シニアからのはるめくせかい

年齢を重ねた今だからこそときめきはるめく!毎日が楽しくなるシニアのための悠々自適生活応援マガジンです

シニア世代だからこそ響く、愛情あふれるコミュニケーション術

六十歳を過ぎても、七十歳を迎えても、私たちの心に響く言葉の力は決して衰えることがありません。むしろ、長い人生を歩んできたからこそ、本当に価値のある言葉と、ただの社交辞令との違いが分かるようになった、そんな風に感じることはありませんか。

今回は、シニア世代の皆さんが日常の中で使える、相手の心を温かくする言葉についてお話ししたいと思います。パートナーとの関係をより深めるため、お孫さんとの会話を豊かにするため、あるいは新しい出会いの中で自分らしさを表現するために、これらの言葉が少しでもお役に立てれば幸いです。

人生の後半戦だからこそ伝えられる、特別な言葉があります

若い頃は照れくさくて言えなかった言葉も、年を重ねることで自然に口から出るようになったという方も多いのではないでしょうか。「ありがとう」「お疲れさま」「大丈夫?」といった日常の言葉も、シニア世代が口にすると、若い人たちとは異なる深みと温かさが宿るものです。

先日、公園のベンチで70代とおぼしきご夫婦の会話を偶然耳にしました。奥さまが「今日のお昼、美味しかったね」とおっしゃると、ご主人が「君の作ってくれる料理は、何十年経っても毎回新鮮な驚きがあるよ」と答えていらっしゃいました。その瞬間、奥さまの表情がぱあっと明るくなり、まるで恋をしたばかりの少女のように頬を染めていらっしゃったのです。

この光景を目にして、私は深く感動しました。長年連れ添ったご夫婦でも、いえ、長年連れ添ったからこそ、相手を喜ばせる言葉の重要性を理解していらっしゃるのでしょう。

「あなたの笑顔が、私の宝物です」〜シニア世代だからこそ響く褒め言葉〜

若い頃の「可愛い」「かっこいい」といった言葉とは違い、シニア世代には人生の深みを感じさせる表現が心に響きます。「あなたの笑顔を見ていると、心が穏やかになります」「一緒にいるだけで、安心できるんです」といった言葉は、外見よりも内面の魅力に焦点を当てた、まさにシニア世代らしい愛情表現です。

私の知り合いの佐藤さんという75歳の女性の話をお聞きください。佐藤さんは3年前にご主人を亡くされ、その後ひとりで過ごしていらっしゃいました。ところが昨年、地域のボランティア活動で知り合った同年代の男性、田中さんとお付き合いを始められました。

佐藤さんがある日、嬉しそうに私におっしゃったのです。「田中さんがね、『佐藤さんの手料理を食べていると、家庭の温もりを思い出します』って言ってくださったの。もう何十年も、誰かのために料理を作る喜びを忘れていたけれど、その一言で、また誰かを大切にしたいという気持ちが蘇ったのよ」と。

佐藤さんの目には涙が浮かんでいました。それは悲しみの涙ではなく、新しい人生の可能性に気づいた喜びの涙だったのです。田中さんの言葉は、単なる料理の褒め言葉を超えて、佐藤さんの存在そのものを肯定し、新しい生きがいを与えてくれたのでした。

「一緒に過ごす時間が、何よりの贅沢です」〜時間の価値を知るシニアならではの表現〜

若い頃は時間が無限にあるような気がしていましたが、年を重ねると時間の貴重さが身に染みて分かります。だからこそ、「あなたと過ごす時間が一番大切」「今日という日を、あなたと過ごせて幸せです」といった時間を大切にする言葉は、同世代の心に深く響くのです。

近所の商店街で長年お花屋さんを営んでいる山田さんご夫妻のエピソードをご紹介しましょう。ご主人の健太郎さんは82歳、奥さまの花子さんは78歳。結婚して50年以上になるお二人ですが、健太郎さんが花子さんに毎朝かける言葉があるのです。

