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シニアの拒絶体験を乗り越える!心と体に起きる変化と立ち直り方

人生の後半戦、配偶者を亡くされたり、離婚を経験されたり、あるいは長年独身で過ごしてこられた方が、新しい出会いを求めることは、今や珍しいことではありません。シニア婚活、趣味のサークル、旅行先での出会い。心躍る第二の人生の始まりです。

でも、そんな中で「お断りします」「ごめんなさい」という言葉を受け取った時の痛みは、若い頃の失恋とはまた違った、深く重いものがあります。「この年齢で断られるなんて」「もう自分には価値がないのか」と、心が折れそうになる。そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。

今日は、人に拒絶される、断られるということが、私たちの心と体にどんな影響を与えるのか、そしてシニアだからこそ知っておきたい、その痛みを乗り越える方法について、お話しさせていただきます。

拒絶されることの痛みは、気のせいではない

「たかが断られただけ」「もう大人なんだから」と、周りの人に言われることがあるかもしれません。でも、拒絶されることの痛みは、決して気のせいではないのです。

最近の脳科学の研究で明らかになったことがあります。人から拒絶された時に感じる心の痛みは、実は体の痛み、例えば転んで膝を打った時の痛みと、脳の同じ部分が反応しているというのです。つまり、「胸が締め付けられる」「心が痛い」というのは、比喩ではなく、本当に脳が「痛い」と感じているのです。

特にシニアの場合、この痛みはさらに深刻になることがあります。なぜなら、若い頃なら「次がある」と思えたことも、「もうこの年齢では次があるかわからない」という不安が重なるからです。残された時間への意識が、痛みをより鋭くしてしまうのです。

ある七十歳の男性は、妻を亡くして三年後、友人の紹介で知り合った女性に食事に誘われ、何度か会ううちに心が通い合っていると感じていました。ところが、ある日突然、「やはり友人としてお付き合いしたい」と言われてしまったのです。

その夜、彼は一睡もできませんでした。胸が苦しく、息が詰まるような感覚。翌日から食事も喉を通らず、三日で三キロも体重が落ちました。趣味の囲碁にも行く気が起きず、一日中家に閉じこもるようになってしまったそうです。「妻を失った時と同じくらい辛かった」と、後に彼は語っていました。若い頃なら「縁がなかった」で済ませられたことが、この年齢では自分の存在価値全体を否定されたように感じてしまったのです。

体に現れる拒絶の影響

拒絶されることは、心だけでなく、体にも様々な影響を及ぼします。特にシニアの場合、もともと体力や免疫力が低下している分、その影響が顕著に現れることがあります。

眠れなくなる方が多いようです。夜、布団に入っても、相手との会話が頭の中で何度も再生され、「あの時、こう言えばよかった」「何が悪かったのだろう」と考え続けてしまう。朝方まで眠れず、昼間はぼんやりして、生活のリズムが崩れてしまいます。

食欲がなくなることもあります。何を食べても味がしない、あるいは食べる気力すら湧かない。一人暮らしの方なら、料理を作る気にもなれず、栄養が偏ってしまいます。

ある六十五歳の女性は、一年ほど親しくしていた男性から「やはり前の奥さんが忘れられない」と別れを告げられた後、一週間で五キロも痩せてしまいました。心配した娘さんが病院に連れて行きましたが、検査では特に異常は見つかりません。医師からは「心因性の食欲不振」と診断されました。「体のどこも悪くないのに、食べられない。こんなに心が体に影響するなんて、この年になって初めて知りました」と、彼女は驚いていたそうです。

また、持病が悪化することもあります。血圧が上がったり、持病の糖尿病の数値が悪くなったり。ストレスは確実に体に影響を与えます。

ここで少し脱線して、面白い話を一つ。昔、江戸時代の川柳に「失恋の薬は新しい恋」という意味の句があったそうです。「恋の病に効く薬は、また新しい恋をすること」という考えは、江戸時代の人々もよく分かっていたのですね。当時は「恋煩い」という言葉が文字通りの病気として認識されていて、本当に寝込んでしまう人もいたそうです。現代の科学が証明していることを、昔の人は経験で知っていたのかもしれません。

