも、彼は考えました。

「彼女の過去があって、今の彼女がいる。離婚も、子育ても、すべてが彼女の人生の一部。それを否定することは、彼女を否定することだ」

そう考えて、彼女の過去も含めて受け容れることにしました。今では、彼女のお子さんともいい関係を築いているそうです。

これが、成熟した大人の受容ですね。

病気や老いも受け容れる

年を重ねると、どうしても体のあちこちに不調が出てきます。ご主人や奥様が病気になることもあるでしょう。

そんな時、相手の弱さや老いを受け容れられるかどうか。これは、とても大切なことです。

ある奥様が、ご主人が認知症になった時のことを話してくださいました。最初はショックで、「なんで私がこんな思いを」と嘆いたそうです。でも、ケアマネージャーさんの言葉で気持ちが変わりました。

「奥様、ご主人は病気なんです。ご主人自身が一番辛いんですよ」

その言葉で、彼女ははっと気づいたそうです。自分のことばかり考えていた、と。それからは、病気のご主人を丸ごと受け容れて、優しく接するようになったそうです。

「主人は私のことを忘れることもあるけれど、それでもこの人は私の大切な人。一緒に歩んできた人生は消えないから」と、彼女は言います。

これこそが、本当の意味での受容ですね。

違いを楽しむという視点

受け容れるということは、諦めることではありません。違いを楽しむ、という視点もあるんです。

ご夫婦で趣味が全く違う、という方もいらっしゃるでしょう。ご主人は釣りが好き、奥様は美術館巡りが好き。若い頃は「一緒に楽しめないのが寂しい」と思っていたかもしれません。

でも、それぞれが好きなことを楽しんで、帰ってきたら話を聞き合う。これも一つの楽しみ方です。違いを受け容れて、お互いの世界を尊重する。そうすることで、会話も弾むんです。

スピリチュアルな視点も

興味がある方だけで結構ですが、スピリチュアルな視点もお話ししましょう。

スピリチュアルの世界では、相手を受け容れることは「魂の成長」につながるとされています。執着や否定を手放すことで、魂のレベルが上がるんだとか。

私たちの世代は、若い人ほどスピリチュアルに興味がないかもしれません。でも、「人を受け容れることで自分の心が楽になる」という感覚は、きっと経験されていますよね。それは、ある意味で魂が成長しているということかもしれません。

孫世代に伝えたいこと

もし、お孫さんから恋愛相談を受けたら、ぜひこの「受け容れること」の大切さを伝えてあげてください。

今の若い人たちは、SNSで簡単に人と比べてしまいます。「あの人の彼氏はもっとイケメン」「あの人の彼女はもっと優しい」って。でも、大切なのは、目の前にいる相手を受け容れられるかどうかなんです。

完璧な人なんていません。誰にでも欠点はあります。その欠点も含めて「この人でいい」と思えるかどうか。それが、本当の愛情なんだと。

皆さんの長い結婚生活が、それを証明しているじゃありませんか。

別れを受け容れることも

最後に、少し切ないお話もしましょう。人生には、別れもあります。

配偶者との死別。これは、誰もが経験する可能性があることです。その時、相手がいなくなったという現実を受け容れるのは、とても辛いことです。

でも、「この人との思い出、一緒に過ごした時間は、自分の中に永遠に残っている」と受け容れることができたら、少しずつ前を向いて歩けるようになります。

受け容れるということは、諦めることでも忘れることでもありません。現実を認めて、それと共に生きていくということなんです。