シニアからのはるめくせかい

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「アイコン」や「プロフィール写真」をコロコロと変える人の心理

スマートフォンの画面に映る小さな丸い写真。LINEやFacebookで見かけるあの写真のことを、若い人たちは「アイコン」や「プロフィール写真」と呼んでいます。最近、その写真をコロコロと変える人が増えているのをご存知でしょうか。特に若い世代に多いこの行動、実は単なる気まぐれではなく、様々な心の動きが隠れているのです。

今日は、デジタル時代の新しいコミュニケーションの形について、シニアの皆さんと一緒に考えていきたいと思います。お孫さんの行動が理解できるようになるかもしれませんし、ご自身のSNS活用のヒントにもなるでしょう。

変わり続ける小さな写真が語るもの

退職後、久しぶりに再会した同級生とLINEで連絡を取り合うようになった方も多いのではないでしょうか。あるいは、お孫さんとのやり取りのために、娘さんや息子さんに教わってスマホを使い始めた方もいらっしゃるでしょう。

そんな中で、ふと気づくことがあります。「あれ、またこの人の写真が変わっている」と。昨日は桜の写真だったのに、今日は愛犬の写真。一週間前は孫と一緒に写っていたのに、今は旅先の風景。こんな経験、ありませんか。

実は私の知人にも、こんな方がいました。七十代前半の女性で、スマホを使い始めて二年ほど。最初は娘さんに設定してもらった孫の写真をずっと使っていたのですが、ある日突然、頻繁にプロフィール写真を変え始めたのです。季節の花、手作りの料理、旅行先の景色。まるで若者のように、次々と写真が変わっていきました。

友人たちは最初、戸惑いました。「何かあったのかしら」「認知症の兆候じゃないか」と心配する声すら出たほどです。でも、本人に聞いてみると、全く違う答えが返ってきました。「楽しいのよ。写真を変えると、みんながコメントをくれるでしょう。それが嬉しくて」と、少し照れくさそうに笑ったのです。

写真を変える人の心の中

では、なぜ人は頻繁にプロフィール写真を変えるのでしょうか。その理由は、実に様々です。

まず、今の自分を表現したいという気持ちがあります。私たちの世代は、写真といえば記念日や旅行の時に撮るものでした。でも今は違います。日常の些細な瞬間を写真に残し、それを通じて「今の自分」を表現することが当たり前になっているのです。春に桜の写真にすれば「季節を楽しんでいますよ」というメッセージになり、趣味の写真にすれば「これが好きなんです」という自己紹介になります。

次に、その時々の気分を表したいという思いです。言葉で「今日は嬉しい」「少し寂しい」と伝えるのは恥ずかしい。でも、写真なら気軽に気持ちを表現できる。明るい色の写真は「今、元気です」というサイン、落ち着いた写真は「静かに過ごしています」という心の状態を示しているのかもしれません。

そして、反応がほしいという気持ちも隠れています。写真を変えると、友人から「素敵な写真ね」「どこで撮ったの?」とコメントが来る。特に一人暮らしをしている方や、日中一人で過ごす時間が長い方にとって、こうした反応は大きな喜びになります。「自分のことを見ていてくれる人がいる」という安心感を得られるのです。

ここで、少し面白い話をしましょう。昔の日本には「着物の季節替え」という習慣がありました。季節ごとに着物の柄や色を変えて、自分の感性や教養を表現していたのです。考えてみれば、プロフィール写真を頻繁に変える行為は、これに似ているのかもしれません。デジタル時代の「装い」なのです。小さな画面の中で、自分らしさを表現する。時代は変わっても、人の心は変わらないものですね。

また、新しい自分を探しているという側面もあります。特に、人生の転換期にある人に多く見られます。退職して新しい趣味を始めた方、配偶者を亡くして一人の人生を再構築している方。こうした時期には、「これからの自分はどんな人間でありたいか」を試行錯誤しています。写真を変えることは、新しいアイデンティティを試してみる実験のようなものなのです。

