「あの人とは、どうしても合わなかったのよね」
喫茶店で友人とお茶を飲みながら、そんな話になることがあります。60代、70代になっても、人間関係の悩みは尽きないものです。でも、長い人生を振り返ってみると、苦手な人との付き合い方や、恋愛での失敗も含めて、すべてが今の自分を作ってきたのだと感じます。
今日は、O型の女性が人生の中でどのように人間関係を築き、時には距離を置き、そして恋愛を経験してきたのか、いくつかの体験談を交えながらお話しさせていただきます。若い頃の自分を思い出しながら、あるいは今まさに人間関係で悩んでいる方へ、少しでもヒントになれば嬉しいです。
無理に合わせなくていい、という人生の学び
若い頃は、誰とでも仲良くしなければいけないと思っていました。職場でも、ご近所でも、ママ友の集まりでも。でも、50代、60代と年齢を重ねるうちに、「無理に合わせなくていい」という自由を手に入れた方も多いのではないでしょうか。
京都に住む68歳の和子さんは、O型の典型的な性格の持ち主です。若い頃から明るく社交的で、誰とでも話せる人でした。でも、どうしても合わない人がいました。
それは、同じマンションに住む女性でした。会えば必ず他人の噂話をする人で、和子さんはその雰囲気が苦手でした。最初の頃は、「大人だから」と思って我慢して話を聞いていましたが、だんだんと心が疲れていきました。
「ある日、気づいたんです。私、この人と無理に付き合う必要ないんだって」
和子さんは、その女性に会っても、軽く「こんにちは」と挨拶するだけにしました。立ち話に発展しそうになったら、「ちょっと急いでいるので」と言って、穏やかに離れるようにしたのです。
この選択に、最初は罪悪感がありました。「冷たい人だと思われるかしら」「嫌われるかしら」と心配もしました。でも、無理な付き合いをやめたことで、和子さんの心は軽くなりました。そして驚いたことに、他の近所の人たちとの関係はより良くなったのです。
O型女性の「距離の取り方」
O型の女性は、基本的には社交的で温かい性格の持ち主です。でも、嫌いな人や合わない人に対しては、意外なほど明確な態度を取ります。これは、裏表がないとも言えますし、感情に正直とも言えます。
70歳の節子さんは、長年パートで働いていた職場での経験を話してくれました。
「苦手な同僚がいたんです。仕事はできる人だったんですけど、何かにつけて人を見下すような言い方をする人で」
節子さんは、その同僚とは最低限の業務連絡しかしませんでした。お昼休みも一緒に食べず、プライベートな話は一切しませんでした。でも、挨拶だけはきちんとしていました。
「おはようございます、お疲れさまです、は必ず言いました。それだけは、自分のプライドとして」
この「距離の取り方」が、O型女性の特徴かもしれません。完全に無視するのではなく、礼儀は保ちつつも、心の扉は閉ざす。そうすることで、職場や地域での人間関係を壊さずに、自分の心を守ることができるのです。
プライベートを守る大切さ
年齢を重ねると、プライベートの境界線を引くことの大切さがよく分かります。若い頃は、聞かれたら何でも答えていましたが、今は違います。
65歳の美智子さんは、趣味の絵画教室で出会った女性との距離感に悩みました。その女性は、やたらと個人的なことを聞いてくる人でした。
「お子さんはどこに住んでいるの?」「ご主人の職業は?」「マンションは買ったの、借りてるの?」
最初は、「親切な人なのかな」と思って答えていましたが、だんだんと探られているような気がしてきました。そして、自分が話した内容が、他の人に伝わっていることに気づいたのです。
美智子さんは、その女性に対して、「あまりプライベートなことは話したくないタイプなんです」と、はっきり伝えました。相手は少し驚いた様子でしたが、美智子さんは後悔していません。
「60代になって学んだことは、嫌なことは嫌と言っていいんだということ。若い頃は、それができなくて苦しかった」
面白い小話、血液型占いと実際の性格
