シニアからのはるめくせかい

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「天恩日(てんおんにち)」という縁起の良い日にすべきこと

人生70年、80年と歩んでこられた皆さまには、きっと様々な節目の日があったことでしょう。お子さんの誕生日、入学式、結婚式。そしてお孫さんが生まれた日。そんな大切な日々を重ねてこられた今だからこそ、「良い日を選ぶ」ということの意味が、若い頃よりもずっと深く心に響くのではないでしょうか。

今日は「天恩日(てんおんにち)」という、とても縁起の良い日についてお話しさせていただきます。もしかしたら初めて耳にする言葉かもしれませんし、あるいは昔、親御さんから聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。

天恩日とは、簡単に言えば「天からの恩恵を受ける日」とされる吉日です。この日は万事に対して縁起が良く、特に結婚式や入籍といった人生の大きな節目だけでなく、新しいことを始めるのに最適な日とされています。「天の恩恵」という言葉の響き、なんだか温かくて優しい気持ちになりませんか。

私がこの天恩日について皆さまにお伝えしたいと思ったのは、ある70代の女性との出会いがきっかけでした。

彼女は夫を5年前に亡くし、一人暮らしをされていました。お子さんたちは遠方に住んでいて、年に数回しか会えない。そんな中、彼女は地域のサークル活動で同年代の男性と知り合い、お互いに惹かれ合うようになったそうです。でも「この歳で再婚なんて」という周囲の目や、「亡くなった夫に申し訳ない」という気持ちが交錯して、なかなか一歩を踏み出せずにいました。

そんな時、彼女は偶然、暦の本で天恩日のことを知ったんです。「天の恩恵を受ける日」という言葉に、彼女は何か運命的なものを感じたと言います。「もしかしたら、亡くなった夫も天から私たちを見守って、祝福してくれているのかもしれない」と思えたそうです。

彼女は天恩日に籍を入れることを決めました。役所に二人で行く朝、空は清々しく晴れ渡っていて、まるで天が本当に祝福してくれているような気がしたと、後で嬉しそうに話してくれました。今では二人で楽しく暮らしていらっしゃいます。

この話を聞いた時、私は天恩日というものが、単なる迷信や縁起担ぎではなく、人生の新しい一歩を踏み出す「勇気」や「決断」を後押ししてくれる存在なのだと理解しました。特に、長い人生を歩んでこられた皆さまにとって、「天の恩恵」という言葉は特別な意味を持つのではないでしょうか。

天恩日の大きな特徴は、一度訪れると5日間連続して天恩日が続くということです。大安が月に5〜6回程度なのと比べると、5日間も続くというのは本当にありがたいことですよね。予定が立てやすく、体調や天候を見ながら最適な日を選ぶことができます。

これは特に、私たちシニア世代にとって嬉しい特徴だと思うんです。というのも、若い頃のように無理がきかなくなってきていますから、「この日しかない」という状況だと、体調が優れなくても頑張らなければならない。でも5日間の中から選べるなら、ゆとりを持って準備ができますよね。

お孫さんの結婚式の日取りを相談された時にも、天恩日は役立ちます。「おじいちゃん、おばあちゃん、いつが良い日か教えて」と聞かれた時、「天恩日という、とても縁起の良い日があるのよ」と教えてあげられたら、きっとお孫さんも喜んでくれるはずです。若い人たちは、こうした伝統的な暦の知識を持っていないことも多いですから、人生の先輩としての知恵を授けるチャンスでもあります。

天恩日は年間を通じて何度か訪れます。大体2ヶ月に一度くらいの頻度でしょうか。ですから、計画を立てやすいというメリットがあります。ただし、他の吉日と重なることも多いため、結婚式場や写真スタジオなどは予約が集中する傾向にあります。お孫さんの結婚式の日取りを考える時には、早めに動くことをお勧めします。

ここで、少し面白い話をさせてください。私の知人の知人という、ちょっと遠い関係なんですが、80歳になる男性の話です。彼は定年退職後、ずっと「何か新しいことを始めたい」と思っていたそうです。でも「もうこの歳だし」「今更始めても」という気持ちもあって、なかなか一歩を踏み出せずにいました。

そんなある日、新聞のコラムで天恩日のことを知りました。そして思ったそうです。「天の恩恵を受ける日があるなら、この日に始めてみよう」と。彼が選んだのは、なんと「油絵」でした。若い頃から絵を描くのが好きだったけれど、仕事が忙しくて諦めていたんです。

