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パートナーとの関係に変化を感じたら|シニアが知っておきたい心の距離のサイン

人生の長い道のりを共に歩んできたパートナー。でも、ふとした瞬間に「あれ、最近少し様子が違うな」と感じることはありませんか。長年連れ添った夫婦でも、再婚や新しいパートナーシップを築いている方でも、相手の心の変化に気づくことは、関係を大切に保つために重要なことです。

今日は、シニアの皆さんに向けて、パートナーとの関係性に変化が起きているときのサインについて、優しくお話ししていきたいと思います。年齢を重ねたからこそ分かる、人との向き合い方のヒントになれば嬉しいです。

まず、最も分かりやすいサインの一つが、コミュニケーションの変化です。以前はよく電話をくれたパートナーが、最近めっきり連絡が減った。LINEやメールの返事が遅くなった、あるいは短くなった。こういった変化は、何かしら心の中で起きている変化のサインかもしれません。

私の知り合いで、70代の男性がいます。再婚して5年ほど経った頃、奥さんからの朝の「おはよう」メールが来なくなったことに気づきました。些細なことのように思えますが、毎朝の習慣だったものが突然なくなると、心に小さな穴が開いたような気持ちになったそうです。

心理学の世界では、コミュニケーションの回避は関係が変化している典型的な前兆だと言われています。ただ、シニアの場合は、健康上の理由や生活リズムの変化も考えられますから、すぐに悪い方向に考えすぎないことも大切です。

次に、一緒に過ごす時間の優先順位が変わってくることがあります。以前は二人で散歩に行ったり、一緒に買い物に行ったりしていたのに、最近は「友達と出かけるから」「趣味の集まりがあるから」と、別々の時間が増えた。これも、関係性の変化を示すサインの一つです。

ここで少し面白い話を。私の母の友人で、80代の女性がいるのですが、この方は毎週金曜日に必ず夫と映画を観に行く習慣がありました。ところがある日、夫が「今日は囲碁の会があるから」と言って出かけてしまった。その時の彼女の顔を見て、私の母は「あ、何か変わってきたんだな」と感じたそうです。ちなみに、この夫婦は結局話し合って、隔週で映画に行くことにしたそうで、今も仲良く暮らしています。時には新しいバランスを見つけることも必要なんですね。

会話の質の変化も見逃せません。以前は食事の時間に今日あったことを話し合ったり、テレビを見ながら感想を言い合ったりしていたのに、最近は黙って食事をする時間が増えた。「うん」「そう」といった短い返事ばかりになった。こういった変化は、心の距離が広がっているサインかもしれません。

恋愛心理学では、情熱の低下は言葉だけでなく、表情やアイコンタクトにも現れると言われています。相手が話しているときに目を合わせなくなった、笑顔が減った、こういった非言語的なサインも大切な情報です。

シニアの場合、特に注意したいのが「自由」や「一人の時間」を強調する発言です。「もう少し一人でゆっくりしたい」「自分のペースで生活したい」といった言葉が増えてきたら、何か心の中で変化が起きているのかもしれません。

ある60代の女性の話を聞いたことがあります。夫が定年退職してから、一日中家にいるようになりました。最初は嬉しかったのですが、だんだんと自分の時間がなくなっていくことに息苦しさを感じ始めたそうです。そして、つい「たまには一人にして」と言ってしまった。夫は傷ついた顔をしていたそうですが、後で二人で話し合って、お互いの時間を尊重し合うルールを作ったとのことでした。

長年一緒にいると、相手の変化に気づきにくくなることもあります。でも、小さなギャップに気づくことは大切です。例えば、いつもは優しい言葉をかけてくれるパートナーが、最近はそっけない。以前は甘えてきたのに、最近は距離を置いている。こういったギャップが消えてきたら、何か心に変化が起きているサインです。

SNSやインターネットの使い方にも変化が現れることがあります。シニアの方々もスマホを使う時代ですから、FacebookやInstagramに一緒の写真を投稿していたのに、最近は個人的な投稿ばかりになった、なんてこともあるかもしれません。

脳科学の観点から見ると、恋愛の初期にはドーパミンという幸せホルモンがたくさん出るそうです。でも、時間が経つにつれて減少していく。だから、行動の熱量が落ちていくのは自然なことでもあるんです。ただ、急激な変化には注意が必要です。

