シニアからのはるめくせかい

年齢を重ねた今だからこそときめきはるめく!毎日が楽しくなるシニアのための悠々自適生活応援マガジンです

60代以上の親が知るべき子どもへの過干渉がもたらす恋愛破綻

お子さんはもう社会人として立派に働いている。でも、親としての心配は尽きないものですよね。「ちゃんと食べているかしら」「体調を崩していないかしら」「変な人と付き合っていないかしら」...そんな思いから、つい口を出してしまう。連絡を頻繁に取りたくなる。それは親として当然の愛情だと、私も思います。

でも、その愛情が時として、お子さんの大切な恋愛や結婚の妨げになっていることがあるのです。

私のところには、実は多くの若いカップルから「彼の親が...」「彼女の親が...」という相談が寄せられます。そして、その親御さんの年代はちょうど60代から70代。つまり、あなたと同じ世代の方々なのです。

今日は、少し耳の痛い話かもしれませんが、親の愛情が時として「過保護」「過干渉」となり、お子さんの幸せを奪ってしまうことについて、お話しさせてください。これは決して親御さんを責める話ではありません。むしろ、お子さんの本当の幸せを願うからこそ、知っておいていただきたい大切なお話です。

親心と過干渉の境界線はどこにあるのか

「子どもが心配で仕方がない」という気持ち、よく分かります。特に一人息子だったり、末っ子だったり、あるいは体が弱かった子だったりすると、親としての心配は人一倍ですよね。

私の知り合いに、70歳になる女性がいます。彼女には35歳の息子がいるのですが、毎日のように息子に電話をかけ、「今日は何を食べたの?」「仕事は順調?」「体調は大丈夫?」と確認していました。息子さんも最初は優しく応対していたそうですが、ある日、彼女は息子の彼女から直接言われたそうです。「お母様、彼は私といる時も、お母様からの電話に出ないと落ち着かない様子なんです。デート中も、携帯が鳴るたびにビクッとして。正直、私は彼とお母様、どちらとデートしているのか分からなくなります」と。

彼女はその時、初めて気づいたそうです。自分の「心配」が、息子の恋愛を邪魔していたことに。そして何より、息子が「母親を安心させなければ」というプレッシャーで、自分の人生を生きられていなかったことに。

親心と過干渉の境界線。それは、「子どもの選択を尊重できるかどうか」にあります。心配するのは親として当然です。でも、その心配を理由に、子どもの選択や行動を制限したり、変更させたりしようとした時、それは「過干渉」になってしまうのです。

こんな行動、していませんか?

ご自身の行動を、少し振り返ってみてください。以下のような行動に心当たりはありませんか?

息子さんや娘さんが恋人と出かける時、「何時に帰ってくるの?」「どこに行くの?」「誰と会うの?」と細かく聞いていませんか?もう30歳、40歳になったお子さんに対しても、門限を設けていませんか?

お子さんの交際相手について、「学歴は?」「勤め先は?」「ご実家はどちらですか?」と調査するように質問していませんか?そして、自分の基準に合わない相手だと分かった時、「あなたにはもっとふさわしい人がいる」と反対していませんか?

お子さんが独立して一人暮らしをしていても、毎日のように様子を見に行ったり、勝手に部屋を掃除したり、冷蔵庫を確認したりしていませんか?

これらは一見、親の愛情から来る行動に見えます。そして実際、愛情から来ているのだと思います。でも、お子さんにとって、そして何よりお子さんの恋人にとって、これらの行動がどう映っているか、考えたことはありますか?

恋人から見た「過保護な親」の現実

ある30代の女性から、こんな話を聞きました。

彼女の彼氏は38歳の会社員でした。二人で初めての旅行を計画した時のことです。彼が「実は母親に旅行のことを話したら、ホテルを取り直してくれたんだ」と言ったそうです。彼女が選んだビジネスホテルではなく、彼の母親が「息子にはこちらの方がふさわしい」と判断した高級旅館に、勝手に予約を変更していたのです。

さらに、旅行の日程まで変更されていました。彼の親戚の法事の予定が入ったからという理由で。でも、その日程変更により、彼女の仕事の都合がつかなくなってしまいました。

彼女が「お母様に、私たちで決めたいと伝えてもらえない?」と頼むと、彼は困った顔で「母が良かれと思ってやってくれたことだから...怒らせたくない」と言ったそうです。

彼女は、その時に悟ったそうです。「この人と結婚しても、一生、義母の意向に従って生きていくことになる」と。そして、どんなに彼のことが好きでも、この関係は続けられないと判断し、別れを告げました。

38歳の息子の旅行の予約を勝手に変更する母親。そして、それに逆らえない息子。この関係は、明らかに異常です。でも、当の母親は「息子のため」と思ってやっているのです。

ここで少し余談ですが、昭和の時代には「マザコン」という言葉が流行しましたよね。母親を大切にする息子のことを、やや揶揄する意味で使われていました。でも最近では「マザコン」という言葉はあまり使われず、代わりに「親離れできていない」「自立していない」という表現が使われます。これは、問題が息子側だけでなく、親側にもあるという認識が広がったからなんです。つまり、母親が息子を手放せていない「子離れできていない」状態も、問題として認識されるようになったのです。

スマホを監視する、GPSで居場所を確認する

もっと深刻なケースもあります。ある60代の母親は、息子のスマートフォンにGPSアプリを入れて、常に居場所を確認していました。息子が28歳の社会人であるにも関わらず、です。

息子に彼女ができたことを知った母親は、二人のLINEのやり取りまでチェックするようになりました。そして、気に入らないメッセージがあると、息子に「あの子はやめておきなさい」と言うのです。

最終的に、母親は息子のスマホに厳重なロックをかけ、使用制限まで設定しました。息子と彼女が連絡を取れるのは、仕事の休憩時間だけになってしまったのです。

この話を聞いて、あなたはどう思いますか?「そこまでする親がいるの?」と驚くかもしれません。でも、実際にこういうケースは存在するのです。そして、その親御さんたちは、「息子を変な女から守っている」と本気で思っているのです。

でも、考えてみてください。28歳の成人男性のスマホを管理し、GPSで監視し、恋人との連絡を制限する。これは「守る」という行為でしょうか?それとも「支配」でしょうか?