心に起きる変化

拒絶された後、心にも大きな変化が起こります。特にシニアの場合、長年培ってきた自尊心やプライドが傷つき、その影響は想像以上に深刻です。

まず、自分を責めてしまいます。「私がもっと若かったら」「容姿が衰えているから」「話がつまらなかったのか」と、すべての原因を自分に求めてしまうのです。

六十八歳の男性は、シニア婚活パーティーで知り合った女性に何度か断られた後、「やはり定年退職して肩書きがなくなった自分には価値がないんだ」と思い込んでしまいました。現役時代は会社の部長として部下からも慕われ、自信を持って生きてきた彼にとって、「一人の男性」として見られた時に断られるという経験は、これまでの人生で築いてきたものすべてが否定されたように感じられたそうです。

また、人との関わりを避けるようになってしまうことがあります。「また傷つきたくない」という防衛本能が働き、友人からの誘いを断ったり、サークル活動から遠ざかったりしてしまうのです。

ある女性は、親しくしていた男性から交際を断られた後、半年間、誰とも会わない生活を送りました。友人が心配して連絡してきても、「体調が悪くて」と嘘をついて断り続けました。家族からの電話にも出なくなり、気づけば完全に孤立してしまっていたのです。後に彼女は、「あの時は、誰と会っても『拒絶された自分』を見られているような気がして、恥ずかしくて外に出られなかった」と語っていました。

さらに、次の出会いに対して過剰に警戒するようになってしまうこともあります。新しく出会った人に対して、「この人もどうせ私を断るんだろう」と最初から壁を作ってしまう。相手の何気ない言葉や態度を、「拒絶のサイン」として過剰に受け取ってしまい、関係が深まる前に自分から距離を置いてしまうのです。

拒絶の理由は、あなたの価値とは関係ない

ここで、とても大切なことをお伝えしたいと思います。拒絶された理由は、多くの場合、あなた自身の価値とは全く関係がないということです。

相手には相手の事情があります。前の配偶者を忘れられない、子供や親族からの反対がある、経済的な不安がある、健康上の理由がある、あるいは単純にタイミングが合わなかった。理由は本当に様々です。

そして、「相性」という、どうしようもない要素もあります。どんなに素晴らしい人でも、すべての人に好かれることはありません。味の好みが人それぞれ違うように、人との相性も千差万別なのです。

七十二歳の女性は、三人の男性から交際を断られた後、「もう私には魅力がない」と落ち込んでいました。ところが、四人目に出会った男性とは驚くほど話が合い、趣味も価値観も一致し、今では幸せな日々を送っています。「前の三人は、ただ相性が合わなかっただけだったんだと、今なら分かります。断られたのは私が悪かったからじゃなくて、お互いにとって良い選択だったんです」と、彼女は笑顔で語ってくれました。

立ち直るための具体的な方法

それでは、拒絶の痛みから立ち直るために、具体的にどうすればいいのでしょうか。シニアの皆さんに特に効果的な方法をご紹介します。

まず、痛みを認めることです。「この年齢で泣くなんて恥ずかしい」と思わないでください。痛いものは痛い。悲しいものは悲しい。その感情を押し殺さず、認めてあげることが大切です。一人の時に思い切り泣いてもいいのです。涙を流すことで、心が少しずつ軽くなっていきます。

次に、信頼できる人に話を聞いてもらいましょう。友人でも、子供でも、カウンセラーでも構いません。人に話すことで、頭の中が整理され、客観的に状況を見られるようになります。ただし、相手を選ぶことは大切です。「そんなことで落ち込むなんて」と言う人ではなく、あなたの気持ちに寄り添ってくれる人を選んでください。

ある男性は、息子に正直に話したそうです。「お父さん、実は好きな人ができたんだけど、断られてしまって、情けないけど落ち込んでいるんだ」と。息子さんは最初驚いていましたが、「お父さんも人間だもんね。辛いよね」と理解を示してくれ、一緒に飲みに行ってくれたそうです。その日、息子と本音で語り合えたことが、彼の心を少しずつ癒していったそうです。

