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お孫さんは可愛いけれど…祖父母が抱える「世話ストレス」の本音と向き合い方

孫の笑顔に心が温まる一方で、疲れ果てた自分がいる。「おばあちゃん、もっと遊ぼう!」という無邪気な声に、笑顔で応えながらも、内心では「もう体が動かない…」とため息をつく。そんな複雑な気持ち、抱えていませんか?

先日、友人の直美さんが小さな声で打ち明けてくれました。「孫は本当に可愛いのよ。でもね、正直言うと世話が大変で…こんなこと言うのは悪いかしら」と。その言葉に、私も含め、その場にいた祖父母たちはみな、深く頷いたのです。

お孫さんとの時間は確かにかけがえのない宝物です。しかし同時に、その世話によって感じる身体的・精神的な負担もまた、多くの祖父母が経験する現実です。今日は、あまり語られることのない「孫育て」のストレスと、それを乗り越えるヒントについて、率直にお話ししたいと思います。

「言えない」祖父母のホンネ:世代間ギャップの中で

長年小学校の教師をしていた友人の慶子さん(68歳)は、退職後の楽しみにしていた趣味の時間が、孫の世話で思うように取れなくなったと話します。

「毎週水曜日は俳句の会に通うのが楽しみだったの。でも、娘が『水曜日だけパートを増やしたいから見ていて』って言い出して…。断りたいと思いつつ、娘が苦労しているのを見ると、つい『いいよ』って言っちゃうのよね」

同じような状況は、多くの祖父母が経験しています。孫を愛する気持ちと自分の生活とのバランス、子供に対する責任感と自分の体力の限界…このような板挟みの感情が、言いづらいストレスとなっていくのです。

元々は孫に会うのが楽しみだった義父が、最近は「今日は疲れているから」と孫の訪問を避けるようになったと話すのは、30代の専業主婦・佳代子さん。「可愛いと思う気持ちと、世話の大変さは別物なんだと気づきました」と言います。

祖父母が感じるストレスには、いくつかの具体的な要因があります。

体力の衰えと向き合う現実

「若いつもりでいたけど、孫を相手にしたら、自分の体力の衰えを思い知らされるわ」と話すのは、65歳の元子さん。週末に5歳の孫を預かった後、月曜日は一日中寝込んでしまうとか。

実際、年齢を重ねた体には、子育て世代とは違う負担がかかります。階段の上り下り、おんぶやだっこ、公園での遊び…かつては何とも思わなかった動作が、膝や腰に痛みを引き起こすことも。「孫と遊んだ翌日は筋肉痛」という声も珍しくありません。

72歳の常雄さんは、3歳の孫と遊んだ後にぎっくり腰になり、1週間動けなくなった経験を持ちます。「危険なことをしているわけでもないのに、ただ床におもちゃを広げて一緒に遊んだだけなのに…」と首を振ります。

体力の問題は単に「疲れる」というだけではなく、「孫を危険から守れないかもしれない」という不安にもつながります。転んだ孫を素早く抱き上げられるか、急に道路に飛び出した孫を追いかけられるか…そんな心配も、祖父母のストレスの一因になっているのです。

子育て観のギャップにジレンマ

「私の時代は、泣いていても『我慢しなさい』と言って育てたけれど、今は『感情を大切に』って言うのよね。正直、どう接していいか戸惑うわ」と話すのは、70代の洋子さん。

子育ての常識は時代とともに変わります。スマホの使用、食事のルール、しつけの方法…。かつて当たり前だったことが今は「NG」とされたり、逆に昔なら考えられなかった方法が推奨されたりします。

この世代間ギャップは、特に「しつけ」の場面で顕著です。孫が駄々をこねた時、祖父母は「甘やかしすぎ」と感じる一方、親は「感情を受け止めて」と考える。こうした価値観の違いが、「言いたいけど言えない」ストレスを生み出します。

元保育士の健太郎さん(67歳)は、「孫にはついつい『早く自立してほしい』という気持ちで接してしまう。でも息子夫婦は『まだ小さいからいいんだよ』という方針。どこまで口を出していいのか、いつも悩む」と打ち明けます。

「いつでも頼れる」という暗黙の期待

「突然『今日、残業になっちゃったから』と孫を連れてくる娘。予定があっても断れない…」と語るのは66歳の雅子さん。自分の子供からの依頼は、特に断りにくいものです。

多くの祖父母が経験するのは、この「断れない」というジレンマ。「頼るのが当たり前」という子供の態度に不満を感じながらも、「でも助けてあげたい」という親心との葛藤があります。

69歳の正道さんは、「息子夫婦は『親孝行してるよね』なんて言うけど、本当はもう少し自分の時間が欲しい」と本音を漏らします。その一方で、「でも孫が可愛いから、結局引き受けちゃう」とも。

この心理的負担は、明確な約束や予定がない「いつでも頼れる」という関係性の中で特に大きくなります。「明日、ちょっと預かってくれる?」という軽い調子の依頼に、どこまでNOと言えるのか…。その線引きの難しさが、多くの祖父母を悩ませているのです。