結婚後も続く介入がもたらす悲劇

過保護・過干渉の問題は、お子さんが結婚した後も続くことがあります。いえ、むしろ結婚後の方が深刻になることもあるのです。

ある70代の女性は、息子夫婦の新居選びに毎回同行しました。不動産屋での物件見学に、息子夫婦の意向を無視して口を出し続けたそうです。「この間取りでは孫が育てられない」「日当たりが悪い」「もっと駅に近い方がいい」...

最終的に、息子夫婦が選んだ物件ではなく、この母親の実家から徒歩5分のマンションに決まってしまいました。息子が「僕たちはもう少し考えたい」と言うと、母親は涙を流して「私のことが心配じゃないの?親不孝だ」と訴えたそうです。

結婚式の準備でも、招待客のリスト、式場の選択、披露宴の内容まで、すべてに口を出しました。お嫁さんは、結婚生活が始まる前から疲弊してしまい、婚約破棄を真剣に考えたそうです。

この母親は、決して悪意があったわけではありません。息子の幸せを願い、孫の誕生を心待ちにし、息子夫婦が快適に暮らせるようにと思っての行動でした。でも、その「善意」が、息子の結婚生活を壊しかけたのです。

なぜ親は過保護・過干渉になってしまうのか

ここまで読んで、「でも、子どもが心配なのは親として当然じゃないか」と思われるかもしれません。その通りです。親が子を心配するのは、当然のことです。

でも、なぜその心配が「過保護」「過干渉」という形になってしまうのでしょうか。

一つには、「親の役割」への執着があります。子どもが小さい頃、あなたは子どもの世話をし、守り、導くことで、親としての役割を果たしてきました。それは誇らしいことであり、あなたのアイデンティティの大きな部分を占めていたはずです。

でも、子どもが成長し、独立していくと、その役割は徐々に薄れていきます。子どもは親の助けを必要としなくなり、自分で決断し、自分の人生を歩んでいきます。

この時、親は無意識のうちに「自分の役割が奪われる」という不安を感じます。そして、その不安を解消するために、子どもに対して「まだ私が必要だ」と示そうとするのです。それが、過保護や過干渉という形になって現れます。

もう一つには、「孤独への恐怖」があります。お子さんが独立し、配偶者との関係も変化していく中で、親は孤独を感じることがあります。特に、子育てに人生の大部分を費やしてきた方にとって、子どもが離れていくことは、大きな喪失感をもたらします。

その孤独を埋めるために、子どもとの関係を維持しようとする。毎日連絡を取り、頻繁に会おうとし、子どもの生活に関わり続けようとする。それが過干渉につながっていくのです。

そして、「自分の人生の後悔」を投影していることもあります。「私はこういう結婚をして後悔した」「もっと学歴のある人と結婚すればよかった」「もっと安定した生活がしたかった」...そんな自分の後悔を、子どもには味わってほしくないという思いから、子どもの選択に口を出してしまうのです。

でも、それは結局、あなたの人生の価値観を子どもに押し付けているだけなのです。お子さんには、お子さん自身の人生があり、価値観があり、幸せの形があります。

お子さんを本当に幸せにするために

では、親としてどうすればいいのでしょうか。お子さんの幸せを願う気持ちを持ちながら、過保護や過干渉にならないためには、何が必要でしょうか。

まず、お子さんを一人の大人として尊重することです。もう子どもではありません。社会人として働き、税金を払い、自分の人生に責任を持っている一人の大人なのです。

あなたがお子さんと同じ年齢の頃を思い出してください。あなたは親から毎日のように連絡を受けたり、行動を監視されたり、恋人について細かく報告を求められたりしましたか?おそらく、もっと自由に生きていたのではないでしょうか。

時代が違うと言われるかもしれません。でも、本質は同じです。大人には、自分の人生を自分で決める権利があるのです。

次に、お子さんの選択を信じることです。あなたはお子さんを立派に育てました。その教育の成果を信じてください。お子さんは、あなたが教えた価値観や判断力を持って、自分で適切な選択ができるはずです。

もし、お子さんの選択が気に入らなくても、まずは黙って見守ってください。たとえ失敗したとしても、それはお子さん自身の学びになります。そして、本当に困った時には、あなたのところに助けを求めてくるでしょう。その時に、初めて手を差し伸べればいいのです。

そして、お子さんの恋人や配偶者を尊重することです。お子さんが選んだパートナーは、お子さんにとって大切な人です。学歴や職業、家柄がどうであれ、お子さんがその人を愛しているという事実を尊重してください。

あなたの基準に合わなくても、お子さんにとっては最高のパートナーなのかもしれません。それを否定することは、お子さん自身を否定することにもつながります。