ここで少し余談ですが、面白い話があります。私の知り合いの80歳になる女性は、60年以上O型だと思って生きてきました。血液型占いを見ては「やっぱりO型っぽいわ」と納得していたそうです。
ところが、70歳の時に大きな手術をすることになり、詳しく検査をしたら、実はA型だったことが判明しました。若い頃の検査が間違っていたのです。
「60年間、私はO型として生きてきたのに!」と驚きつつも、彼女は笑っていました。「でも、性格は変わらないわよね。血液型なんて、あまり関係ないのかもしれない」と。
この話、何が言いたいかというと、血液型で性格を決めつけることはできないということです。でも、「O型らしい」「A型らしい」という言葉が、時には自分を理解する一つのヒントになることもあります。大切なのは、型にはまることではなく、自分らしさを大切にすることなのかもしれません。
冷たくなってしまう瞬間の心の内
O型の女性が、嫌いな人に対して冷たい態度を取る時、その心の中では何が起こっているのでしょうか。
62歳の洋子さんは、こう語ります。
「冷たくしたくてしているわけじゃないんです。でも、この人とは深く関わりたくないという本能が働くんです」
洋子さんは、ある時、夫の友人の奥さんと二人きりになる機会がありました。その女性は、常に自分の自慢話ばかりする人でした。洋子さんは、笑顔で相槌を打ちながらも、心の中では「早く終わらないかな」と思っていました。
表情も自然と硬くなり、相手の目を見ることもできなくなりました。相手がそれに気づいたのか、会話は早めに終わりました。
後から振り返って、洋子さんは少し反省しました。「もう少し優しくできたかもしれない」と。でも同時に、「無理に仲良くする必要もない」とも思いました。
この矛盾した感情は、多くの女性が経験していることではないでしょうか。優しくありたいけれど、自分の心も守りたい。その間で揺れ動く気持ちは、何歳になっても変わらないものです。
恋愛における一途さと後悔
さて、人間関係の話から、恋愛の話に移りましょう。O型の女性は、恋愛においても、その性格が色濃く出ます。
73歳になる文子さんは、今でも思い出す初恋の話をしてくれました。
「高校生の時、同じクラスの男の子が好きでした。でも、私はただ遠くから見ているだけで、何も言えなかった」
文子さんは、その男の子が他の女の子と話しているのを見るだけで、胸が締め付けられました。でも、自分からは何もできませんでした。ただ、クラスで何か困ったことがあれば、さりげなく助けるようにしていました。
「彼が忘れ物をした時は、自分のノートを貸したり。掃除当番の時は、彼の机の周りも綺麗にしたり。小さなことですけどね」
結局、文子さんはその気持ちを伝えることなく卒業しました。何十年も経った今、後悔はあるのかと尋ねると、文子さんは微笑みました。
「後悔というよりも、いい思い出です。あの頃の純粋な気持ちを忘れずにいられることが、私の宝物なんです」
そして文子さんは、20代で出会った今の夫と結婚しました。「初恋の人とは違うタイプだったけど、この人と一緒にいると安心したんです」と、照れくさそうに語ります。
苦手だった人を好きになった不思議
人生には、予想外の展開があります。最初は苦手だと思っていた人を、好きになってしまうこともあるのです。
66歳の恵子さんは、40代の頃の職場恋愛を懐かしそうに話してくれました。
「最初は、本当に苦手な人だったんです。仕事に厳しくて、私のミスを容赦なく指摘する上司で」
恵子さんは、その上司と二人きりになると、緊張して言葉が出なくなりました。冷たい態度を取ってしまうこともありました。でも、ある日、残業で遅くなった時、その上司が「お疲れ様。気をつけて帰ってね」と優しく声をかけてくれました。
それから、恵子さんは上司の別の面を見るようになりました。厳しいけれど、部下のことを本当に考えてくれる人。不器用だけど、優しい人。
「気づいたら、好きになっていました。50歳手前で、まさかこんな気持ちになるとは思いませんでした」