体を動かすことも非常に効果的です。ウォーキング、ラジオ体操、軽い水泳、ヨガ、太極拳。何でも構いません。体を動かすことで、ストレスホルモンが体外に排出され、気分が前向きになっていきます。

六十七歳の女性は、拒絶されて落ち込んでいた時、友人に誘われて朝のウォーキングを始めました。最初は気が進みませんでしたが、朝日を浴びながら歩くうちに、少しずつ気持ちが明るくなっていったそうです。「歩きながら、いろんなことを考えました。そして、この先の人生をどう生きたいか、少しずつ見えてきたんです」と彼女は言います。

恋愛以外の場所で自分の価値を見つけることも大切です。趣味、ボランティア、地域活動、習い事。恋愛が人生のすべてではありません。あなたには他にも輝ける場所がたくさんあるのです。

ある男性は、拒絶された後、長年やってみたかった陶芸教室に通い始めました。最初は下手でしたが、徐々に上達し、作品が形になっていく喜びを感じるようになりました。「恋愛では失敗したけど、陶芸では成功体験を積めている。自分もまだ成長できるんだと思えたことが、自信を取り戻すきっかけになりました」と語っていました。

相手のことを考え続けない工夫も必要です。相手のSNSを見ることは、自分で傷口に塩を塗るようなものです。見ないように、できればブロックやミュートをしてください。写真や思い出の品も、しばらくは目に入らない場所に片付けましょう。

時間は本当に薬です。今は信じられないかもしれませんが、必ず時間が解決してくれます。一週間、一ヶ月、三ヶ月。少しずつ、少しずつ、痛みは和らいでいきます。焦らず、自分のペースで回復していってください。

次の一歩を踏み出すために

拒絶の経験は、確かに辛いものです。でも、それはあなたが勇気を出して、新しい一歩を踏み出した証でもあります。何もしなければ、拒絶されることもありません。でも、何かを得ることもありません。

人生の後半戦だからこそ、一つ一つの出会いが貴重です。そして、拒絶の経験も含めて、すべてがあなたの人生を豊かにする要素なのです。

拒絶されたことで、「こういう人とは合わないんだな」という学びを得られます。次はもっと相性の良い人を選べるようになります。自分自身についても、より深く知ることができます。何を大切にしたいのか、どんな関係を求めているのか。それが明確になっていきます。

そして何より、拒絶の痛みを乗り越えた自分は、以前よりも強く、優しくなっています。同じように傷ついている人の気持ちが分かるようになります。人の痛みに寄り添える、深みのある人間になれるのです。

七十五歳の男性は、何度か拒絶を経験した後、今では幸せなパートナーシップを築いています。彼はこう言っていました。「若い頃は、断られると相手を恨んだものです。でもこの年になって分かったのは、断られたことも含めて、すべてが今の自分を作っているということ。あの時断られたから、今の彼女に出会えた。人生、無駄なことは一つもないんですね」

最後に、皆さんへ

もし今、拒絶の痛みに苦しんでいる方がいたら、どうか一人で抱え込まないでください。痛みは本物です。辛いのは当然です。でも、それは永遠には続きません。

あなたには価値があります。一人の人に断られたからといって、あなたという人間の価値が下がるわけではありません。世界には、あなたの良さを理解してくれる人が必ずいます。

年齢は関係ありません。何歳になっても、人は人を好きになります。そして、誰かに好かれます。諦めないでください。でも、焦らないでください。自分を大切にしながら、ゆっくりと回復していってください。

拒絶の経験は、あなたを破壊するものではなく、あなたを成長させるものです。そのことを、いつか必ず実感できる日が来ます。

今は辛くても、必ず朝は来ます。あなたの心に、また温かい光が差し込む日が、必ず来るのです。

どうか、ご自身を大切にしてください。そして、可能なら、もう一度、人を信じる勇気を持ってください。あなたの人生は、まだまだこれからなのですから。