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年賀状を来た人にだけ出す理由

「年賀状返し」の新常識 〜人間関係を整理する大人の選択〜

今日、ふと思いました。私たちはなぜ毎年、あんなに慌ただしい年末に追われるように年賀状を書くのでしょうか?「今年も残り少ない!年賀状、まだ書いてないよ!」なんて台詞を何度口にしたことでしょう。でも少し立ち止まって考えてみませんか?この習慣、本当に今の私たちのライフスタイルに合っているのでしょうか?

実は最近、ある新しい年賀状事情が静かに広がっています。それが「来た人にだけ返す」という年賀状スタイル。単なる面倒くさがりや義務感からの脱却ではなく、現代社会における人間関係の質的転換とも言えるこの選択肢について、じっくり掘り下げてみましょう。

変わりゆく「当たり前」の形

子どもの頃、私は親が年末になると夜遅くまで年賀状を書く姿を見ていました。会社の上司、取引先、遠い親戚、昔の同級生…リストは長く、母はため息をつきながらも「これも社会人の務め」と言って黙々と住所を書き続けていました。

当時はそれが「普通」だと思っていました。しかし今、私たち現代人のコミュニケーションスタイルは大きく変化しています。日々のやり取りはLINEやSNSで済ませることが多く、年に一度の挨拶状が果たして必要なのか?という疑問を持つ人が増えているのです。

実際、2023年の調査によると、20〜30代の約65%が「年賀状の送付数を減らしている」と回答し、その理由の第一位が「必要性を感じない相手への送付をやめた」というデータもあります。これは決して伝統を軽視しているわけではなく、むしろ「本当に大切な人とのコミュニケーション」に価値を置く傾向の表れではないでしょうか。

「来た人だけ」スタイルの心理的メリット

「年賀状を来た人にだけ出す」という選択。一見、消極的な姿勢のようにも思えますが、実はこれには様々な心理的メリットが存在するのです。

まず第一に、関係の自然な整理ができるという点。毎年、向こうからは来ないのに自分からは出し続けている…そんな一方通行の関係に、どこかで疑問を感じたことはありませんか?「来た人だけ」方式なら、自然と双方向の関係だけが残っていきます。これは断捨離ならぬ「関係捨離」とも言えるかもしれません。

私の友人の美香さん(35歳・営業職)はこう語ります。「正直、毎年100枚近く出していた年賀状が、『来た人だけ』スタイルに変えてから30枚程度になったの。でも不思議と、減った70人から『年賀状が来なかった』という連絡は一切なかったわ。つまり、お互いが『もう特に必要ないよね』と感じていた関係だったんだと思う」

このように、実は多くの場合、年賀状のやり取りが自然消滅しても何の問題も生じないのです。そして残った30人との関係は、より意識的で大切なものとなっていく—そんな質的変化が起きているのです。

現代人の時間とお金を守る賢い選択

現代社会において、最も貴重な資源とは何でしょう?おそらく多くの人が「時間」と「お金」と答えるでしょう。「来た人だけ」年賀状スタイルは、この両方を効率的に使う賢い選択とも言えるのです。

まず時間の節約。年賀状の準備には意外と多くの工程があります。宛名リストの更新、住所変更の確認、デザイン選び、印刷または手書き、投函…。100枚の年賀状を出すとすれば、トータルで軽く10時間以上はかかるでしょう。これが30枚になれば、その時間は3分の1に。浮いた7時間で何ができるでしょうか?家族との団らん、趣味の時間、はたまた心身のリフレッシュ…。年末の貴重な時間をより充実したことに使えるのです。

経済的な側面を見てみましょう。年賀はがき代(63円×100枚=6,300円)、印刷代や写真代を含めれば、100枚で1万円以上の出費になることも珍しくありません。これが30枚になれば、7,000円近くの節約になります。年末の出費がかさむ時期、この節約額は決して小さくありません。

会社員の田中さん(42歳)は「浮いたお金で家族へのちょっといいお歳暮を買えるようになった」と笑顔で話します。まさに「選択と集中」の好例ですね。

体験談:年賀状スタイル変更がもたらした変化

実際に「来た人だけ」スタイルに変更した人々の声を聞いてみましょう。彼らの体験から、この選択がもたらす具体的な変化が見えてきます。

佐藤家の場合:転機は夫の転職

「主人が40歳で転職したとき、それまでの会社関係者への年賀状をどうするか悩みました」と語るのは佐藤真理子さん(45歳)。「結局、『もう出さなくてもいいかな』と思い切って、来た方にだけ返すことにしたんです」