将来の話を避けるようになることも、一つのサインです。以前は「来年の春には孫と一緒に旅行しよう」とか「この先どこに住もうか」なんて話していたのに、最近はそういった未来の話題を避ける。「その時になったら考えよう」「分からない」といった曖昧な返事が増える。これは、一緒の未来を描きにくくなっているサインかもしれません。

では、こういったサインに気づいたとき、私たちはどうすればいいのでしょうか。

まず、慌てないこと。シニアの年齢になると、体調の変化や気分の波も大きくなります。単に疲れているだけかもしれませんし、何か心配事を抱えているだけかもしれません。

そして、優しく声をかけてみること。「最近、何か悩んでる?」「体調は大丈夫?」といった、相手を気遣う言葉から始めてみましょう。責めるような言い方ではなく、心配しているという気持ちを伝えることが大切です。

ある70代の夫婦の話があります。夫が最近、妻との会話を避けるようになりました。妻は不安になりましたが、ある日思い切って「あなた、最近元気ないけど、何かあった?」と聞いてみたそうです。すると夫は、実は健康診断で再検査になり、それが心配で気持ちが沈んでいたことを打ち明けました。妻は「なんだ、そういうことだったの。一緒に病院に行こう」と言い、二人で乗り越えることができたそうです。

時には、お互いの時間を尊重することも必要です。長年一緒にいると、つい相手と常に一緒にいることが当たり前になりがちです。でも、人間には一人の時間も必要です。相手が「一人の時間が欲しい」と言ったら、それを否定せず、「わかった、大切にしてね」と受け入れる寛容さも大切です。

ある65歳の女性は、夫に「毎週土曜日は一人で図書館に行きたい」と言われました。最初はショックでしたが、よく考えてみると、自分も月に一度は友達とランチに行く時間を楽しんでいることに気づきました。お互いに自由な時間があることで、かえって一緒にいる時間が新鮮になったそうです。

関係を修復するためには、新しい刺激を取り入れることも効果的です。いつもと違う場所に出かける、新しい趣味を一緒に始める、昔を思い出すような場所を訪れる。こういった新鮮な体験が、関係に活力を与えてくれることがあります。

ある夫婦は、結婚40周年を機に、初めてのデートで行った喫茶店を訪れました。店はもうありませんでしたが、その場所に立って昔を思い出しながら話をしたことで、二人の気持ちが再び近づいたそうです。

でも、時には関係が終わりに向かっていることもあります。それを認めることも、勇気ある選択です。シニアになってから別れを選ぶことは、決して恥ずかしいことではありません。お互いの幸せを考えた結果であれば、それも一つの答えです。

ある60代の女性は、再婚して3年後、お互いの価値観の違いから別れることを選びました。周りは驚きましたが、彼女は「この年になって、我慢して一緒にいるより、自分らしく生きたい」と言いました。今は一人暮らしを楽しんでいるそうです。

大切なのは、相手の変化のサインに気づいたら、それを無視せずに向き合うことです。長年連れ添った相手でも、人の心は変化します。それは自然なことです。

そして、話し合うこと。シニアの年齢になると、「今さら話し合っても」と思うかもしれません。でも、何歳になっても、コミュニケーションは関係の基本です。

「最近、あなたが遠く感じる」「私たちの関係、どう思ってる?」素直な気持ちを伝えることから始めてみましょう。相手も同じように感じているかもしれません。

ある80代の夫婦は、結婚50年を過ぎてから初めて、本当にお互いのことを話し合ったそうです。「実は長年、こう感じていた」「私もそう思っていた」そんな会話を通じて、お互いをより深く理解することができたと言います。

人生の晩年になっても、パートナーとの関係は大切です。残された時間を、できるだけ穏やかに、できるだけ心地よく過ごしたい。そのためには、相手の心の変化に敏感でいること、そして、変化に気づいたら勇気を持って向き合うことが必要です。

サインは、必ずしも悪いことを意味するわけではありません。時には、関係が新しい段階に入る準備のサインかもしれません。お互いをより理解し合い、より良い関係を築くためのきっかけになることもあります。