「おはよう、花子。今日もきれいだね。君と過ごすもう一日が始まるのが楽しみだよ」

花子さんは照れながらも、「この年になって、まだそんなこと言うのね」と苦笑いしていらっしゃいます。でも、その表情は明らかに嬉しそうで、幸せに満ちているのです。健太郎さんにその理由を聞いてみると、こんな答えが返ってきました。

「若い頃は、明日があるのが当然だと思っていた。でも今は、今日という日がどれだけ貴重かが分かる。だから、花子に感謝の気持ちを毎日伝えたいんだ。言わずにいて後悔するより、恥ずかしくても言った方がいいと思うようになったよ」

健太郎さんの言葉には、人生の有限性を理解したからこその深い愛情が込められていました。

「あなたのおかげで、毎日が輝いています」〜相手の存在意義を認める言葉〜

シニア世代の多くが直面するのが、「自分はもう役に立たない」「存在価値がない」という思いです。だからこそ、相手の存在を肯定し、感謝を伝える言葉は特別な意味を持ちます。「あなたがいてくれるから頑張れます」「あなたの存在が、私の支えです」といった言葉は、相手の自尊心を高め、生きる意欲を与えてくれます。

ここで少し話は変わりますが、面白いエピソードをひとつお聞きください。私の友人の息子さんが、おばあちゃんにスマートフォンの使い方を教えているときのことです。おばあちゃんは「私には無理よ、こんな難しいもの」と諦めかけていました。

すると息子さんが「おばあちゃん、君は僕が知ってる人の中で一番記憶力がいいよ。戦争中の話も、お母さんが小さい頃の話も、全部覚えているじゃない。スマホの操作なんて、おばあちゃんの記憶力があれば簡単だよ」と言ったのです。

その一言で、おばあちゃんの表情がぱっと明るくなりました。「そう言ってもらえると、やってみようかしら」と前向きになり、結果的に見事にスマートフォンを使いこなせるようになったのです。相手の能力を認め、背中を押す言葉の力を実感した出来事でした。

「一緒に老いていけて幸せです」〜共に歩む未来への言葉〜

若い頃の「ずっと一緒にいたい」という言葉とは違い、シニア世代では「一緒に年を重ねていけることが幸せ」という表現に深い意味があります。これは、人生の残り時間を共に過ごすという覚悟と愛情を表した、まさにシニアならではの愛の言葉です。

私の知り合いの鈴木さんご夫妻は、ご主人が軽い認知症を患っていらっしゃいます。奥さまが毎日の介護で疲れ果てそうになったとき、ご主人がふと正気に戻られて、「いつもありがとう。君と結婚できて本当に良かった。これからも一緒に歩いていこうね」とおっしゃったそうです。

奥さまは涙を流しながら、「その瞬間、今まで感じていた疲れや不安が一気に消えました。この人と最後まで一緒にいたい、支え合っていきたいと心から思えたんです」と話してくださいました。

病気や老いといった困難を共に乗り越えていく覚悟を示す言葉は、若い頃には想像もできない重みと美しさがあります。

「あなたから学ぶことがたくさんあります」〜相互尊重の心を表す言葉〜

年を重ねると、つい説教がましくなったり、経験を語りすぎたりしてしまいがちです。しかし、「あなたの考え方、とても参考になります」「その発想は素晴らしいですね」といった相手から学ぼうとする姿勢を示す言葉は、年齢に関係なく相手を嬉しくさせます。

地域のシニアサークルでボランティア活動をしている高橋さんという68歳の女性から聞いた話です。高橋さんは最近加入した72歳の新メンバーの男性に、「高橋さんの手際の良さ、本当に勉強になります。僕も見習いたいです」と言われたそうです。

「年上の男性からそんな風に言われるとは思わなくて、とても嬉しかったの。年齢や性別に関係なく、お互いを認め合える関係って素敵よね」と高橋さんは笑顔で話してくださいました。

このように、相手の良いところを見つけて素直に伝える心は、年齢を重ねるほど大切になってくるのかもしれません。

「あなたの人生の話、もっと聞かせてください」〜相手の歴史を大切にする言葉〜

シニア世代の方々は、それぞれが豊かな人生経験をお持ちです。「あなたの若い頃の話、とても興味深いです」「もっといろいろ教えてください」といった言葉は、相手の人生そのものを価値あるものとして認める、深い敬意を表した表現です。