最初の年は不安もあったそうですが、結果的に「ほとんどの方からは来なくなり、本当に親しかった2〜3人からだけ来るようになりました。それでいいんだと思えたんです」と佐藤さん。

興味深いのは、年賀状をやめたことで新たな関係性が生まれた例もあったこと。「以前の上司の一人からはSNSでつながりたいと連絡があって。年賀状より気軽にやり取りができるようになったんです」

これは単なる儀礼的なやり取りから、より日常的で親密なコミュニケーションへの進化とも言えますね。

山田家の場合:友人との話し合いがきっかけに

会社経営者の山田健太さん(38歳)のケースも興味深いものです。「同世代の友人数人と飲んでいる時に、年賀状の話題になりました。『正直もうやめたいよね』という本音が出て、『じゃあ今年からみんなでやめよう』という流れになったんです」

最初は罪悪感もあったという山田さんですが、「実際やってみたら、誰とも関係が悪くなることもなく、むしろLINEでの年末年始のやり取りが増えた」と言います。「短い定型文の年賀状より、お互いの近況や子どもの写真を送り合う方が、実は関係が深まるんだなと実感しました」

このように、年賀状という形式にとらわれず、より自由なコミュニケーション方法を選ぶことで、かえって人間関係が豊かになるケースもあるのです。

デジタル時代における年末年始の挨拶の形

スマートフォンの普及率が90%を超える現代社会。コミュニケーションの形も大きく変化しています。年賀状に代わる挨拶の形として、どんな選択肢があるのでしょうか?

LINEやSNSでの年末年始の挨拶は、すでに多くの人が取り入れている方法です。テキストだけでなく、写真や動画を添えることで、紙の年賀状よりも豊かな情報を伝えることができます。また、リアルタイムでの返信や会話につながりやすいのも魅力です。

デジタル年賀状サービスを利用するという選択肢もあります。紙の年賀状と同じ雰囲気を維持しながらも、印刷や投函の手間がない点が魅力ですね。

しかし、ここで考えたいのは「形式」よりも「本質」です。年末年始の挨拶の本来の目的とは何でしょうか?それは「大切な人との絆を確認し、新しい年への希望を共有すること」ではないでしょうか。

その目的を果たすのであれば、手段はどうあれ構わないのではないか—。そう考えると、「来た人だけに返す」という選択も、単なる消極的対応ではなく、より本質的なコミュニケーションへの回帰とも言えるのです。

「来た人だけ」スタイルを上手に実践するコツ

「来た人だけ」スタイルに移行したいけれど、どうやって始めればいいのか悩む方も多いでしょう。ここでは、スムーズに移行するためのコツをご紹介します。

1. グラデュアルな移行がおすすめ

いきなり全ての人に年賀状を出さないというのではなく、徐々に減らしていくアプローチが良いでしょう。例えば初年度は、「特に疎遠な関係の人」だけリストから外す、という形で始めてみてはいかがでしょうか。

2. 代替手段を用意する

特に親しい方には、年賀状の代わりに何らかの挨拶をすることで、関係性を維持できます。LINEメッセージ、電話、実際に会って挨拶するなど、むしろ年賀状よりも直接的なコミュニケーションを心がけましょう。

3. 心の準備をしておく

初めて「来た人だけ」スタイルに移行する年は、何となく気になるものです。「あの人からはもう来ないのかな」「関係が悪くなるのでは?」という不安が頭をよぎるかもしれません。しかし、多くの場合、そういった心配は杞憂に終わります。心の準備をしておくと安心ですね。

4. 来た人には丁寧に返す

「来た人だけ」スタイルだからこそ、実際に年賀状をくださった方への返信は、より丁寧に、心を込めて行いましょう。定型文ではなく、相手に合わせた一言を添えるだけで、その年賀状の価値は大きく高まります。

5. 自分のコミュニケーションスタイルを見つめ直す

年賀状の送り方を見直すことは、自分自身のコミュニケーションスタイル全体を見つめ直す良い機会でもあります。「私にとって大切な人間関係とは?」「どんな形で繋がっていきたいか?」を考えてみましょう。

よくある疑問に答えます

「来た人だけ」スタイルについて、よくある疑問にお答えしましょう。

Q1: 不義理だと思われないか不安です

確かに、日本社会では「義理」の概念が根強いため、このような不安を抱く方も多いでしょう。しかし、現代社会においては価値観も多様化しています。多くの人が「年賀状を減らしたい」と思っているのが実情です。実際、年賀状の発行枚数は年々減少傾向にあります。お互いに「そういうものだ」と理解しあえる風潮になりつつあるのです。

Q2: 仕事関係の人にも適用できますか?

