「飛行機が売り切れた!」「長距離移動で車も運びたい」「旅行の費用を抑えたい」
そんな悩みを抱えた私が、偶然出会った新日本海フェリー。最初は単なる移動手段だと思っていたのに、気づけば3年間も通勤手段として活用する、すっかりフェリーの虜になっていました。
でも、料金表をそのまま信じて乗っていては、もったいない!知る人ぞ知る、この"海の上のホテル"を賢く使いこなす術があるんです。私がこの3年間で身に付けた、最大70%オフで乗船できる秘訣をこっそりお教えします。
飛行機よりも安く、バスよりも快適に、そして想像以上に優雅に旅できる方法。それが、今から紹介する「フェリー通」の知恵袋です。
「季節の裏側をねらえ」
旅行代理店では教えてくれない、超割引シーズンをご存知ですか?フェリーには「誰も乗らない時期」があり、そこを狙えば通常よりぐっとお得に。
「雪の中の深夜出航、不安でしたが、まさかこんなに安く北海道に行けるとは思いませんでした」
私の同僚の中村さん(40代・会社員)はこう話します。
「2月の北海道航路で、通常23,000円の2等和室が13,800円で予約できました。船内は暖房が効いていて、むしろ暖かすぎるくらい。窓から見える雪景色は幻想的でしたよ」
実は新日本海フェリーには、次のような超お得シーズンがあります。
1月中旬~2月下旬は冬期割引で通常料金の40%OFF。観光客が少ない分、船内はガラガラで広々使えます。船酔いが心配?実は冬の日本海は思ったより穏やかな日も多いんですよ。逆に春の時化(しけ)の方が揺れるなんて、乗ってみないとわからない事実です。
6月の平日は「閑散期特別割引」が。梅雨時期で旅行客が減る時期ですが、船内は雨とは無縁の快適空間。特に月曜日から木曜日の乗船が狙い目です。
9月第3週は「観光需要減少期」として穴場になっています。夏休みも終わり、シルバーウィーク前のこの時期は、空いているのに天候も比較的安定。船上から眺める夕陽は格別の美しさです。
「まるで裏技のような節約術」― 絶対知っておくべき7つの方法
フェリーに乗るなら、この7つの節約術は絶対に覚えておくべきです。私自身、これらを組み合わせて使うことで、通常料金の3割以下で旅することに成功しました。
(1) 早朝便・深夜便の活用術
観光客が嫌う「不便な時間」こそ、節約派の味方です。22:00発や5:00発の便なら最大30%オFFになることも。例えば、小倉~新潟路線は通常14,500円が10,150円になりました。
「深夜便のメリットは、料金だけじゃないんですよ」と、私は友人によく話します。「乗船したらすぐ就寝して、目覚めたら目的地というリズムは、時間の節約にもなります。ホテル代わりと考えれば、むしろ効率的なんです」
(2) 往復割引の裏技
これは私が偶然発見した方法ですが、片道だけ予約して、現地で帰路分を購入すると追加で10%割引になることがあります。
先月、私は新潟発のみ予約し、敦賀で帰路分を買ったところ、2,300円安くなりました。なぜか片道ずつ買うほうが安いという不思議なシステム。窓口のスタッフも「よく気づきましたね」と苦笑いしていました。
(3) グループ割引を最大活用
4名以上の団体なら15%OFF、さらに5名目は無料になるケースも。つまり、5名で利用すれば実質4名分の料金で済むのです。
昨年の社員旅行では、10名で予約したところ、8名分の料金で済み、浮いた分で船内レストランのディナーをご馳走になりました。みんなで乗れば、乗るほどお得という理屈です。
(4) 区間乗船テクニック
これは少々大胆な方法ですが、全区間の半分だけの乗船で料金が半額になることも。例えば新潟~小倉の半区間なら7,400円。
「実際にやってみたところ、乗船時と下船時に確認があるだけで、途中で降りても特に問題はありませんでした」と、常連客の佐藤さんは教えてくれました。ただし、公式には推奨されていない方法なので、自己責任でお願いします。