祖父母のストレス軽減法:実践者たちの知恵

では、このような孫育てストレスとどう向き合えばいいのでしょうか。実際に工夫している祖父母たちの声を集めてみました。

「限界」を正直に伝える勇気

「最初は全部引き受けていたけど、体調を崩してからは正直に『週に1回、半日だけなら大丈夫』と伝えるようにした」と話すのは、71歳の良子さん。

彼女の場合、無理を重ねた結果、体調を大きく崩してしまったことがきっかけで、自分の限界を伝える勇気を持てたそうです。「娘も最初は戸惑っていたけど、『お母さんが元気でいることが一番だから』と理解してくれたわ」

このように、自分の体調や気持ちを率直に伝えることは、長期的に見れば関係性を健全に保つことにつながります。「無理をして倒れるより、できる範囲で長く孫と関われた方が、みんなにとって幸せ」―多くの祖父母が辿り着いた結論です。

「預かる条件」を明確にする

「うちでは『1週間前に言ってね』『お泊まりは月1回まで』というルールを作ったの」と教えてくれたのは、65歳の幸子さん。

突然の依頼に振り回されないよう、あらかじめ「孫を預かる条件」を家族で話し合って決めておくというアプローチです。急な依頼や長時間の預かりで疲れ果てていた彼女が、思い切って提案したそうです。

「最初は言い出しにくかったけど、『おばあちゃんの体力にも限界があるから』と正直に話したら、意外にもすんなり受け入れてもらえたわ」

このルールづくりで大切なのは、「NOと言うこと」ではなく、「どういう条件なら喜んで協力できるか」を伝えること。そうすれば、対立ではなく、より良い協力関係を築けるようです。

体力に合わせた遊び方の工夫

「孫と一緒にいても、ずっと体を動かす遊びじゃなくていいと気づいたんです」と話すのは、68歳の浩二さん。彼は、体力的に厳しくなってきたことから、孫との遊び方を少しずつ変えていったそうです。

「公園で走り回るのは15分くらいにして、あとは絵本を読んだり、お絵かきをしたり。孫も意外と落ち着いた遊びも楽しんでくれるんですよ」

子どもの発達には、活発な身体遊びだけでなく、静かな創作活動や会話も同様に重要です。自分の体力と相談しながら、無理のない遊び方を見つけていくというアプローチは、多くの祖父母が取り入れています。

73歳の静江さんは、「昔の遊びを教えるのが私の役割」と考え、折り紙や昔話を通じて孫と交流しています。「走り回るのは若いパパママに任せて、私にしかできないことをする。そう考えたら肩の力が抜けたわ」と笑います。

孫世代との交流を「自分の学び」と捉える

「最初は、孫が使うスマホやタブレットに反対していたの。でも、一緒に使ってみたら、新しい発見があって楽しくなったわ」と話すのは、75歳の敏雄さん。

孫世代との価値観の違いを「対立点」ではなく「学びの機会」と捉えることで、ストレスが軽減されるというのは、興味深い視点です。

「孫が好きなYouTubeを一緒に見ながら、今の子の興味を知れる。逆に、私の若い頃の話もしてあげると、孫が目を輝かせて聞いてくれるんですよ」

世代間ギャップは埋めようとするよりも、互いに尊重し合いながら新しい関係性を築いていく方が、自然で心地よい交流になるようです。

親世代(子育て世代)へのメッセージ

祖父母のストレスを軽減するためには、親世代の理解と協力も欠かせません。祖父母たちからのメッセージをいくつか紹介します。

「感謝の言葉が一番の元気の源」と語るのは、69歳の恵美子さん。「娘が『いつもありがとう』と言ってくれるだけで、疲れも吹き飛ぶのよ」

また、67歳の正人さんは「ちょっとした配慮があると助かる」と言います。「孫を連れてくる時に、おやつや着替え、お気に入りのおもちゃを持たせてくれると、こちらの負担が減るんです」

そして最も多かったのは、「親としての主導権を尊重してほしい」という願いです。72歳の文子さんは「私たちはあくまでサポート役。しつけの方針など、大事なことはしっかり親が決めて伝えてほしい」と語ります。

こうした小さな配慮や明確なコミュニケーションが、世代間の協力をより円滑にしていくようです。

最後に:「完璧な祖父母」という幻想から自由になる

「お孫さんの世話でストレスを感じるなんて、自分はダメな祖父母なのでは…」

そんな罪悪感を抱いている方も多いのではないでしょうか。しかし、「完璧な祖父母」など存在しません。孫を心から愛していても、体力の限界や自分の時間も大切にしたいという思いは、ごく自然なものです。

63歳の千代さんは、こう語ります。「孫が生まれた時、『理想のおばあちゃんになろう』と思い込んでいたの。でもそれが自分を追い詰めていたと気づいた。今は『等身大の私』でいることにしたら、むしろ孫との関係も良くなったわ」

孫育ては、完璧を目指すものではなく、お互いに歩み寄りながら築いていく関係性なのかもしれません。自分の限界を認め、できることとできないことを正直に伝え、その上で精一杯愛情を注ぐ―そんなあり方こそが、長く続く健やかな祖父母・孫関係の秘訣なのでしょう。

お孫さんは確かに人生最大の贈り物です。しかし、その贈り物を本当に楽しむためには、自分自身の心と体も大切にすることを忘れないでください。あなたの幸せが、めぐりめぐって孫の幸せにもつながっていくのですから。