ビジネス関係においては、少し慎重になる必要があるかもしれません。特に取引先や上司など、関係性を維持することが重要な相手には、年賀状以外の形でコミュニケーションを取ることをお勧めします。例えば、年末の挨拶メール、年始の電話などの代替手段を考えましょう。

Q3: 親戚にも「来た人だけ」を適用しても大丈夫?

親戚関係は家庭によって様々です。特に年配の方は年賀状を重視する傾向がありますので、家族内で相談してみるといいでしょう。「おじいちゃん、おばあちゃんにはこれまで通り出そう」という判断も、十分アリだと思います。

Q4: 今まで毎年出していた人に突然出さないのは失礼?

確かに、いきなり出さなくなるのは唐突に感じられるかもしれません。移行期間として、例えば「今年から電子版の年賀状に切り替えました」というお知らせを前年に出しておくなどの工夫も考えられます。

年賀状と日本文化の変遷

年賀状の歴史を振り返ってみると、実は決して不変の伝統ではなく、時代とともに形を変えてきたことがわかります。

年賀状の原型は江戸時代にまで遡りますが、一般庶民に広く普及したのは明治時代以降のこと。郵便制度の整備に伴い、年始の挨拶状として定着していきました。

高度経済成長期には、会社組織を中心とした「義理年賀状」が一般化。バブル期には華やかな写真入りや豪華なデザインの年賀状が流行しました。

そして今、デジタル時代を迎え、また新たな変化の時を迎えているのです。これは決して「伝統の衰退」ではなく、時代に合わせた「文化の進化」と捉えることができるでしょう。

文化人類学者の斎藤先生はこう語ります。「儀礼や習慣は形式だけが残って中身が空洞化すると、やがて衰退します。一方、形式は変わっても本質的な機能を維持できれば、文化は進化していくのです。年賀状文化も今、そういう転換点にあるのではないでしょうか」

環境への配慮という視点

現代社会では、環境負荷を減らすエコロジカルな選択にも注目が集まっています。年賀状の大量消費について、環境の観点から考えてみましょう。

日本郵便の発表によると、2022年の年賀はがきの発行枚数は約13億6千万枚。これは膨大な紙資源を使用していることになります。また、製造過程や配達時のCO2排出も無視できません。

「来た人だけ」スタイルは、無駄な資源消費を減らすという意味でも、サステナブルな選択と言えるでしょう。

環境活動家の木村さんはこう提案します。「年賀状を半分に減らすだけでも、大きな環境負荷軽減になります。大切な方には、むしろ『顔を合わせる機会』を増やす方がエコですし、人間関係も深まるのではないでしょうか」

まとめ:「来た人だけ」は新しい大人の選択

年賀状を「来た人にだけ」出すというスタイルは、単なる面倒くさがりや義務感からの逃避ではありません。それは現代社会において、時間とリソースを大切にし、より本質的な人間関係を構築するための賢明な選択なのです。

「来た人だけ」スタイルによって得られるもの:

  • 余計な人間関係の整理・浄化
  • 大切な人との関係をより意識的に育む機会
  • 時間的・経済的負担の軽減
  • より自分らしいコミュニケーションスタイルの構築
  • 環境負荷の軽減

年末年始は、忙しさの中にも心穏やかに過ごしたい大切な時期です。膨大な年賀状書きに追われてストレスを感じるよりも、本当に大切な人とじっくり向き合える時間を持つことこそ、現代の私たちに必要なことかもしれません。

「来た人だけ」スタイルが、あなたの年末年始をより豊かにするひとつの選択肢となれば幸いです。伝統を守りながらも、少しずつ自分らしいスタイルを作っていく—そんな柔軟な姿勢が、現代を生きる私たちには必要なのではないでしょうか。

あなたは今年、どんな年賀状スタイルを選びますか?