恵子さんは、勇気を出して食事に誘い、そこで自分の気持ちを伝えました。相手も同じ気持ちだったことが分かり、二人は交際を始めました。
「人を見かけだけで判断してはいけない。最初の印象だけで決めつけてはいけない。それを、50歳近くになってやっと学びました」
恵子さんは、結局その方とは結婚しませんでしたが、今でも大切な思い出として心に残っていると言います。
友人関係の変化と寂しさ
年齢を重ねると、友人関係も変化していきます。若い頃は何でも話せた友人とも、だんだんと疎遠になることがあります。
71歳の千代さんは、長年の友人との関係が変わった経験を語ってくれました。
「5人グループで、よく旅行に行っていたんです。でも、そのうちの一人が、だんだんと愚痴ばかり言うようになって」
最初は、「大変なんだな」と思って聞いていました。でも、会うたびに同じ愚痴の繰り返し。アドバイスをしても聞き入れず、ただ誰かに不満をぶつけたいだけのように見えました。
千代さんは、グループでの集まりに参加する回数を減らしました。「体調が悪くて」「用事があって」と理由をつけて。完全に関係を切ったわけではありませんが、距離を置くようになりました。
「少し寂しさもありました。長い付き合いだったから。でも、自分の心の平穏を守ることも大切だと気づいたんです」
他の友人たちとは、今でも定期的に会っています。ただ、あの一人とは、会う頻度が減りました。これも、人生の選択の一つなのでしょう。
相手の立場を想像する余裕
年齢を重ねると、相手の立場を想像する余裕が出てきます。若い頃は、「嫌いだから避ける」という単純な判断でしたが、今は「なぜこの人はこういう行動をするのだろう」と考えられるようになります。
69歳の春子さんは、苦手だった義理の姉との関係が、最近変わったと言います。
「義姉は、いつも私に口出しをする人でした。子育ての仕方、家事のやり方、何もかも。正直、とても嫌でした」
春子さんは、義姉と会うたびにストレスを感じ、できるだけ距離を置いていました。でも、義姉が70代後半になり、少し弱ってきた姿を見て、春子さんの心に変化が生まれました。
「この人も、寂しかったんだろうなって。自分の意見を言うことで、誰かとつながっていたかったんだろうなって」
それからは、義姉の言葉を以前ほど気にしなくなりました。「そうね」と軽く受け流し、でも優しく接するようにしました。関係が劇的に良くなったわけではありませんが、以前のような拒絶感はなくなりました。
今だからできる、自分らしい人間関係
60代、70代になると、残された時間を意識するようになります。だからこそ、大切な人との時間を大切にしたいと思うようになります。
64歳の光子さんは、こう語ります。
「もう、嫌いな人と無理に付き合う時間はもったいない。好きな人、大切な人と、楽しい時間を過ごしたいんです」
光子さんは、地域のボランティア活動で出会った仲間たちと、毎週お茶会を開いています。気の合う人たちとの時間は、何よりも心が温まると言います。
一方で、合わない人とは、適度な距離を保っています。冷たくするわけではなく、礼儀正しく接しつつも、深入りはしない。この距離感が、今の光子さんには心地よいのです。
若い世代へ伝えたいこと
人生80年、90年の時代です。長い人生の中で、すべての人と仲良くすることは不可能です。合わない人がいて当然ですし、距離を置くことも必要です。
でも、忘れないでほしいのは、「礼儀と尊重」です。嫌いだからといって、相手を傷つける必要はありません。挨拶をする、最低限の礼儀を守る。それだけで、人間関係のトラブルの多くは避けられます。
そして、人は変わります。今は苦手だと思っている人が、将来大切な存在になることもあります。逆に、今は大好きな人と、疎遠になることもあります。それが人生です。
O型だから、A型だから、という決めつけではなく、一人ひとりの個性を大切にしながら、自分らしい人間関係を築いていってほしいと思います。