天恩日の朝、彼は画材屋さんに行って、キャンバスと絵の具を買いました。家に帰って、最初の一筆を入れる時、手が少し震えたそうです。でも「今日は天恩日だから、きっと良いスタートが切れる」と自分に言い聞かせて、思い切って描き始めました。

それから5年。今では地域の公民館で個展を開くまでになったんです。「あの時、天恩日というものを知って、勇気を出して始めて良かった。人生に遅すぎるということはないんだと実感した」と彼は語っていました。

この話、私は大好きなんです。天恩日は結婚や入籍だけではなく、人生のどんな新しいスタートにも使える吉日なんだということを教えてくれますから。

考えてみれば、私たちシニア世代は、これからも様々な「始まり」があります。趣味を始める、習い事を始める、引っ越しをする、断捨離を始める、健康のためにウォーキングを始める。あるいは、昔諦めた夢にもう一度挑戦する。そんな時、天恩日を選ぶことで、自分自身に「よし、やるぞ」という気持ちを与えることができるんです。

私がシニアの皆さまに特にお伝えしたいのは、天恩日を「家族の絆を深める日」として活用するという視点です。

例えば、お子さんやお孫さんと一緒に、天恩日について調べてみる。「この日は天の恩恵を受ける日なんだって」「へえ、そんな日があるんだ」という会話が生まれます。そこから「おじいちゃんの時代は、こういう吉日をすごく大切にしていたんだよ」という昔話に花が咲くかもしれません。

あるいは、天恩日に家族写真を撮る。孫が生まれた、ひ孫が生まれた、そんな時に天恩日を選んで記念写真を撮れば、その写真は特別な意味を持つようになります。「この写真は天恩日に撮ったんだよ」と後で説明できたら、素敵じゃありませんか。

私の友人で75歳の女性がいます。彼女は3年前から、毎回の天恩日に日記をつけるようにしているそうです。その日に何をしたか、誰と会ったか、どんな気持ちだったか。そして「天に感謝すること」を必ず一つ書くようにしているんだそうです。

最初は「そんなこと思いつかないわよ」と思ったそうですが、意識して考えてみると、感謝することはたくさんあることに気づいたと言います。「今日も健康で過ごせた」「美味しいご飯を食べられた」「孫から電話があった」「庭の花が咲いた」。小さなことかもしれないけれど、それらすべてが「天の恩恵」なんだと思えるようになったそうです。

そして、この日記を読み返すことで、自分がどれだけ恵まれているかを実感できるようになったと言います。年を重ねると、どうしても「できないこと」「失ったもの」に目が行きがちです。でも天恩日の日記を通じて、「今あるもの」「できること」に感謝する心が育まれたんですね。

天恩日は、私たちシニア世代に「人生はまだまだこれから」というメッセージを送ってくれているような気がします。天からの恩恵は、若い人だけに降り注ぐものではありません。長い人生を歩んできた私たちにも、等しく注がれているんです。

実際に天恩日を調べて活用する方法についても、お話ししておきましょう。

インターネットが使える方は、「天恩日 カレンダー」と検索すれば、今年の天恩日がいつなのか簡単に調べられます。パソコンやスマートフォンが苦手な方は、書店で「暦」の本を買うと良いでしょう。最近は見やすくて分かりやすい暦の本がたくさん出ています。

あるいは、お子さんやお孫さんに「天恩日っていつか調べてくれない?」とお願いするのも良いコミュニケーションになります。若い人たちは、こうした伝統的な知識に興味を持っていることも多いんですよ。ただ、きっかけがなくて調べていないだけ。あなたからの一言が、家族みんなで吉日を意識するきっかけになるかもしれません。

天恩日が分かったら、カレンダーに印をつけておきましょう。赤い丸をつけるだけでも良いですし、「天恩日」とメモ書きしても良いですね。そうすると、その日が近づいてきた時に「あ、もうすぐ天恩日だわ」と意識できます。

その日に何をするかは、あなた次第です。大きなことでなくても構いません。新しい本を読み始める、ずっと会っていなかった友人に電話をする、お墓参りに行く、孫に手紙を書く。どんな小さなことでも、「天恩日に始めた」という意識を持つことで、その行為に特別な意味が生まれます。

