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人生の後半戦で見えてくる「男性の嫉妬」という感情の本質

人生を長く生きてきた私たちだからこそ、見えてくるものがあります。若い頃には気づかなかった心の機微、人との関わり方、そして感情との向き合い方。今日は、少し繊細な話題かもしれませんが、「男性の嫉妬」について、ご一緒に考えてみたいと思います。

もしかしたら、あなたご自身が若い頃に経験されたこと、あるいは今まさに熟年のパートナーシップの中で感じていること、さらにはお子さんやお孫さんの恋愛相談を受けた時に考えたこと。そんな様々な視点から、この話を読んでいただけたら嬉しいです。

人生の後半戦で見えてくる「嫉妬」という感情の本質

私たちの年代になると、恋愛や結婚について、若い頃とは違った視点を持つようになります。何十年も連れ添った配偶者との関係、あるいは熟年離婚を経て新しいパートナーと出会った方、パートナーを亡くされて一人で人生を歩んでいる方。様々な立場の方がいらっしゃいますね。

でも、どんな状況であっても、「嫉妬」という感情は、年齢を重ねても完全になくなるものではありません。むしろ、人生経験を重ねたからこそ、より複雑な形で現れることもあるんです。

かつて、ある70代の紳士が私に話してくれました。再婚されたパートナーがカラオケサークルで楽しそうにしている姿を見て、なぜか胸がざわついたと。「こんな年になって、まさか嫉妬するとは思わなかった。恥ずかしくて、情けなくて」と、彼は苦笑いしていました。

でも、それは決して恥ずかしいことではないんです。むしろ、相手を大切に思う気持ちがあるからこそ、生まれる感情です。問題は、その感情をどう表現するか、どう向き合うかなんですね。

若い頃の嫉妬と今の嫉妬、何が違うのか

振り返ってみると、私たちが若かった頃の嫉妬と、今感じる嫉妬には、大きな違いがあるように思います。

若い頃は、相手を失うことへの恐怖が強かったように思います。「この人しかいない」「この人を失ったら人生が終わる」そんな極端な思いに駆られて、相手を束縛したり、疑ったり。今思えば、相手への愛情というより、自分の不安や恐怖が先走っていたのかもしれません。

でも、人生の後半戦を迎えた今、嫉妬の質が変わってきます。相手を失うことより、相手との関係が壊れること、築いてきた信頼関係が崩れることの方が怖くなります。だからこそ、感情的に爆発するのではなく、冷静に自分の心と向き合えるようになります。

とはいえ、中には年齢を重ねても、若い頃と同じような嫉妬の仕方をする方もいらっしゃいます。そして、その姿は周囲の人たちから「年を取っても成長していない」「見苦しい」と映ってしまうことがあるんです。

なぜ年を重ねた男性の嫉妬が「見苦しい」と映るのか

私たちの世代の男性は、特に「男は強くあるべき」「感情を表に出すべきではない」という教育を受けてきた方が多いですね。そんな背景があるからこそ、嫉妬という感情に振り回される姿は、本人も周りも戸惑ってしまうんです。

人生経験を重ねてきたはずなのに、感情をコントロールできず、若者のように取り乱してしまう。そんな姿を見た時、周囲の人は「この年齢になってまで」と感じてしまいます。

特に、定年退職後に起こりがちなのが、配偶者への過度な依存と嫉妬です。仕事一筋で生きてきた男性が、突然時間を持て余し、奥様の行動が気になって仕方がない。友人とのランチに行けば「誰と行った?」、趣味のサークルに参加すれば「男性もいるのか?」と、まるで若い恋人のように問い詰める。

奥様からすれば、長年自分の時間を大切にしながら家庭を守ってきたのに、今さら監視されるような関係になることへの戸惑いと失望があります。そして、「こんな人だったのか」という幻滅にも似た感情が生まれてしまうんです。

独占欲が支配欲に変わる瞬間

ある60代の女性から聞いた話です。熟年離婚を経て、新しいパートナーと出会い、穏やかな日々を過ごしていました。でも、そのパートナーの男性は、次第に彼女の行動を制限し始めたそうです。