ただし、気をつけなければならないこともあります。あまりにも頻繁に、しかも衝動的に写真を変える場合、心の不安定さを表していることがあるのです。毎日のように写真が変わり、その内容も一貫性がない。こんな時は、何か心に悩みを抱えている可能性があります。

変化の種類で読み解く心

写真の変え方にも、いくつかのパターンがあります。それぞれのパターンから、その人の性格や今の状態が見えてくることがあります。

自分の顔写真をよく使う方は、自己表現への関心が強い傾向があります。「今の自分を見てほしい」という気持ちの表れです。特に、髪型を変えた後や、新しい服を着た時に写真を変える方は、その変化を周囲に認めてもらいたいのでしょう。少し寂しがり屋で、人とのつながりを大切にする優しい性格の方が多いようです。

一方、風景や花、ペットなど、自分以外のものを写真にする方もいます。こういう方は、直接的な自己表現よりも、雰囲気やムードで自分を表現するタイプです。「私はこういうものが好き」「こういう世界観を大切にしています」というメッセージを、間接的に伝えているのです。控えめで、繊細な感性を持つ方に多いパターンです。

また、流行のキャラクターや話題の画像を使う方もいます。テレビで話題になったものや、SNSで人気の画像。こうした方は、時代の流れに敏感で、周囲との共通の話題を大切にするタイプです。「私も皆さんと同じものを楽しんでいますよ」という、仲間意識の表現とも言えるでしょう。

写真を変える頻度も重要です。毎日のように変わる方は、感情の起伏が表に出やすいタイプかもしれません。週に一度程度なら、計画的に季節感や出来事を表現している可能性が高いでしょう。月に一度以下、あるいはほとんど変えない方は、安定志向で、変化よりも継続を大切にする性格かもしれません。

人生の後半を豊かに生きるために

では、こうした行動を、私たちの日常にどう活かせばよいのでしょうか。

まず、お孫さんや若い世代の行動を理解する手がかりになります。お孫さんのプロフィール写真がコロコロ変わると、「落ち着きがない」と心配になるかもしれません。でも、それは若者なりの自己表現の形なのです。試験前に暗い写真になったら「勉強で疲れているのかな」と察してあげられますし、楽しそうな写真になったら「何か良いことがあったのかな」と会話のきっかけにできます。

ある祖母は、孫の写真の変化をよく観察していました。孫が受験勉強で辛い時期、プロフィール写真が真っ黒になったことがあったそうです。祖母は電話で責めることなく、「最近どう?」と優しく声をかけました。すると孫は、普段は話さない悩みを打ち明けてくれたそうです。小さな写真の変化が、心の扉を開く鍵になったのです。

次に、ご自身のコミュニケーションツールとして活用することもできます。例えば、趣味の写真を載せれば、同じ趣味を持つ友人との会話が弾みます。旅行の写真を載せれば、「私も行ったことがある」と思い出話に花が咲くかもしれません。季節の花の写真を載せれば、離れて暮らす家族に「元気にしているよ」というメッセージを伝えられます。

実際、プロフィール写真を活用して、新しい交友関係を築いた方もいます。地域のボランティア活動に参加している男性は、活動の様子を写真にして載せるようにしました。すると、同じ地域に住む知らない方から「私も参加したい」とメッセージが来たそうです。小さな写真が、地域のつながりを広げるきっかけになったのです。

一方で、気をつけるべきこともあります。他人の写真の変化に一喜一憂しすぎないことです。「あの人、私の写真にはコメントしてくれたのに、今回は何も言ってこない」と落ち込む必要はありません。相手には相手の都合があります。SNSは便利な道具ですが、それに振り回されては本末転倒です。

周りの人の変化への向き合い方

友人や家族の写真が頻繁に変わる時、どう対応すればよいのでしょうか。

まず、好意的に受け止めることが大切です。「素敵な写真ね」「楽しそうだね」と、シンプルに反応してあげましょう。相手は反応を待っているかもしれません。特に、一人暮らしの友人や、最近元気がなさそうだった方の写真が明るくなった時は、「良い変化だな」と声をかけてあげると喜ばれるでしょう。