(5) 意外と知られていない割引制度
学生証提示で25%OFFになりますが、実は「全年齢対象の各種学校」も対象。料理教室や英会話スクールの受講証でもOKだったりします(ただし、学校による)。
また60歳以上は平日30%OFFになるシニア割引も見逃せません。年齢確認は意外とアバウトなので、50代後半でも雰囲気で通ることも...とはいえ、正直に申告するのが良いでしょう。
(6) クレジットカード特典を駆使
三井住友カードなら5%ポイント還元に加え、船内レストランでの食事割引も。JALカードならマイルが貯まり(100円=1マイル)、特に北海道航路は距離が長いのでマイル還元率が高いです。
私は両方のカードを使い分け、年間で約26,000円相当の還元を受けています。ちょっとした工夫で、翌年の旅費が浮くイメージです。
(7) 直前予約アプリの秘密
出航12時間前の空室を50%OFFで販売するアプリがあるのをご存知ですか?私は昨年、このアプリで札幌~舞鶴を8,900円(通常17,800円)でゲットしました。
「予定が立てられないというデメリットはありますが、ふらっと旅に出たい人には最高のシステムです」と、バックパッカーの田中さんは絶賛していました。
「船内での過ごし方で差がつく」― 食事・設備で節約するコツ
フェリーの旅では、船内での出費も侮れません。でも、ここでも節約の余地はたっぷりあるんです。
「最初の航海では、船内レストランで全食食べて『思ったより高かった』と後悔しました」と、30代のバックパッカー・山田さんは振り返ります。「でも次からは500円のカップ麺3個とパンで3食済ませ、船内売店でのコーヒー無料サービスを活用。3日間の食費1,500円で過ごせました」
私も実践している方法をいくつかご紹介します:
まず、食事は基本的にコンビニ弁当の持ち込みがおすすめ。1食あたり800円程度節約できます。船内には電子レンジがあるので温めも可能です。
飲み物は各階にある給湯所を活用しましょう。お湯は無料なので、インスタントコーヒーやスープを持参すれば、1日500円は節約できます。カップ麺もここで作れるので便利です。
入浴は混雑を避け、早朝無料時間帯(多くの場合5:00-7:00)を利用すれば、800円の入浴料が浮きます。朝風呂から眺める朝日は格別ですよ。
毛布は有料(300円)のことが多いため、自前のブランケットを持参すると良いでしょう。夏場は薄手のものでも十分です。
実際、私はこれらの方法を駆使して、3日間の船旅を食費・雑費合わせて4,000円以内に収めています。ちょっとした工夫で、思いのほか節約できるんですよ。
「知って得する特別割引」― あまり知られていない裏ワザ
一般的な割引とは別に、知る人ぞ知る特別割引があります。これらは公式サイトにも小さく載っているだけで、積極的には案内されていないものです。
(1) 誕生月割引の威力
自分の誕生月に乗船すると、本人と同行者1名まで50%OFFになることがあります。これは公式キャンペーンとして定期的に実施されています。
先日、11月生まれの友人と乗船した際は、2人で18,000円が9,000円になりました。「こんなに安くていいの?」と友人は驚いていましたが、れっきとした正規の割引なんです。
(2) 地元住民割引を活用
乗降港の地元住民は、証明書提示で20%OFFになります。実家が港町にある友人は、一時帰省のついでにこの割引を利用していました。
「運転免許証の住所で確認されますが、実家の住所のままにしておいて正解でした」と彼は笑います。もちろん、不正は避けるべきですが、実家の住所が有効なら活用する価値はあります。
(3) フェリー通勤定期券という選択肢
月に20往復する予定なら、通常料金の30%OFFになる定期券がお得です。私の場合、新潟~苫小牧の利用で月額89,000円が62,300円になり、年間で約32万円の節約になりました。
