「かゆくて眠れない…」冬に急増する“粉吹き肌”の正体とは?~年齢とともに訪れる肌からのSOS~
ふとした瞬間に、足元を見てギョッとしたことはありませんか?
「なんだか、すねのあたりが白く粉をふいている…」「夜中、無意識に掻いてしまって血が滲んでいる…」
実はこれ、多くの高齢者が経験している“老人性乾皮症”という症状なのです。
年を重ねるにつれて、体は少しずつ静かに変わっていきます。その中でも見過ごされがちなのが「肌の乾燥」。ただの乾燥と思いきや、放っておくと日常生活に大きな影響を及ぼすこともあるのです。でも、安心してください。ちょっとした工夫と毎日のケアで、驚くほど快適に過ごせるようになります。
■ 老人性乾皮症とは?名前にびっくりしなくて大丈夫!
「老人性乾皮症(ろうじんせいかんぴしょう)」と聞くと、なんだか堅苦しく感じるかもしれませんが、簡単に言うと“年齢とともに進む肌の乾燥”のこと。特に冬場に悪化しやすく、かゆみやひび割れを引き起こすのが特徴です。
どうして年齢とともに肌が乾くのか?
それにはちゃんとした理由があります。
■ 肌が乾く3つの理由 〜なぜ起きるの?〜
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皮脂が減る
皮脂は肌の天然バリア。でも、60代になると20代の頃の約半分以下にまで減ってしまいます。つまり、“守ってくれる膜”がどんどん薄くなるのです。 -
水分を抱える力がなくなる
角質の中には「NMF(天然保湿因子)」や「セラミド」と呼ばれる水分を抱える成分があるのですが、これも年齢とともに減少。結果、水分が逃げていきやすくなります。 -
ターンオーバーが遅くなる
本来28日周期で生まれ変わる肌が、年を重ねると40日、50日とかかるように。古い角質がたまることで、ゴワゴワ・カサカサしやすくなるのです。
■ 冬は“粉吹き肌”のピーク!注意ポイントはこちら
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暖房の落とし穴
エアコンで温かくしても、空気中の水分はどんどん奪われます。肌にとっては過酷な環境です。 -
ふくらはぎ・スネが要注意!
皮脂腺が少ないうえに血流も乏しいため、乾燥の影響がダイレクトに。白い粉が吹いたようになっていたら、肌がSOSを出しているサインです。 -
熱いお風呂が逆効果⁉
「あ〜気持ちいい!」と思っていた熱いお湯が、実は皮脂を洗い流しすぎていた…なんてことも。ぬるま湯(38~39℃)での短時間入浴がおすすめです。
■ 食事のチカラもあなどれない!
肌の保湿力は、実は“食べ物”からもサポートできます。
例えば…
- 青魚(オメガ3脂肪酸):肌の炎症を抑える
- アボカドやナッツ類(ビタミンE):血行促進+保湿力UP
「食べるスキンケア」として、毎日の食事に少しだけ意識を向けてみると、じんわりと変化を感じられるかもしれません。
■ 祖母のエピソードから学んだこと
私の祖母は、80代後半。毎年冬になると「足がかゆくて、眠れないのよ」と嘆いていました。スネは真っ白に乾き、かきすぎて赤くなっていたことも。最初は「まあ、年だからしょうがないよね」と思っていましたが、皮膚科で「老人性乾皮症」と診断され、対策を始めたんです。
▼対策1:保湿剤で朝晩ケア
ヒルドイドという保湿クリームを使ってみたら、1週間でかゆみが軽減。「面倒だけど、これで眠れるなら続けるわ」と祖母も納得。
▼対策2:ぬるま湯入浴+時短
42℃の熱いお風呂から38℃に変えて、入浴時間も10分以内に。「最初は物足りなかったけど、肌の乾燥がマシになった」とのこと。
▼対策3:保湿+靴下のW作戦
クリームを塗った後に綿の靴下を履いて寝ると、翌朝しっとり感が続くんです。祖母は「なんだか若返ったみたいね!」と嬉しそうでした。
■ 乾燥に勝つための生活習慣アドバイス
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湿度を50〜60%にキープ
加湿器を活用すると◎。観葉植物を置くのもナチュラルでおすすめ。 -
水分補給をこまめに
寒い時期は喉の渇きに気づきにくいですが、体内の水分も大切です。 -
保湿剤の選び方にもコツ
乾燥がひどいときは尿素入りを。ただし、ひび割れがある場合は沁みるので要注意。肌が敏感な方にはワセリンが安心です。
■ 最後に:肌の声に、そっと耳を傾けて
年齢とともに起こる変化は、決して“老い”ではなく“体からのメッセージ”。
肌が乾くというサインも、「ちょっと休もうよ」「いたわってね」という心と体からのお願いなのかもしれません。
少しのケアで、心も体も軽くなれる。
そしてなにより、“かゆみのない夜”が戻ってくるだけで、日々がぐっと快適になります。
だからこそ、自分や大切な家族の肌に優しく向き合ってみませんか?
今日から始める、肌との対話。きっと、あなたの毎日がちょっと明るくなるはずです。