ある女性の体験談です。長年の友人が、夫を亡くした後、しばらくプロフィール写真を変えませんでした。灰色の空の写真のまま、半年以上が過ぎました。そんなある日、その写真が小さな花の写真に変わったのです。女性はすぐに電話をかけました。「お花の写真、きれいね」と。友人は涙声で答えたそうです。「やっと、前を向こうと思えたの」と。小さな変化が、大きな心の変化を表していたのです。

反対に、写真の変化が気になって仕方がない時は、どうすればよいでしょうか。例えば、毎日のように写真が変わり、その度に「見て見て」と言わんばかりの投稿が続く人。正直なところ、少し疲れてしまうこともあります。

そんな時は、距離の取り方を工夫しましょう。すべての変化に反応する必要はありません。たまに「いいね」を押すくらいで十分です。あるいは、「私はあまりSNSを頻繁に見ないから、大事な話は電話してね」と、自分のスタンスを伝えておくのも良いでしょう。

また、明らかに心の不安定さを感じる変化の場合は、少し踏み込んでみることも必要かもしれません。「最近、写真がよく変わるね。何か気になることでもあるの?」と、優しく問いかけてみる。決して責めるのではなく、心配していることを伝えるのです。

ある男性は、同じ趣味のサークルで知り合った友人の様子が気になっていました。その友人は、ここ一ヶ月で写真を十回以上変えていました。しかもその内容が、明るいものと暗いものが交互に続くのです。男性は勇気を出して声をかけました。「最近、元気ないように見えるけど、大丈夫?」と。すると友人は、実は家庭に問題を抱えていることを打ち明けてくれました。話を聞いてもらえたことで、友人は随分と楽になったと言います。小さな写真の変化から、大切な友人を救えたのです。

自分らしいデジタルライフを

人生の後半戦、私たちはデジタル時代という新しい世界に足を踏み入れています。スマホもSNSも、若い頃にはなかった道具です。戸惑うこともあるでしょう。でも、恐れる必要はありません。

プロフィール写真という小さな窓から、私たちは新しいコミュニケーションの形を学べます。それは、言葉だけではない、もっと柔らかで優しい意思疎通の方法です。

例えば、季節ごとに写真を変えてみる。春は桜、夏は海、秋は紅葉、冬は雪景色。こうした小さな変化が、遠く離れた家族や友人に「季節を感じながら元気に暮らしています」というメッセージになります。孫に「おばあちゃん、また写真変わったね」と言われたら、「気づいてくれたの? 嬉しいわ」と会話が生まれます。

あるいは、思い出の写真を時々載せてみる。若い頃の旅行写真、子供が小さかった頃の写真。「こんな時代もあったのよ」と、人生の豊かさを伝えることができます。それを見た友人から「懐かしいわね、私も似たような経験があるの」と、思い出話に花が咲くかもしれません。

大切なのは、自分のペースを守ることです。周りが頻繁に変えているからといって、無理に合わせる必要はありません。年に一度の誕生日だけ変える、それでも十分です。あるいは、ずっと同じ写真のまま、それもまた一つの個性です。

デジタルの世界でも、リアルの世界でも、人とのつながりの本質は変わりません。相手を思いやり、適度な距離を保ち、必要な時には手を差し伸べる。これは、私たちが長い人生で培ってきた知恵そのものです。

プロフィール写真の変化を通じて、若い世代の心を理解する。自分なりの方法で、新しい時代のコミュニケーションを楽しむ。そして、本当に大切な人とのつながりを、デジタルという道具を使って深めていく。これが、シニア世代の賢いSNS活用法なのではないでしょうか。

小さな丸い写真には、思いのほか多くのメッセージが込められています。それを読み解く力は、人生経験豊かな私たちにこそあるのです。焦らず、恐れず、でも好奇心を持って。この新しい世界を、自分らしく歩んでいきましょう。

画面の向こうにいる人の心に思いを馳せながら、温かいつながりを育てていく。デジタル時代だからこそ、人の温もりが大切になる。そんな気がしませんか。