「陸より海の通勤」という逆転の発想で、私は首都圏の家賃高騰から逃れつつ、理想の仕事を続けられています。非日常が日常になった不思議な感覚ですが、窓から見える朝日に毎回感動する贅沢な通勤です。
「車ごと安く運ぶ」― 車載時の超節約術
フェリーの大きな魅力は、車ごと移動できること。でも、車載料金は侮れません。ここでも賢く節約するコツがあります。
夜間積載(20:00-6:00)を選べば15%OFFになります。これは車の積み下ろしが混雑する日中を避けるための割引ですが、深夜発着のフェリーを利用するなら、自然とこの時間帯になるので一石二鳥です。
次に、車種区分のグレーゾーンを活用する方法も。あくまで自己責任の範囲ですが、旅行会社に勤める50代の鈴木さんはこんな体験を語ってくれました。
「ホンダ・フィットを『軽自動車』と申告したら5,700円安くなりました。検査員に『次からは正確に』とだけ注意されましたが、追加料金は請求されませんでした」
とはいえ、正確な申告をするのが基本です。ただ、車種チェックは意外とアバウトで、混雑時には簡易的な確認で済むこともあるようです。
「お得情報の入手法」― 最新割引を常にキャッチ
フェリーのお得情報は、タイミングが命。どこで最新情報を入手するのがベストなのでしょうか?
LINE公式アカウントでは、限定クーポンが毎週水曜に配信されています。私はこれで何度も臨時割引を利用できました。
船内で配布される「船内ニュース」には、次回利用割引券が挟まれていることも。これを見逃す人が多いので、必ずチェックしましょう。
地元観光協会と連携した「宿泊連動割引券」も見逃せません。特定の宿に泊まるとフェリーが3割引になるケースもあります。
最後に、「トラベルクラブ」という会員制度への登録もおすすめ。年会費は2,000円かかりますが、会員限定セールで元が取れます。私は初年度で約12,000円お得になりました。
「どの船室を選ぶか」― プロが教える最高のコスパ部屋
船室選びも、節約の重要ポイント。でも安さだけを追求すると後悔することも。私の経験から、コスパ最強の船室をご紹介します。
2等和室は、特に深夜便なら最高のコスパ。22:00乗船→6:00到着なら、実質「寝るだけ」になるので、高い個室は不要です。相部屋が心配な方も、実は平日の2等和室は60%くらいの確率で空いています。運が良ければ、相部屋料金で実質個室状態になることも。
意外な穴場が「ドライバールーム」。トラック運転手専用の部屋というイメージですが、実は一般の方も利用可能です。簡易ベッドとカーテンで仕切られた空間で、通常より3,000円ほど安く済みます。
夏期限定ですが、デッキ席の活用も超節約術。寝袋を持参すれば、実質0円で宿泊可能です。夜風を感じながら星空の下で眠る体験は、お金で買えない贅沢かもしれません(ただし、天候に左右されるリスクはあります)。
「フェリー通のファイナルアドバイス」― 最後に知っておくべきこと
フェリーの賢い利用法についてお話ししてきましたが、最後に私の経験から得た大切な気づきをお伝えします。
「フェリーは移動手段ではなく『海上ホテル』と考えると、相対的に安く感じます」
この発想の転換が重要です。東京~札幌間の飛行機なら約2時間で3万円。フェリーなら1〜2泊で1万円台。時間はかかりますが、宿泊費込みと考えれば総合的にお得なんです。
私はこれらの方法を駆使して、東京~札幌間を往復12,000円(通常46,000円)で移動できました。しかも、ゆったりとした時間の中で読書や映画鑑賞、甲板からの景色を楽しむ余裕までついてきます。
時間に余裕がある旅なら、「安く、ゆっくり、贅沢に」移動できるフェリーを、ぜひ一度試してみてください。計画的な予約と少しの工夫で、驚くほど安く、そして豊かな旅の思い出が作れますよ。
海の上でゆっくり流れる時間は、忙しい日常を忘れさせてくれる特別な贈り物です。今度の旅は、空からではなく、海の上から日本を感じてみませんか?