私が特にお勧めしたいのは、天恩日に「健康のための何か」を始めることです。例えば、朝の散歩を始める、ラジオ体操を始める、減塩を始める、禁煙を始める。健康は私たちシニア世代にとって最も大切なものの一つですよね。その健康のための取り組みを、天恩日に始めることで、「天が私の健康を応援してくれている」という前向きな気持ちになれます。

ある男性は、天恩日に「毎日1万歩歩く」ことを始めました。最初は続くか不安だったそうですが、「天恩日に始めたんだから」という思いが支えになって、3年間続けることができたそうです。今では体重も減り、血圧も安定して、主治医の先生からも褒められるほど健康になったと喜んでいました。

また、天恩日は人間関係を修復するのにも良い日だと言われています。長い人生の中では、時に人と疎遠になってしまうこともあります。昔の友人、兄弟姉妹、親戚。何かのきっかけで距離ができてしまったけれど、本当は仲直りしたいという気持ちがある。そんな時、天恩日を選んで連絡を取ってみるのはいかがでしょうか。

「久しぶり。今日は天恩日っていう縁起の良い日なんだって。だから連絡してみたの」という一言から、会話が始まるかもしれません。天恩日という話題が、気まずさを和らげるクッションになってくれることもあるんです。

私の知り合いで、10年以上疎遠だった妹さんと、天恩日に再会した女性がいます。若い頃の小さな行き違いがきっかけで、お互いに連絡を取らなくなってしまっていたそうです。でも年齢を重ねるうちに、「人生は有限なんだ。このまま疎遠のままで良いのだろうか」という思いが強くなってきました。

そんな時、天恩日のことを知り、「この日に妹に会いに行こう」と決意したんです。最初は断られるかもしれないという不安もありました。でも思い切って電話をかけて、「今日は天恩日っていう良い日だから、久しぶりに会えないかしら」と伝えたそうです。

妹さんは驚いたようでしたが、その日の午後に近くの喫茶店で会うことになりました。10年ぶりの再会。最初は少しぎこちなかったけれど、お互いにこの10年間のことを話すうちに、昔の姉妹の関係が戻ってきたそうです。そして二人とも、「もっと早く会えば良かった」と涙を流したと言います。

今では月に一度は会って、一緒に旅行にも行く仲になりました。「あの時、天恩日という言葉に背中を押されなければ、一生このままだったかもしれない」と、彼女は感慨深げに話していました。

天恩日は、私たちに「行動する勇気」を与えてくれます。「やろうかな、でもどうしようかな」と迷っている時、「天恩日だから」という理由は、決断を後押ししてくれる強い味方になるんです。

さて、天恩日と他の吉日を組み合わせるという考え方もあります。天恩日と大安が重なる日、天恩日と一粒万倍日が重なる日など、複数の吉日が重なる日は特に縁起が良いとされています。

ただ、私はシニアの皆さまには、あまり難しく考えすぎないでほしいと思っています。吉日を調べることに時間をかけすぎて、肝心の「何をしたいか」という目的を見失ってしまっては本末転倒です。天恩日という存在を知って、それを一つの目安として活用する。それくらいのゆるやかな付き合い方で十分だと思うんです。

むしろ大切なのは、天恩日を通じて「前向きな気持ち」を持つことではないでしょうか。「天が私を応援してくれている」「天からの恩恵を受けている」と思えることで、日々の生活に感謝の心が生まれ、新しいことに挑戦する勇気が湧いてくる。それが天恩日の本当の意味なのだと、私は考えています。

人生80年、90年と長く生きる時代になりました。定年退職後の人生が、現役時代と同じくらい、あるいはそれ以上に長いという方も多いでしょう。その長いセカンドライフを、どう過ごすか。天恩日という考え方は、その問いに対する一つの答えを示してくれているように思います。

つまり、年齢に関係なく、いつでも新しいスタートは切れるということ。天の恩恵は、すべての人に平等に注がれているということ。そして、その恩恵に感謝しながら、残された人生を精一杯生きることの大切さ。

お孫さんの成長を見守ること、趣味を楽しむこと、健康を維持すること、友人や家族との時間を大切にすること。そうした日々の一つ一つが、実は天からの恩恵なのかもしれません。天恩日は、そのことを思い出させてくれる特別な日なんです。