「やっと自分の時間が持てるようになったけど、なかなか旅行に踏み出せない…」
「せっかくの休日、もっと充実した過ごし方があるはずなのに…」
こんな思いを抱えていませんか?長年の仕事や家庭の責任を果たし、ようやく自分のための時間が増えてきた50代、60代。しかし、旅行プランを立てるのは意外と大変で、費用面での不安もあるもの。そんな方々に朗報です。JR東日本が提供する「大人の休日倶楽部」は、人生の新たなステージを迎えた大人たちの旅の楽しみ方を根本から変えるサービスなのです。
この記事では、大人の休日倶楽部の魅力と活用法、そして実際の会員さんたちの体験談をお伝えします。
大人の休日倶楽部とは?~鉄道好きだけのものじゃない~
「大人の休日倶楽部」は2005年に誕生したJR東日本の会員制サービスで、50歳以上の方を対象としています。名前から鉄道マニア向けのサービスだと思われがちですが、実際はそうではありません。確かに鉄道の利用促進が目的の一つではありますが、もっと広く「人生の後半戦をより豊かに過ごすためのサポート」を目指したサービスなのです。
会員になると、JR東日本やJR北海道の切符が特別割引価格で利用できるだけでなく、会員限定の旅行商品やイベントへの参加、さらにはホテルやレストランでの優待など、様々な特典を受けることができます。言わば、50代からの「新しい旅のパスポート」と言えるでしょう。
先日、東京から新潟に向かう上越新幹線の車内で、隣に座った70代の女性から興味深い話を聞きました。
「私ね、夫が亡くなってからなかなか遠出できなかったの。でも友人に勧められて大人の休日倶楽部に入会してみたら、世界が変わったわ。今では月に一度は必ず旅に出るようにしているの。割引があるから経済的な負担も少ないし、何より同じ世代の仲間ができたことが大きな喜びね」
彼女の表情は生き生きとして、次の旅の計画を話すその目は若々しく輝いていました。これこそが、このサービスの本当の価値なのかもしれません。
会員プランと主なメリット~思い切り旅するための味方~
大人の休日倶楽部には「ミドル」と「ジパング」の2種類の会員プランがあります。
「大人の休日倶楽部ミドル」は50歳から64歳を対象としており、年会費は2,624円(税込)。JR東日本・北海道の切符が何度でも5%割引になるほか、「大人の休日倶楽部パス」という特別乗車券を利用することで、東日本エリアを中心に広範囲での鉄道旅行が大変お得になります。
一方、「大人の休日倶楽部ジパング」は65歳以上が対象で、年会費は4,364円(税込)。こちらはなんとJR東日本・北海道の切符が何度でも30%割引という太っ腹な特典があり、特に鉄道旅行を頻繁にする方には大きな節約になります。
神奈川県在住の田中さん(67歳)は、退職後にジパング会員になった一人です。
「年会費の元を取れるか最初は半信半疑だったんですよ。でも、一年間で東北方面に3回、北海道に1回旅行しただけで、割引額の合計が年会費を大きく上回りました。正直、もっと早く入会すれば良かったと思っています。特に『大人の休日倶楽部パス』は本当にお得で、東北を4日間かけて周遊するのに通常なら5万円以上かかるところ、パスなら15,270円で乗り放題なんです」
特に魅力的なのは「大人の休日倶楽部パス」で、このパスがあれば会員はJR東日本・北海道の特定エリアを期間限定で思う存分旅することができます。季節ごとに発売されるこのパスは、普通列車(快速含む)の普通車自由席が乗り放題となり、特急や新幹線などの特定列車も追加料金で利用可能です。
「パスを使うと、旅のスタイルが根本から変わります」と語るのは、旅行ガイドライターの山本さん。「経由地や下車駅を気にせず、『あ、この駅いいな』と思ったら気軽に降りられる。その自由さが新しい発見につながるんです」
割引だけじゃない!知られざる特典の数々
会員カードを提示するだけで受けられる割引やサービスは、鉄道以外にも実に多彩です。例えば、全国約9,000のホテルや旅館、飲食店、観光施設での優待特典が受けられます。
東京在住の佐藤さん(58歳)は、意外な使い方を教えてくれました。
「実は美術館や博物館の入場料が割引になることを最近知ったんです。東京国立博物館や国立新美術館など、行きたいところが多いので嬉しい特典ですね。あと、東京駅構内のレストランでも割引があるので、出張帰りの食事で利用しています」
また、会員向けの機関誌「大人の休日倶楽部ジパング」も特典の一つ。旅のアイデアが詰まったこの雑誌が定期的に届くので、次の旅行の計画づくりに役立ちます。「毎回届くのが楽しみで、ページをめくりながら次はどこに行こうかとワクワクします」と話すのは大阪の松田さん(62歳)です。
さらに見逃せないのが会員限定イベント。例えば、普段は入れない鉄道施設の見学ツアーや、季節の絶景スポットをめぐる特別ツアーなど、通常では体験できないプログラムが用意されています。