老人ホームでボランティアをしている友人から聞いた心温まる話があります。新しく入居された85歳の女性が、最初はなかなか他の入居者の方々と馴染めずにいらっしゃいました。

ところが、同じ85歳の男性入居者の方が「奥さん、きっといろいろなご経験をお持ちでしょうね。よろしければ、お話を聞かせていただけませんか」と声をかけられたそうです。

その女性は戦時中に看護師として働いていた経験があり、その話をするうちに表情がどんどん明るくなっていかれました。「私の経験に興味を持ってくださる方がいるなんて」と涙を浮かべながら喜んでいらっしゃったそうです。

自分の人生を価値あるものとして受け止めてくれる人がいるという実感は、何歳になっても心を温かくしてくれるものなのですね。

日常に寄り添う優しい言葉の数々

ここまで特別な場面での言葉についてお話ししてきましたが、実は日常のちょっとした言葉こそが、相手の心を温かくする力を持っています。

「今日も元気そうで良かった」「お疲れさまでした」「気をつけてお帰りください」といったさりげない言葉も、心を込めて伝えることで相手を幸せな気持ちにすることができます。

近所の八百屋さんのご主人は、お客様一人ひとりに「今日もお疲れさまです。このキャベツ、甘くて美味しいですよ」「寒くなってきましたね。風邪などひかれませんように」と声をかけていらっしゃいます。

常連のお客様の一人が「あの店主さんの言葉を聞くと、ほっとするのよ。たった一言でも、自分のことを気にかけてくれる人がいるって思えるの」とおっしゃっていました。

商売上の挨拶を超えた、人と人としての温かい交流が、日常に小さな幸せをもたらしているのです。

心に響く言葉を伝えるためのコツ

では、どうすれば相手の心に響く言葉を伝えることができるのでしょうか。シニア世代ならではのアドバイスをいくつかご紹介します。

まず大切なのは「タイミング」です。相手が疲れているとき、落ち込んでいるとき、あるいは何かを頑張っているときに、適切な言葉をかけることができれば、その効果は何倍にもなります。

次に「具体性」です。「素晴らしいですね」という漠然とした褒め言葉よりも、「お庭の菊の花、とても丁寧に育てていらっしゃいますね」「手作りのセーター、編み目がとても綺麗ですね」といった具体的な内容の方が、相手に「ちゃんと見てくれている」という安心感を与えます。

そして最も重要なのが「誠実さ」です。お世辞や社交辞令ではなく、心から感じたことを素直に伝えること。シニア世代の方々は人生経験が豊富ですから、言葉の真偽を見抜く力もお持ちです。だからこそ、偽りのない気持ちを込めた言葉こそが心に響くのです。

言葉を受け取る心の準備も大切に

相手に温かい言葉をかけることと同じくらい大切なのが、相手からの言葉を素直に受け取る心の準備です。年を重ねると、つい謙遜しすぎたり、褒め言葉を否定したりしてしまいがちですが、相手の好意は素直に受け取ることが、良い関係を築く秘訣です。

「そんなことないわよ」「もうこの年だから」といった否定的な反応よりも、「ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです」と感謝の気持ちを表現する方が、相手も気持ちよく感じるものです。

新しい出会いの中でも活かせる言葉の力

最近では、シニア世代の方々の中にも、新しい出会いを求めて婚活やマッチングアプリを利用される方が増えています。そんな場面でも、ここでご紹介したような心温まる言葉は大いに活用できます。

「お写真から、とても優しそうな方だと感じました」「プロフィールを拝見して、人生経験の豊富さに感銘を受けました」「お話をお聞きして、とても勉強になりました」といった、相手の人格や経験を尊重する言葉は、シニア世代の出会いにおいて特に効果的です。

若い頃のような情熱的な言葉よりも、相手への敬意と感謝を込めた言葉の方が、同世代の心には深く響くのです。