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シニアの「甘えてほしい」という言葉の奥に隠れた気持ち

まだ交際を始めていない相手から「甘えてほしい」なんて言葉をかけられたら、誰だって少し戸惑ってしまいますよね。心の中で「え、どういう意味なの」と思いながらも、顔では笑顔を作ってみたり。そんな微妙な距離感の中で、相手の気持ちを測りかねている方も多いのではないでしょうか。

私も若い頃、似たような経験をしたことがあります。当時はまだ携帯電話すら珍しい時代でしたが、職場の先輩から「君はもっと人に頼っていいんだよ」と優しく言われて、頬が赤くなったのを今でも覚えています。あの頃は今よりもっと奥手で、人に甘えるなんてことが本当に苦手でした。でも今思えば、あの言葉は相手なりの精一杯の好意の表現だったのかもしれません。

「甘えてほしい」という言葉の奥に隠れた気持ち

まだ正式にお付き合いをしていない段階で、相手があなたに「甘えてほしい」と伝えてくるのには、いくつかの深い理由が隠れていることが多いものです。

まず一つ目として考えられるのは、あなたともっと心の距離を縮めたいという願いです。人は誰かに心を開いてほしいとき、自分から先に「頼ってほしい」と伝えることがあります。それは自分が信頼に値する人間だと示したいからであり、あなたの本当の姿をもっと知りたいという思いの表れでもあるのです。

例えば、あなたが仕事や家族のことで少し疲れた表情をしているとき、相手が「何かあったの。僕に話してよ、甘えていいんだから」と声をかけてくれることがあるかもしれません。そんなとき相手の目には、あなたを支えたいという優しさと、あなたのために何かしてあげたいという切実な思いが宿っているはずです。

二つ目の理由として、これは恋愛感情の表現方法の一つだということです。「甘える」という行為は、親密な関係性の証でもあります。友達には言わないような言葉を、あえて使ってくるということは、相手があなたとの関係を特別なものにしたいと考えている証拠かもしれません。

デートの帰り道、駅のホームで電車を待っているとき、相手が少し照れくさそうに「もっと僕に甘えてくれてもいいのに」と呟いたとしたら、それはきっと「あなたが特別だから」というメッセージなのでしょう。

ここで少し面白いエピソードをお話ししましょう。私の知人に、昔ながらの純情な男性がいました。彼は意中の女性に「甘えてほしい」と伝えたかったのですが、恥ずかしくて直接は言えず、なんと手紙に書いて渡したそうです。ところが緊張のあまり、「甘えてほしい」を「甘いものが好きです」と書き間違えてしまい、デートのたびに和菓子屋さんに連れて行かれることになったとか。笑い話のようですが、こんな不器用さも含めて、人の気持ちは本当に愛おしいものですよね。

三つ目として、相手の性格や育ってきた環境が関係している場合もあります。人を支えることに喜びを感じる方、面倒見がいい方というのは確かにいらっしゃいます。兄弟姉妹の中で長子として育った方や、誰かの世話をすることで自分の存在価値を感じてきた方は、「頼られる」ことに幸せを見出すことが多いのです。

そして四つ目、これは少し複雑なのですが、相手があなたの反応を見て関係性の可能性を探っているという場合です。まだ付き合っていない段階だからこそ、あなたがどれだけ心を開いてくれるか、どれだけ自分を信頼してくれるかを、相手は慎重に見極めようとしているのかもしれません。

どう答えればいいのか、心の準備

「甘えてほしい」と言われたとき、あなたはどんな気持ちになりましたか。嬉しかったでしょうか。それとも少し困惑したでしょうか。もしかしたら、「この人は本気なのかな」と疑心暗鬼になったかもしれません。どんな感情も、すべて自然なことです。大切なのは、自分の心に正直になることです。

まず何よりも先に、あなた自身の気持ちを整理してみましょう。その相手に対して、あなたは好意を抱いていますか。もっと関係を深めたいと思っていますか。それとも、まだよく分からないという段階でしょうか。焦る必要はありません。人の心は時間をかけて育っていくものです。

もし相手に好意があるのなら、少しずつ心を開いてみるのも一つの方法です。いきなり深刻な悩みを打ち明けるのではなく、まずは軽いお願いごとから始めてみるのです。「次のデート、どこか美味しいお店探してくれる」とか、「この荷物、ちょっと重いから持ってもらえる」といった、さりげない甘え方から試してみてください。

相手の反応を見て、あなたの直感を信じることも大切です。本当に誠実な人は、あなたの小さな甘えにも丁寧に応えてくれるはずです。そしてその対応の仕方から、相手が本当に信頼できる人かどうかが見えてくるものです。

また、相手の本心を探るために、軽く聞き返してみるのも効果的です。「甘えるって、例えばどんなこと」と笑顔で尋ねてみれば、相手がどこまで本気なのか、どんなことを期待しているのかが少し見えてくるでしょう。会話の中で、相手の言葉の温度を感じ取ってください。