「石巻線の震災復興を訪ねるツアーに参加したのですが、現地のガイドさんの説明がとても詳しく、同世代の参加者との交流も含めて深い経験になりました」と語るのは仙台の高橋さん(72歳)。「同じ興味を持つ人たちと出会えるのも、このクラブの魅力の一つですね」
活用事例~こんな旅ができる!~
それでは、実際に会員の方々がどのように大人の休日倶楽部を活用しているのか、具体例を見てみましょう。
【事例1】東北の温泉巡りの旅
「大人の休日倶楽部パス」を使って、4日間かけて東北の名湯を巡る旅。福島の飯坂温泉、山形の銀山温泉、宮城の鳴子温泉、秋田の乳頭温泉と周遊。通常なら交通費だけで5万円を超えるところ、パス料金の15,270円で済みました。
「温泉地ごとに違う雰囲気を楽しめるのが魅力。特に銀山温泉の大正ロマン漂う街並みは、夜のライトアップが幻想的でした」(千葉県・森さん、64歳)
【事例2】北海道グルメと花の旅
4日間の北海道パスを使い、札幌、小樽、富良野、帯広と道内を周遊。各地の名物グルメを堪能しながら、季節の花々も楽しむという欲張りプラン。
「富良野のラベンダー畑、美瑛の丘陵風景、そして各地の海鮮や農産物の美味しさに感動しました。自由席だから、予定を気にせず『もう少しここにいたい』と思えば予定変更も簡単でした」(東京都・中村さん、69歳)
【事例3】一人旅で磨く写真スキル
カメラ趣味の会員さんは、「大人の休日倶楽部パス」を活用して、東北各地の絶景スポットを巡る写真撮影の旅を楽しんでいます。
「秋田の男鹿半島、青森の奥入瀬渓流、岩手の平泉と、撮影したい場所をじっくり巡れるのが最高です。特に朝焼けや夕焼けの時間に合わせて自由に移動できるのが写真撮影には重要。パスのおかげで時間を気にせず、ベストショットを狙えます」(神奈川県・伊藤さん、60歳)
意外と知らない!入会方法と使い方のコツ
大人の休日倶楽部への入会は意外と簡単です。JR東日本の公式サイトからオンライン申し込みができるほか、駅の「びゅうプラザ」や主要駅の「みどりの窓口」でも申し込みが可能。必要書類は年齢確認ができる身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)だけです。
審査はなく、年齢条件を満たしていれば誰でも入会できます。入会後、約2週間で会員カードが自宅に郵送されるので、それを駅の窓口で提示するだけで割引が適用されます。
ここで、会員歴10年の大ベテラン、横浜の鈴木さん(70歳)から、活用のコツを教えてもらいました。
「平日と休日で人の流れが全然違うので、できるだけ平日に旅行するのがおすすめ。特に『大人の休日倶楽部パス』は平日発売のものが多いですし、混雑も少なくてゆったり旅を楽しめます。あと、事前に会員誌で特典施設をチェックしておくと、思わぬ割引に出会えますよ」
また、通常のきっぷ購入だけでなく、JR東日本が提供する「えきねっと」というオンラインサービスと連携させると、インターネットで予約・購入した切符にも会員割引が適用されます。
「スマホが苦手な私でも使えるようになりました。家でじっくり旅行計画を立てて、座席も選べるので便利です」と話すのは、新潟の山田さん(66歳)。
人生を変える出会いの場としての大人の休日倶楽部
単なる割引サービスに留まらない大人の休日倶楽部の魅力は、新たな出会いや交流にもあります。会員限定のツアーやイベントを通じて、同世代の旅好きとの交流が生まれることも。
「夫と死別して5年、なかなか外出する気になれませんでした」と語るのは福島県の佐々木さん(68歳)。「でも、友人に誘われて大人の休日倶楽部に入会し、会員向けの『北海道ガーデン巡りツアー』に参加したのが転機になりました。同じツアーで知り合った仲間と今では定期的に旅行に出かけるようになり、人生が明るくなりました」
こうした交流は単なる旅の楽しみを超えて、シニア世代の新たなコミュニティ形成にも一役買っています。実際、大人の休日倶楽部をきっかけに結成された旅行サークルもあるのだとか。
まとめ~人生の後半戦を豊かにする「旅のパスポート」~
大人の休日倶楽部は、単なる鉄道の割引サービスを超えて、50代以降の人生を豊かにするツールになり得ます。仕事や家族のために忙しく過ごしてきた日々から一歩踏み出し、自分のための時間を大切にする。そんなライフスタイルを応援してくれるサービスと言えるでしょう。
年会費はかかりますが、旅行好きな方なら数回の利用で元が取れるほどの特典があります。特に定年退職後に旅行の機会が増える方や、趣味として鉄道旅行を楽しみたい方には、入会する価値が十分にあると言えるでしょう。
私自身、取材で全国を巡る中で、大人の休日倶楽部のおかげで人生の新たなステージを楽しんでいる多くの方々に出会ってきました。彼らの生き生きとした表情と豊かな体験談は、このサービスが単なる「お得」を超えた価値を提供していることの証でしょう。