最初は「心配だから」と言いながら、外出先を細かく聞いてきました。「誰と会うの?」「何時に帰るの?」「どこで食事するの?」。彼女は最初、「私のことを大切に思ってくれているんだ」と受け取っていました。

でも、ある日、娘さんと買い物に行った時、予定より帰りが遅くなりました。家に着くと、彼は不機嫌な顔で待っていて、「なぜ連絡しなかったんだ」「娘とばかり仲良くして、俺は放っておかれた」と、まるで子供のように拗ねたそうです。

その時、彼女は思ったそうです。「これは愛情じゃない。私を自分の所有物のように扱っている」と。人生の後半、やっと自由に生きられると思っていたのに、また誰かに支配される生活に戻ってしまう。そんな恐怖を感じて、彼女はその関係を終わらせる決断をしました。

若い頃なら、相手の嫉妬を「愛されている証拠」と受け取ったかもしれません。でも、人生経験を重ねた今、それが相手の不安や支配欲の表れだと見抜けるんです。

被害者意識という厄介なもの

男性の嫉妬で特に厄介なのが、「被害者意識」です。「どうせ俺なんか」「あなたは俺のことを本当は愛していないんだろう」といった、自己憐憫に浸る態度。

これは若い頃より、年を重ねてからの方が深刻になることがあります。仕事での成功体験が少なかった、社会的な評価が得られなかった。そんな人生の積み重ねが、自己肯定感の低さにつながり、パートナーにその穴埋めを求めてしまうんです。

ある75歳の男性は、同い年の奥様に対して、常に「俺なんかと一緒にいても楽しくないだろう」「もっと立派な人と結婚すればよかったのに」と口にしていました。奥様は最初、「そんなことない」と否定していましたが、何十回、何百回とその言葉を聞かされるうちに、疲れ果ててしまったそうです。

「夫は私に慰めてほしい、否定してほしいだけなんです。でも、私も疲れました。こんなに長く一緒にいて、まだ私の気持ちを信じられないなんて」と、彼女は涙ながらに話してくれました。

これも一種の嫉妬なんです。相手の愛情を確認するために、わざと自分を卑下する。そして相手からの慰めや愛情表現を引き出そうとする。でも、それは相手を疲弊させる行為でしかありません。

実際に見た「見苦しい」嫉妬の姿

ここからは、もう少し具体的な例をお話しします。もしかしたら、あなたの周りでも似たようなことがあったかもしれません。

地域の趣味のサークルで起きた出来事

私の知人の話です。地域の水彩画サークルに通っている70代の女性がいました。そこに、新しく男性の講師が来ることになったんです。50代の、とても丁寧に教えてくれる良い先生でした。

彼女の夫は、その話を聞いた途端、急に不機嫌になりました。「男の先生なのか」「どうせハンサムなんだろう」「俺より若くて魅力的なんだろう」と、会ったこともない先生に対して、根拠のない敵意を向けたんです。

そして、サークルに行く日は朝から不機嫌で、帰ってくると「今日は何を教わった?」「先生は何か個人的な話をしてきたか?」と、まるで尋問のように聞いてきました。

彼女は最初、夫の気持ちを理解しようと努めました。「あなたが大切だから、そう感じるんでしょう」と。でも、毎週同じことが繰り返され、サークルに行くことが苦痛になってきました。

そしてある日、彼女は爆発しました。「あなたは私を信じていないの?こんなに長く一緒にいて、まだ私が浮気すると思っているの?それとも、私には何の趣味も楽しみも持つなということ?」

その言葉に、夫は黙り込みました。でも謝罪の言葉はなく、ただ「お前が俺を不安にさせるようなことをするからだ」と、責任転嫁したんです。

彼女は、その時初めて、夫との関係を根本から考え直す必要があると感じたそうです。

ここで、少し本筋から外れますが、面白い話をお聞きください。私の友人で、80歳を過ぎても元気に社交ダンスを楽しんでいる男性がいます。彼は若い頃、とても嫉妬深い人だったそうです。奥様が誰かと話しているだけで気が気でなかったとか。