ただし、忘れてはいけないのは、あなた自身の心の境界線を守ることです。まだ正式に交際しているわけではありません。無理に相手のペースに合わせる必要はないのです。「ちょっとまだ恥ずかしいな」と正直に伝えることも、立派な答え方です。誠実な相手なら、あなたのペースを尊重してくれるはずですから。

実際にあった心温まる物語

ある地方都市に住む、当時二十代半ばだったC子さんという女性のお話です。彼女は真面目で几帳面な性格で、会社では誰からも頼りにされる存在でした。でもその反面、人に弱みを見せることがとても苦手だったのです。

C子さんには、会社の先輩で三十歳の男性がいました。優しくて物静かな方で、部署は違うものの、時々一緒にランチに行く仲でした。お互いに好意は感じていたものの、まだ友達以上恋人未満といった微妙な関係性でした。

ある日、C子さんは仕事で大きなミスをしてしまいました。お客様への重要な書類に誤りがあり、上司から厳しく叱責されたのです。普段は気丈なC子さんも、その日ばかりは会社の廊下で一人、涙をこらえるのに必死でした。

そんな彼女の様子に気づいた先輩が、そっと声をかけてきました。「大丈夫。そんなときこそ僕に甘えていいよ。なんでも話して」

C子さんは最初、「甘えるって何だろう」と戸惑いました。でも先輩の温かい目を見て、思い切って自分の失敗と不安な気持ちを打ち明けたのです。すると先輩は、責めることなく静かに話を聞いてくれました。そして実践的なアドバイスと共に、「誰にでもミスはある。次に活かせばいいんだよ」と励ましてくれたのです。

その瞬間、C子さんの心の中に、温かいものが広がっていくのを感じました。これまで一人で抱え込んでいた重荷が、少し軽くなったような気がしたのです。そして同時に、この人は本当に信頼できる人なのだと確信しました。

それから数週間後、先輩から改めて「付き合ってみない」と告白されました。C子さんは迷わず「はい」と答えました。あの日、勇気を出して甘えてみたことが、二人の関係を一歩前に進めるきっかけになったのです。

もう一つ、対照的なお話もあります。二十代後半のD男さんという男性の体験です。彼は大学のサークルで知り合った後輩の女性と、メッセージアプリでよく会話をしていました。軽やかで楽しいやり取りが続いていましたが、まだ恋愛関係というほどではありませんでした。

ある夜、彼女から「最近、仕事が忙しくて本当に疲れちゃった」というメッセージが届きました。D男さんは少し考えてから、「僕、けっこう頼れると思うよ。甘えてほしいな」と返信しました。正直、軽い気持ちでした。

すると彼女から「え、甘えるって例えば」という、少し探るような返事が来ました。D男さんは慌てて、「なんでも相談してよ。美味しいお店も知ってるし」と続けました。すると彼女は「じゃあ、週末ご飯連れてって」と、軽いノリで甘えてきたのです。

その週末、二人は初めてちゃんとしたデートをしました。そこから少しずつ距離が縮まり、二ヶ月後には正式にお付き合いを始めることになりました。軽い一言が、大きな一歩につながったのです。

大切にしたい、いくつかの心がけ

「甘えてほしい」という言葉に込められた意味は、人それぞれです。だからこそ、相手の普段の態度や、これまでの関係性をよく思い返してみてください。冗談っぽい言い方だったのか、真剣な眼差しで伝えられたのか。そうした小さな違いの中に、本当の気持ちが隠れています。

そして何より、あなた自身のペースを大切にしてください。人生は長い道のりです。焦って答えを出す必要はありません。まだ付き合っていないのですから、自分が心地よいと思える距離感を保ちながら、ゆっくりと相手を知っていけばいいのです。

相手の言葉に戸惑ったら、素直に聞き返してみましょう。「甘えるって、具体的にどんなことを言ってるの」と尋ねることは、決して失礼なことではありません。むしろ、お互いの気持ちを確かめ合う大切なコミュニケーションになります。

年を重ねてきた今だからこそ分かるのは、人との関係は一つ一つ丁寧に紡いでいくものだということです。無理に背伸びをする必要もなければ、相手に合わせすぎる必要もありません。あなたはあなたのままで十分に魅力的なのですから。

「甘えてほしい」という言葉は、もしかしたら相手があなたとの未来を想像し始めているサインかもしれません。でも、その未来を一緒に歩くかどうかを決めるのは、あなた自身です。自分の心の声に耳を傾けて、後悔のない選択をしてください。

人生には様々な出会いがあります。その中で、本当に心を許せる相手と巡り会えたら、それはとても幸せなことです。「甘えてほしい」という言葉が、あなたにとって新しい幸せへの扉を開く鍵になることを、心から願っています。

相手を見極める目を持ちながらも、時には勇気を出して一歩踏み出してみる。そのバランスこそが、素敵な関係を育てていく秘訣なのかもしれません。あなたの心が、正しい方向を教えてくれるはずです。どうか、自分自身を信じて、一歩ずつ前に進んでいってください。