でも、ある時、奥様から「あなたが私を疑うたびに、私の心は少しずつあなたから離れていくのよ」と言われて、ハッとしたそうです。それから彼は、自分の嫉妬心と向き合い、奥様を信頼することを学びました。

そして今、二人は一緒に社交ダンスを楽しんでいます。時には別々のパートナーと踊ることもありますが、お互いを信頼しているから、嫉妬ではなく応援し合えるんです。「嫉妬を乗り越えた先に、本当の愛がある」と、彼は笑顔で話してくれました。こんな素敵な関係を築けるのも、人生経験の賜物ですね。

SNSという新しい嫉妬の舞台

最近は、私たちの世代でもスマートフォンを使いこなす方が増えました。お孫さんとLINEでやり取りしたり、FacebookやInstagramで昔の友人と再会したり。とても素敵なことです。

でも、このSNSが、新たな嫉妬の舞台になることもあるんです。

ある65歳の男性は、奥様のFacebookをこっそりチェックするようになりました。奥様が昔の同級生の投稿に「いいね」を押したり、コメントしたりするたびに、「この人は誰だ?」「昔、好きだった人じゃないのか?」と疑い始めたんです。

そして、ついには奥様のスマートフォンを勝手に見るようになり、メッセージの履歴まで確認するようになってしまいました。それに気づいた奥様は、深く傷つきました。

「私たち、もう40年以上一緒にいるのよ。それなのに、まだ私を信じられないの?私のプライバシーを侵害してまで、何を確認したいの?」

奥様の悲しみと怒りは、想像に難くありません。長年築いてきた信頼関係が、一瞬で崩れてしまったんです。

沈黙という名の圧力

これは、特に私たちの世代の男性に多いパターンかもしれません。感情を爆発させるのではなく、黙り込んでしまう。何を聞いても「別に」「なんでもない」と答え、でも態度で不機嫌さを表す。

ある女性の話です。彼女が高校時代の同窓会に参加すると伝えた時、夫は何も言いませんでした。「行っておいで」と言ってくれたので、安心して出かけたそうです。

でも、帰宅してから、夫の態度が冷たくなりました。話しかけても「ああ」「うん」という短い返事だけ。テレビを見ていても、楽しそうにしない。食事も黙って食べる。

何日もその状態が続き、彼女は耐えきれず「何に怒っているの?」と聞きました。すると夫は「別に怒ってない」と言いながら、「まあ、俺の気持ちなんて、どうせわからないだろうけど」と付け加えたんです。

彼女は混乱しました。「同窓会に行くことを許可してくれたじゃない。それなのに、なぜこんな態度を取るの?ちゃんと言葉で説明してほしい」

でも、夫は説明しませんでした。ただ、被害者のような顔をして、妻に罪悪感を感じさせようとするだけ。この「沈黙の圧力」は、言葉による責めより辛いものがあります。

人生の後半戦で築きたい、成熟した関係

私たちは、もう若くありません。でも、だからこそ、若い頃にはできなかった成熟した関係を築くチャンスがあるんです。

嫉妬という感情は、完全になくすことはできないかもしれません。でも、その感情にどう向き合うか、どう表現するかは、私たちが選べます。

もし、パートナーの行動に不安を感じたら、感情的に責めるのではなく、冷静に自分の気持ちを伝えることが大切です。「あなたが他の人と楽しそうにしているのを見て、少し寂しく感じた」「もっと二人の時間を大切にしたいと思っている」。そんな風に、自分の感情を素直に言葉にする。

そして、相手を信頼することです。何十年も一緒にいるパートナーなら、その絆を信じる。新しいパートナーなら、お互いの自由を尊重しながら、ゆっくりと信頼関係を築いていく。

嫉妬に支配されるのではなく、嫉妬と共存しながら、お互いを尊重し合える関係。それこそが、人生の後半戦における理想的なパートナーシップではないでしょうか。